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午後5:00 夕飯の準備をするため近所のスーパーマーケットへ。
「毎日毎日、献立に困るわ」
そんなとき、レシピ本をめくりながら献立を考えられると嬉しいですよね。愛知県名古屋市にあるスーパーマーケット「ピアゴ植田店」には、夢屋書店ピアゴ植田店という素敵な本屋さんがあります。
夢屋書店ピアゴ植田店は、2011年にオープンした本屋さん。天白区は名古屋市の中でも若い人が比較的多い土地で、特に植田には閑静な住宅街が多く立ち並んでおり、若いファミリーが多く暮らしています。進学に力を入れている親御さんも多く、スーパーマーケットの中にあるにも関わらず学習参考書や文庫、新書が数多く売られているのが特徴です。もちろん冒頭に登場したような料理レシピ本も揃っています。今回は夢屋書店ピアゴ植田店で、オープン以来店長を務めている石原裕美さんにお話を伺いました。
石原さんは書店員歴12年。店長でありながら、さらに書店員としての腕を磨くべく現在「JPIC読書アドバイザー養成講座」を受講中です。JPIC読書アドバイザーとは、地域における読書推進のリーダーを育成するために作られた資格。毎年100名程度、読み聞かせサポーターなど読書推進にまつわる人材を輩出しています。
―なぜ今、資格を取ろうと思ったのですか?
石原店長:コーヒーにはバリスタ、お菓子にはパティシエという資格がありますが、書店員にはそういった公的な資格がありません。本が好きだというだけでは、書店員としての自信が持てなかったんです。読書アドバイザーという資格を取ることで、自分に自信をつけると同時に、お客様へのサービスを強化したいと考えました。
―資格取得に向け勉強する中で、書店員という仕事に対する認識に変化はありましたか?
石原店長:書店員は人と本を結びつけるものだと、改めて感じています。例えば先日レジで「『惹かれあうには、理由がある』という本を探しているのですが……」とお問い合わせを受けたのですが、検索してみても見つからない。「どこかで見かけたなあ」と記憶を辿ると、それは本のタイトルではなく、本の帯に書いてあるコメントだったんです。コメントにインパクトがあったので、それをタイトルと勘違いなさっていたんですね。そういうときに生のレスポンスができることが、書店員の強みであり役割だと感じました。本を探すときに頼ってくださったり、お店の品揃えを褒めてくださったりしたときにお客様とのつながりを感じて、やりがいのある仕事だなとしみじみ思います。
※ちなみに正しいタイトルは『ヒトは医学で恋してる!』(おおたわ史絵/文芸社)だったそうです。
―書店員さんって、本のことなら何でも知っているイメージがありますよね。石原店長をはじめ夢屋書店ピアゴ植田店の店員さんは親切な方が多くて話しやすいなと私自身感じていたのですが、それは書店員のお仕事を「人と本を結びつけるもの」だと考えていらっしゃるからなんでしょうね。それでは最後に、お店についての今後の構想をお聞かせください。
石原店長:これからも、もっと人と本を結びつける役割を担っていきたいです。当店には小さなお子様を連れたお客様や若いお母さんも多いですが、高齢のお客様も多いです。そういった方々にも喜んでいただける「何か」を提供していきたいですね。資格が取得できたら、ブックトークや赤ちゃん向けの読み聞かせもしていきたいです。
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いかがでしたか? 書店員さんあっての本屋さん。夢屋書店ピアゴ植田店の魅力は、本を愛する店長がいて、私たちと本を結びつけてくれるところにあります。だからこそ知的好奇心がくすぐられ、売場の本を眺めてまわると、少し賢くなったような気分になるんです。
インタビューでお聞きした今後の構想ですが、お客様に喜んでいただけくための“何か”は、実は石原さんの頭の中ですでにほとんど出来上がっています。これから実現するのが楽しみですね。
それでは最後に、石原店長からおすすめの本を教えていただきましたのでご覧ください。
★とにかく個人的に好きな小説
石原店長:何か面白い本ない?と聞かれたら、ミステリー好きな人限定ですすめています。猟奇殺人犯が***とちょっと衝撃的です。メフィスト賞を受賞していますし、映像化もしています。講談社×傑作宣言のフェアに入っている等、根強い人気があります。しかし、残念なことに著者の殊能将之さんは2013年に亡くなってしまいました。
★本が好きなあなたへ
石原店長:パリを中心とした愛書家たちの心理と本の争奪戦等が書かれています。本好きな人には心当たりがあるかもです。読書アドバイザーの講座でも本は人を狂わせると言った先生がいましたが、実感できます。さらに困ったことに、読んだ後は本屋めぐりに行きたくなってしまいます。
★プレゼントに悩んでいるあなたへ
石原店長:ポップアップではないですが、しかけ絵本になっています。大きな絵本の中に小さな絵本がどんどん続いていて、自分が本の中に吸い込まれていくような感覚になります。純粋に本をめくるということが楽しめ、何度も読みたくなります。娘はまだ1歳ですが、見るのが楽しいらしく、ページをめくりながらニヤニヤしています。
『このあかいえほんをひらいたら』を手にした店長をパチリ。プレゼントにいかがでしょうか?
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開店前の静けさをぱしゃり。
石原店長:スーパーの中に位置する本屋ですが、教養文庫がよく売れます。
夢屋書店ピアゴ植田店(Tel.052-800-0600)
〒468-0009 愛知県名古屋市天白区元植田1-302 ピアゴ植田店2F
(名古屋第二環状自動車道植田インターチェンジより車で約5分/名鉄鶴舞線植田駅より徒歩約20分)
営業時間:9:00~21:00