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全国の書店員さんが一押し本を紹介する連載「わが店のイチオシ本」。第18回にご登場いただくのは、大阪・鶴見区のショッピングセンター「イオンモール鶴見緑地」の中にあるリブロイオンモール鶴見店の野村麻紀菜さんです。
児童書担当歴7年の野村さんが紹介してくれたのは、「今までで一番笑った絵本」だという『バナナじけん』。おはなし会でも大人気だそうですが、いったいどんな絵本なのでしょうか?
当店は、イオンモール鶴見緑地4階にあります。今年7月13日にリニューアルオープンし、児童書売場は「わむぱむ」として生まれ変わりました(「わむぱむ」は、リブロの児童書売場の名称です)。ゆっくりと絵本を読んでもらうためのスペースをメイン通路からよく見える位置に新設したことで、以前よりもお店に立ち寄っていただけるお客様が増えました。平日の朝から、小さい子がお母さんに絵本を読んでもらっている光景をよく目にします。
私は児童書を担当して7年ほどになります。その間、たくさんの絵本に手作りPOPを付けて棚に並べてきました。ロングセラーが売上の中心である絵本コーナーで、新刊絵本は面陳するスペースがなかなか確保しにくいのですが、時々「これは絶対読んでほしい!」と思う新刊絵本に出会うことがあります。そんなときは手作りPOPを付けてアピールし、様子を見ます。売れるときもあれば売れないときもありますが、どちらも貴重で楽しい経験です。
今回おすすめする『バナナじけん』は、私が今までで一番笑った絵本です! これはぜひ、子どもはもちろん大人にも読んでほしいと思い、手作りPOPを付けて面陳しています。
キャッチコピーは「読めば、いやなことなんて忘れちゃう癒し系爆笑絵本」です。「あ、バナナがひとつおちましたよ」から始まるバナナじけん。まさかこんなことになるなんて……。絶妙な間合いとテンポ、動物たちの表情、うさぎの満身創痍ぶり! 何度読んでも笑ってしまいます。
▼バナナを発見!さるはこの後どうするのか……?
▼後に来たうさぎは、ああかわいそうに……
私は高畠那生さんの独特な世界観が大好きです。『バナナじけん』は「子育てや家事でちょっと疲れているお母さんが子どもと一緒に読んで笑ってくれたらいいな」という気持ちも密かにこめて、置いています。そんな『バナナじけん』が売れると、うれしくて顔がちょっとにやけてしまいます。
絵本を担当していると、話題書やベストセラーでなくても「これは絶対売りたい!」と思える素敵な1冊に出会えるときがあります。その絵本をひとりでも多くの方に手に取っていただけるよう、そしてロングセラー絵本に育つよう、絵本を売る現場から微力ながらお手伝いができたらと思っています。
◆作り手からのメッセージ◆
高畠那生さんといえば、常識にとらわれない自由な作風が幅広い世代の方に人気です。制作中、私のこまごました提案も、とにかく試してくださった高畠さん。日常の中にある「おもしろいこと」をセンス良くすくい取るのも上手です。そういった柔軟でおおらかなお人柄が作品にもあらわれています。バナナをめぐるゆかいな大事件を、ぜひ楽しんでください。(BL出版 編集部 辻美千代さんより)
リブロイオンモール鶴見店(Tel.06-6915-2600)
〒538-0053 大阪府大阪市鶴見区鶴見4-17-1 イオンモール鶴見緑地4F
※営業時間 9:00~21:00
(「日販通信」2018年9月号「わが店のイチオシ本」より転載)