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全国の書店員さんが一押し本を紹介する連載「わが店のイチオシ本」。
第5回にご登場いただくのは、栃木県矢板市にあるうさぎやTSUTAYA矢板店の山田恵理子さんです。売場を美しく飾り付けてプッシュしている『ロボット・イン・ザ・ガーデン』について、紹介してくれました。
うさぎやは大正9年の創業以来、栃木県を中心に埼玉県、宮城県に多店舗展開を行っている複合書店です。「うさぎや」という名前は、小さい子どもからお年寄りまで、町のみなさんに親しまれる、覚えやすい名前にしよう、とつけられました。
うさぎやTSUTAYA矢板店は、つつじの名所、長峰公園の近くにある、カフェ併設のお店です。
今回紹介する『ロボット・イン・ザ・ガーデン』は、酒井駒子さんの表紙が素敵な、ジャケ買いだけでも満足の1冊です。その上、ストーリーもいいのです。
主人公のベンはある朝、自分の庭で壊れかけた旧型ロボットのタングを発見します。作り主を探そうと旅に出るベン。そこから、中年ダメ男とぽんこつ男の子ロボットの珍道中が始まります。
タングの豊かな感性は日ごとに育っていきます。可愛くて切なくて、読み終える頃にはすっかり自分の心の中にタングがいて、友達のような気持ちになるのです。本の中では、そんな愛すべきキャラクターのタングとベンと一緒に、世界を旅することができます。
タングがベンに「ありがとう」を言うだけで、なんだか泣けてきてしまう、ハートウォーミングなお話です。映画化も期待しています。
私がおすすめする『ロボット・イン・ザ・ガーデン』のコーナーには、お花紙でフラワーシャンデリアを作りました。元気が出るビタミンカラーで、物語の庭を表現しています。お客様に親しみを感じていただけるように、フェルトのロボットも手作りして飾っています。
◆作り手からのメッセージ◆
「売れない」翻訳書、著者は無名、映画化もなし…と「ないない尽くし」でスタートした本ですが、酒井駒子さんの素晴らしいカバーと、タングファンの書店員さんたちの応援で、じわじわ売れて12刷6.5万部となりました。秋には続編も刊行! タングとベンのぽんこつコンビの活躍にご期待ください。(小学館 出版局 文芸編集部 皆川裕子さんより)
このコーナーは、おすすめの1冊を紹介する「わが店のイチオシ本」ですが、今回は特別にうさぎやとしてもう1冊アピールさせていただきます。
「猫弁」シリーズの大山淳子さんが描く人情物語『あずかりやさん』です。
一日百円で何でもあずかってくれる不思議な商店を舞台に、「あずけもの」に隠された秘密が交差する。切なくも心あたたまる物語。
『あずかりやさん』はうさぎやが全店を挙げてプッシュしている作品で、うさぎやチェーンで2500冊以上を売っています。
温かく癒しあふれるこの作品を、より多くのお客様に手に取っていただきたい――そんな思いを込めて、私たちはオリジナルブックカバーとしおりを作りました。
このブックカバーは、うさぎやオリジナルとして最初はうさぎやチェーンだけで展開していましたが、お客様からも好評で、ポプラ社から正式にカバーのデザインとして採用されました。今は、このカバーをかけたバージョンも全国の書店で注文ができるようになっています。
想像力が養われ、感性が磨かれる、そんな素敵な力が本にはあります。本が好きな人、本を読む人がどうか増えますように。お客様と本との出会いの場になる、書店の売場作りをこれからも大切にしていきたいです。
うさぎやTSUTAYA 矢板店(Tel.0287-43-3885)
〒329-2162 栃木県矢板市末広町20-1
※営業時間 9:00~23:00
(「日販通信」2017年8月号「わが店のイチオシ本」より転載)