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  • 本を通してキタキツネが教えてくれた喜び:わが店のイチオシ本(vol.33 函館 蔦屋書店)

    2019年12月15日
    本屋を歩く
    日販 ほんのひきだし編集部「日販通信」担当
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    全国の書店員さんが一押し本を紹介する連載「わが店のイチオシ本」。

    第33回は、北海道函館市にある函館 蔦屋書店のアートコンシェルジュ・上倉未来さんにご登場いただきました。

    上倉さんが紹介してくれたのは、注目のフォトグラファー・井上浩輝さんの『北国からの手紙 キタキツネが教えてくれたこと』。北海道で生きる動物たちの魅力を美しい写真とともに伝えてくれる、著者初のフォトエッセイです。

    北国からの手紙 キタキツネが教えてくれたこと
    著者:井上浩輝
    発売日:2018年06月
    発行所:アスコム
    価格:1,760円(税込)
    ISBNコード:9784776209867

     

    雪の上のなぞの穴は……

    北海道には、たくさんの野生動物が棲んでいます。そして、野生動物と人間の距離は思いのほか近く、ふとした拍子にひょっこりとその姿を現します。

    山奥に住む両親の元を訪れた冬の日、玄関先の雪だまりの中になにやら不思議な形をした浅い穴を見つけました。はて、これは何の跡だろうかと、いろいろと角度を変えて覗き込むうちに、その穴がリスの形をしていることに気が付きました。どうやら、エゾリスが足を滑らせたのか雪に突っ込んだ跡だったようです。

    くすりと笑みがこぼれるとともに、私たちは野生動物が棲む中で生活をしているのだと痛感しました。

     

    注目のフォトグラファーによる初エッセイ集

    今回ご紹介させていただく『北国からの手紙 キタキツネが教えてくれたこと』は、北海道を中心に活躍するフォトグラファー井上浩輝さんのフォトエッセイです。

    井上さんは「ナショナル ジオグラフィック」の「トラベルフォトグラファー 2016年ネイチャー部門」 で、日本人初の1位を受賞。ピンク色の空の下で生き生きと雪原を走り回るキツネの夫婦の写真は、本書の表紙だけでなく雑誌の表紙などにも使用されています。

    井上さんの写真を見ると、人間もまた「ヒト」という動物であることを思い出させてくれます。野生動物との距離感を心得ているからこそ、ありのままの野生動物の写真が撮れるのではないでしょうか。

     

    本を通じて出会った縁と喜び

    そんな珠玉の写真と井上さんの飾らない文章に惹かれ、その思いは本を積むだけでは飽き足らず、ついには写真のプリント販売にまで至りました。その後、井上さんのトークイベントの開催や大型プリント(約2畳分!)の展示など、本書をきっかけにたくさんのご縁に恵まれることとなりました。

    トークイベントでの販売、写真プリントとの併売などで多くの方に本書を手に取っていただいた経験は、書店員としての自信にもつながりました。

    現在も写真プリントの併売やパネル展などを継続的に行っており、井上さんを通してファンの方から「キツネがたくさんで楽しかった」というご感想をいただいたことも記憶に新しく、励みとなっています。

    本書を通して、野生動物との付き合い方だけではなく、本に対する愛情がそそいだ分だけしっかりと形となって返ってくる喜びを、キタキツネが教えてくれました。愛すべき隣人「野生動物」の魅力いっぱいの一冊を、心からおすすめします。

    ◆作り手からのメッセージ◆
    「情熱大陸」や「金スマ」でも紹介された写真家・井上浩輝さん。彼の写真はなぜ人の心を捉えてはなさないのか。同じ曲を演奏しても演奏家によって違って聞こえるように、同じ景色、動物を撮っていても井上さんの写真は優しく、温かな気持ちになります。人生の紆余曲折をへて写真家になった井上さんの心の動きが、美しい写真とともに優しい目線の温かな文章で語られています。(アスコム 代表取締役 編集担当 高橋克佳さんより)

     

    函館 蔦屋書店(Tel.0138-47-2600)
    〒041-0802 北海道函館市石川町85-1
    ※営業時間 7:00~25:00



    (「日販通信」2019年12月号「わが店のイチオシ本」より転載)




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