'); }else{ document.write(''); } //-->
〈『追憶の夜想曲』文庫版発売にあわせ、単行本刊行時(2013年11月)に収録したお仕事場でのインタビューを再掲載します。〉
大の映画好き。ブルーレイ・DVD・レーザーディスクあわせて数千作品のコレクションが並ぶ自室は、大型スクリーンや音響装置を完備したシアタールーム仕様。この部屋が執筆を行う「書斎」でもある。
執筆スペースはとてもコンパクト。ワープロとして使うノートパソコンだけが机上に。
「僕は基本的に取材をしないし、資料も読まないので。そして余白にフィギュアが増えていくから、さらに他の物は置けなくなる(笑)」。
写真左端は「ダークナイト」のジョーカー。ドアには「ドルビーデジタル」のロゴパネルが。本は別室書庫に収納。「僕がいま小説を書けているのは、これまでに観てきたたくさんの映画と読んできた多くの本、その財産があるからなんです」
このソファが映画鑑賞席。「作家になってからは忙しくて1日1本観られるかどうかですが」。
学生時代からコレクションしてきたフィギュアも多数。「先日ついに実物大のE.T.を買いました。娘から言われたのは『お父さん、自由すぎる』」(笑)
デビュー3年(※2013年当時)で著書13作。睡眠時間を削るハードな執筆生活を送っている。
「どんな商売でも無理しなければいけない時期があります。それは28年間のサラリーマン生活で身に染みた経験則。僕にとって今は無理して高いハードルを越えるべき時なんです」
『追憶の夜想曲(ノクターン)』は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』の続編。あの悪徳弁護士・御子柴礼司(みこしばれいじ)が再び法廷に立つ。
著者によるキャッチコピーは「悪から善へのどんでん返し」。終盤へと加速する極上のスピード感はさすが中山作品だ。
「ジェットコースターのようにノンストップでラスト一行まで一気読みしてもらうことを目指していつも書いています。自分が享受してきためくるめく読書体験に恩返ししたい思いもあるから。ぜひ『贖罪の奏鳴曲』と二晩連続で読んでください」
中山七里 Shichiri Nakayama
1961年岐阜県生まれ。「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。同作は映画化され、ベストセラーに。「岬洋介シリーズ」として『おやすみラフマニノフ』『いつまでもショパン』と続く。また、このほど東出昌大主演でテレビドラマ化(日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」特別ドラマ企画『さよならドビュッシー 〜ピアニスト探偵 岬洋介〜』3月18日オンエア)。著書に『スタート!』『切り裂きジャックの告白』『七色の毒』『ヒポクラテスの誓い』『総理にされた男』『闘う君の唄を』『ハ-メルンの誘拐魔』ほか多数。『贖罪の奏鳴曲』『追憶の夜想曲』の御子柴礼司シリーズは、最新刊『恩讐の鎮魂曲』も好評発売中。
(「新刊展望」2013年12月号「創作の現場」より)
・「憩いの場が裁きの場に変わる時」 中山七里さんがデビュー前に毎日通った紀伊國屋書店大手町ビル店