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  • “きれいな家族愛の話にはしないでください” 原作者の要望に、監督はどう答えた?「酔うと化け物になる父がつらい」トークイベントが開催

    2020年03月01日
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    日販 ほんのひきだし編集部 浅野
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    2月26日(水)、映画「酔うと化け物になる父がつらい」でメガホンをとった片桐健滋監督と、原作者・菊池真理子さんが登壇するトークイベントが、東京のアキバシアターで開催されました。

    映画「酔うと化け物になる父がつらい」は、菊池さんが自身の体験を綴ったコミックエッセイが原作。アルコールに溺れる父の姿を、娘の視点で描いた作品です。

    普段は穏やかなのに、ひとたび飲むと“化け物”になってしまう酒に弱い父。休日に父の友人が押しかけ、一晩中居間で麻雀に興じても文句を言わずに従う母。それを見つめる主人公と妹。映画ではそんな家族の物語を、「涙が止まらない」と反響を呼んだ原作の雰囲気は守りつつ、あくまでコミカルに仕上げています。

    酔うと化け物になる父がつらい
    著者:菊池真理子
    発売日:2017年09月
    発行所:秋田書店
    価格:990円(税込)
    ISBNコード:9784253106931

    酔うと化け物になる父がつらい

    トークイベント当日、片桐監督は、本作を手がけることになったときのことについて「“難しい”というのが最初の印象でした。菊池先生の体験をお預かりすることになるので、緊張感がありました」とコメント。事前に菊池さんから「きれいな家族愛の話にはしないでください」というリクエストがあったそうで、家族の絆として美化するのではなく、子どもたちの感じたつらさ、その影響が大人になった今も残っていることを意識して、製作に取り組んだのだといいます。

    物語の軸となる田所一家を演じたのは、渋川清彦さん(父・トシフミ役)、松本穂香さん(主人公・サキ役)、今泉佑唯さん(妹・フミ役)、ともさかりえさん(母・サエコ役)。

    片桐監督はこの配役について、「父親役はどこかユーモラスに見える、笑顔がチャーミングな方にお願いしたいと思い、渋川さんにオファーしました。松本さんは、以前別作品のオーディションでお会いしたことがあり、困った顔があまり深刻にならないところがいいなと感じてお願いしました」。

    映画化にあたって加えられたのは、観客だけが知ることのできる“家の外での父の姿”。このオリジナル要素と渋川さんの愛嬌ある表情によって、深刻になりすぎないコミカルな雰囲気でありながら、やはり「泣ける」作品となっています。

    完成した本編を初めて観たときの感想を聞かれ、菊池さんは「(原作とは)キャラクターの名前も違うのて冷静に観られるかなと思っていたんですが、斜に構えて観るつもりが大号泣してしまいました」「父親からの視点も取り入れてくださったことで、父親を断罪するような作品にならなかったことをありがたいと思っています」と絶賛。

    これに対して片桐監督も、「アルコールや恋愛などいろんな問題がありますが、この作品は“家族のディスコミュニケーションの話”だと意識して描きました。鑑賞後に『家族に連絡したいな』と思ってくれたり、家族について考えるきっかけになってくれたら嬉しいです」と返していました。

    諸悪の根源ともとれる父の存在が、“怖い”でも“嫌い”でもなく「つらい」。菊池さん自身も、今振り返って「父のことを“良い”とも“悪い”とも言えない気持ちを表す言葉だったと気付いた」といいますが、やはりその表現に、主人公たちの抱えていた葛藤や、「もう飲まないでね」というつぶやきの奥にある本当の望みが垣間見えるように思います。

    映画「酔うと化け物になる父がつらい」は、3月6日(金)公開です。

     

    映画『酔うと化け物になる父がつらい』作品情報

    【ストーリー】
    日曜日、夏休み、クリスマス。思い出の父はいつも酔っていた。
    普段は無口で小心者なのに、酔うと“化け物”になる父と、新興宗教にハマる母。一風変わった家庭で育った主人公のサキは、“化け物“のおかしな行動に悩まされ、徐々に自分の気持ちに蓋をして過ごすようになる。
    自分とは正反対で明るく活発な妹や、学生時代からの親友に支えられ、家族の崩壊を漫画として笑い話に昇華しながらなんとか日々を生きるサキ。
    そんなある日、アルコールに溺れる父に病気が見つかってしまう――。
    知っているようで、何も知らなかった父のこと。サキが伝えたかった、本当の気持ちとは?

    松本穂香 渋川清彦
    今泉佑唯 恒松祐里 濱 正悟
    安藤玉恵 宇野祥平 森下能幸 星田英利 オダギリジョー
    浜野謙太 ともさかりえ

    原作:菊池真理子『酔うと化け物になる父がつらい』(秋田書店刊)
    監督:片桐健滋
    脚本:久馬 歩 片桐健滋
    音楽:Soma Genda
    主題歌:GOOD ON THE REEL「背中合わせ」(lawl records)
    制作:MBS よしもとクリエイティブ・エージェンシー
    制作プロダクション:CREDEUS
    配給:ファントム・フィルム
    製作:「酔うと化け物になる父がつらい」製作委員会

    3月6日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

    ©菊池真理子/秋田書店 ©2019 映画「酔うと化け物になる父がつらい」製作委員会




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