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  • 『にこめっこ』笑ってはいけない“呪い”と戦うラブコメディ

    2020年04月18日
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    花森リド:講談社コミックプラス
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    にこめっこ 1
    著者:赤堀君
    発売日:2020年03月
    発行所:講談社
    価格:704円(税込)
    ISBNコード:9784065189344

     

    私はもう笑わない!!

    笑っちゃいけないとガマンすればするほど、笑いの成分は脳内で勝手に大増殖して大変なことになる。ゲラゲラ笑うのも、幸せすぎて口元が緩むのも、とにかくこらえるのが難しい。

    『にこめっこ』のヒロイン“草原ニコ”(このネーミングセンスで私は既に笑っちゃうんですが)は、とある事情により、絶対に笑ってはいけない女の子。「笑うな」って、人生の課題としてあまりに大きすぎる。

    同級生のアホな仕草を見ても表情ひとつ崩しません。「氷の女王」と教室で恐れられる彼女の頭の中はどうなっているんでしょう。マンガの表紙を見ればわかります。きれいに切り揃えられた前髪に、強い表情。でも背景は? 無数の「笑いたくない」の中にひとつだけ「笑いたい」が隠されているんです。そして目はキラキラと輝いていますし、頬も唇もあざやかなピンク色。これ、めっちゃくちゃ可愛いラブコメでした。

     

    私のせいでクラスメイトのイボ痔が爆発

    草原ニコは、かつて悪魔と取り引きをした女の子。ニコの命を救う代償として悪魔が奪おうとしたものが「笑い」です。ニコは、ニコが笑えば、ニコの大切な人たちに「災い」が起きる呪いをかけられてしまいました。

    で、この「災い」がまあまあイヤな感じのトラブルばかりで。ニコがうっかり笑ってしまうたびに、父親が落ち武者ハゲになったり、クラスメイトの田中君のイボ痔が爆発したり。

    級友のイボ痔爆発で教室全体がドッカンドッカン爆笑しているあいだ、ニコは1人涙を流します。

    自分がM1を見て笑ったから、田中君のイボ痔を爆発させてしまった! 申し訳なくてしょうがない! 日頃から全身全霊で「笑っちゃいけない」と注意深く生きているのに、たまに笑ってしまうんです。

    ちなみに、絶対に笑っちゃいけない人がなんでわざわざM1を見ているのかというと、こういう理由からです。ニコは持ち前の勤勉さで「笑い」を研究し尽くし、笑わないように対策をみっちり積んでいるわけです。努力家!

    そんなニコは、学校一のイケメン“芝浜君”に呼び出され、自分が対策を重ねてきた「笑い」とは異なる「笑い」に出合ってしまいます。決して笑わないアイスクイーンの生徒会長、どうなる??

     

    面白くないのに、笑っちゃってる

    芝浜君は極めて真面目かつ真っ直ぐに自分の思いをニコに伝えます。

    「笑顔が見たい」が「呪い発動」とも知らずに……。真面目なニコはもちろん怖い顔を作って芝浜君の告白を固辞するわけですが……?

    こんな顔になっちゃうんですね。ああ~~~~最高にかわいい! (もちろんこの笑顔で厄災は発動しました)

    芝浜君を危険な目に遭わせたくない、でも芝浜君とお喋りしたい、でもでも、お喋りするとなぜだか笑ってしまいそう! だからニコは全力で笑うまいと頑張ります。そして頑張れば頑張るほど面白いことに。

    ヒントを出すセンスが皆無なニコと、天然の芝浜君によるヒントジェスチャー地獄。

    読者である私はヒントジェスチャーの惨劇にゲラゲラ笑ってますが、ニコの笑いのトリガーはそこじゃなくて、「芝浜君にこっそりヒントを教えている」ことなんです。完全に恋してる。

    ニコは、自分の恋する気持ちと顔のニヤケをどうすれば良いんでしょう。だいぶピンチに立たされていると思います。だって、芝浜君という男の子は抜群に良い奴なので、そりゃ笑顔待ったなしなんです。

    いつか2人で仲良く笑い合ってほしい……。2人が幸せになればなるほど危険要素が増えます。でも応援あるのみ。2巻楽しみにしてます。

    試し読みはこちら

    (レビュアー:花森リド)


    ※本記事は、講談社コミックプラスに2020年4月5日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。




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