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直木賞受賞作『ビタミンF』のほか、男手ひとつで息子を育て上げる父親を描いた『とんび』、「恋妻家宮本」のタイトルで映画化された『ファミレス』、人生を諦めかけた中年男性が大切なものを取り戻すため過去へ遡る『流星ワゴン』など、作品の多くが映像化されてきた重松清さん。
そんななか、連載終了から約10年の歳月が経った今、ある家族の10年間を描く小説『ステップ』が、満を持して映画化されます。
本作に登場するのは、突然妻に先立たれた主人公・健一と、幼い娘・美紀。育児と仕事に追われ、“なんにも予定通りにいかない”日々に奮闘するなかで、健一は、亡き妻の家族や周囲の人々に支えられながら、ゆっくりと成長していきます。
健一を演じるのは、“個性派俳優”として名高い山田孝之さん。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズや、Netflixオリジナルシリーズ「全裸監督」など、エキセントリックな役どころのイメージが強い山田さんが、本作では誰もが共感できる“等身大の父親”を熱演! 娘の育児を通して成長する父親を、リアルに体現しています。
原作者の重松清さんは、10年間にわたる物語であるという点から、『ステップ』に映像化のオファーはこないと思っていたのだそう。
しかし、重松清作品の大ファンで、『ステップ』も発売時に読んでいたという飯塚健監督が、同作の映画化を熱烈オファー。熱い想いが綴られた手紙を直接受け取り、重松さんは、飯塚監督に作品を預けることを決心したのだといいます。
さらに今回、映画化の企画・製作が進行していくなかで、重松さんが「ひそかに健一を山田孝之さんが演じてくれたらいいなと思っていた」という事実が発覚!!
実は重松さん、飯塚監督がメガホンをとり、山田さんがメインキャストとして出演した「荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE」のファンだったのだそう。実際に山田さんがキャスティングされた際にも、大喜びしたのだといいます。
そして完成した映画を観た重松さんは、山田さんの演技に対し「妻に先立たれた後の健一には、別の女性を好きになったり、自分が幸せになることに、微妙な後ろめたさがあると思うんです。亡くなった妻に対しては、新しい恋や関係を始めることへの申し訳なさ、新しい妻に対しては前の妻を忘れることができないという申し訳なさがあって、その二重の申し訳なさが山田さんの表情一つ一つに出ていた。素晴らしかった」と大絶賛!
映画「ステップ」は、「この小説は映画化してほしいと思ってた!」という原作ファンの期待にも応える仕上がりとなっています。
ちなみに重松さんは、小説を書くうえで、読者の年齢・環境など状況によって視点を変えながら、「読者が長く付き合っていける作品づくり」を心がけているのだそう。「この映画は、その理想と同じような愛され方ができる作品になったと思う!」「エンドロールの後も、出てきた人たちが生きていると感じられて、その先をまた書きたいと思った」と、原作者として映画そのものにも太鼓判を押しています。
「一つ一つの場面を積み重ねながら一段ずつステップを踏んでいく。人生にジャンプはないんです」
映画「ステップ」は、そんな重松さんの言葉のとおり、誰もがどこかしら共感でき、前を向いて歩き出すために背中を押してくれる作品です。
重松さんが称賛した山田さんの繊細な演技、そして今ではもはやレアですらある“普通のパパ”っぷりにも、ぜひ注目してみてください。
あらすじ
健一はカレンダーに“再出発”と書き込んだ。始まったのは、2歳半になる娘・美紀の子育てと仕事の両立の生活だ。
結婚3年目、30歳という若さで突然妻を亡くした健一はトップセールスマンのプライドも捨て、時短勤務が許される部署へ異動。何もかも予定外の、うまくいかないことだらけの毎日が始まった。そんな姿を見て、義理の父母が娘を引き取ろうかと提案してくれたが、男手一つで育てることを決める。妻と夢見た幸せな家庭を、きっと天国から見ていてくれる妻と一緒に作っていきたいと心に誓い、前に進み始めるのだ。美紀の保育園から小学校卒業までの10年間。様々な壁にぶつかりながらも、前を向いてゆっくりと〈家族〉への階段を上る。泣いて笑って、少しずつ前へ。
原作:重松清『ステップ』(中公文庫)
監督・脚本・編集:飯塚健(「荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE」「笑う招き猫」「虹色デイズ」)
出演:山田孝之、田中里念、白鳥玉季、中野翠咲、伊藤沙莉、川栄李奈、広末涼子、余貴美子、國村隼 ほか
主題歌:秦基博「在る」(AUGUSTA RECORDS/UNIVERSAL MUSIC LLC)
製作プロダクション:ダブ
配給:エイベックス・ピクチャーズ
公式SNS:@step2020movie #ステップ
©2020映画『ステップ』製作委員会