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  • 作家・編集・校閲が『校閲ガール』を語る!「地味にスゴイ!?校閲ナイト!」レポート【前編】

    2017年02月28日
    本屋を歩く
    ほんのひきだし編集部 浅野
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    柳下:『校閲ガール』は、キャラクターが活きてますもんね。

    宮木:「話が進められないならスピンオフで土台を作って、それから本編の続きを書けばいい」と。

    柳下:天才ですね。

    宮木:その友達はバラエティ番組のチーフプロデューサーだったんですが、「出世する人のアイディア出しってすごい!」と思いましたね。助けられました。そんなふうにしてできた2冊目ですが、私はこれが一番面白いなと思ってます。表紙の絵も一番かわいいし。だって「ア・ラ・モード」だよ、超可愛くない? これ、岩橋さんが考えたんだよ。

    岩橋:でも、ウェブ連載でのバナーデザインで「『ア・ラ・ドーモ』ってなってるのを『ア・ラ・モード』に校閲するかたちにしよう」ってアイディアをくださったのは宮木さんですよ。

    宮木:ちなみに「トルネード」は、語感が似てるから決めました。

    岩橋:ここで「トルネード」が出てくる宮木あや子は、天才だなと思いましたね。

    校閲ガールア・ラ・モード
    著者:宮木あや子
    発売日:2015年12月
    発行所:KADOKAWA
    価格:1,430円(税込)
    ISBNコード:9784041036440
    校閲ガールトルネード
    著者:宮木あや子
    発売日:2016年10月
    発行所:KADOKAWA
    価格:1,430円(税込)
    ISBNコード:9784041044926

     

    ドラマ「地味にスゴイ!」の舞台裏

    柳下:ドラマも楽しかったですよね! テレビマンの方って、出版人とは美意識が違うというか、「どう映したいか」の優先順位が高いんですよ。監修していて、「画としてどう作りたいか」と「現実はどうか」の折り合いをつけるのが面白かったですね。

    ――「画」と「現実」では、どういうところが違うんですか?

    柳下:本当は(原稿に)赤じゃなくて鉛筆を入れるところでも、赤のほうが映えるからそっちにしようとか、そういうのがありましたね。出版関係者にとっては気になるところもあったでしょうけど、面白かったです。撮影のスタジオも現実的ではなくて、校閲部の隣におでん屋があって、その隣に編集部があったりして。コンパクトでしたね。

    宮木:悦子の部屋もあったね。

    柳下:そうですね、そういう撮影の現場は始めて見ました。

    宮木:現場に私服で行ったら、石原さとみさんの衣装と丸かぶりしていたのが思い出です。

    岩橋:どれだけおしゃれ偏差値高いんですか(笑)。

    宮木:自分がおしゃれかどうかはわかんないけど、お洋服は好き。本当に大好きです。

    岩橋:「校閲ガール」シリーズを読んでくださった方は分かると思いますけど、ファッション描写、おしゃれ描写は、あや子イズムがすごく感じられると思います。

    柳下:ドラマもそうでしたもんね、ファッション面でも話題になっていて。

    宮木:ある時プロデューサーさんが「宮木先生は本当に、会うたびに雰囲気が違う」とおっしゃっていて、確かに意識はしていなかったけど、毎回違うテイストの服を着ていたんですね。それで「服が好きなだけで、別にどんなジャンルが好きとかではなく、着たいものを着ている」と答えたら、しばらくして取材でプロデューサーさんが、同じことを答えていたんですよ。「石原さんの衣装はいつもさまざまに違っていていいですね」と言われて、「服が好きな人は、着たいものを着てるんじゃないですかね」って(笑)。

    柳下:着道楽というんですかねえ。

    岩橋:そういえば、ファッション業界のことって校閲が結構大変なんですよね。

    宮木:作中に実在のセレクトショップの名前を出して、そこでとあるシャツを買うっていう描写があったんですけど、そのブランドでは書いた時点で取り扱いがなかったのに誰も気が付かなくて、後で自分で調べて直したりしましたね。

    岩橋:『校閲ガール』には一応、「作中の世界は20XX年」っていう設定があるんですよ。なので「その時には(店が)オープンしていないようです」とか、小説内なのであえてママ(原稿のまま)にするという判断もありますけれど、一応ご指摘差し上げたりもしています。

    柳下:ちなみに宮木先生、作中に登場する貝塚さんは、感情移入度で言うと低い方ですか? 僕はわりと貝塚さんは好きなんですけど、読んでていて全体的にうっすらしているなあと……。

    宮木:2パーセントくらいですね(笑)。あとがきの漫画では、私が文字だけ先に書いて、絵を後で茶谷さんに付けてもらってるんですけど、「あっ、貝塚の(下の)名前が出てないわ。次出る時に出そう」とか。

    柳下:でも貝塚さんって、仕事は雑だけど、気持ちがずっと作家さんに向いているじゃないですか。「作家さんを守るタイプの編集者」っていうのがたまにいて、僕はそういうの好きですね。

    宮木:うーん、でも「守ってくれなくていいから、きちんと仕事してくれよ」って思いますよね。「僕は作家さんのことをこれだけ思ってます」と言いながら、〆切を間違えたりとか、そういう人がいたことがあったので。

    柳下:まあ、作家さんにバレちゃだめですね。

    岩橋:原作では『校閲ガール トルネード』の半ばで(貝塚の下の名前が)出てきて、それがネタ的でもあるんですが、ドラマがネタバレになっちゃってるんですよね。

    宮木:ドラマの企画書ができた時点では、確か「茂雄(シゲオ)」でしたよね。でも悦子が「このタコ!」と罵るところで「八郎」という名前がガチッとはまって。あれはすごい偶然でしたね。

    ――ドラマ化にあたって、変更をお願いしたところはあるんですか?

    宮木:全部おまかせでしたね。「一切、口出ししません」と言ってました。ただ一か所だけ、確か第1話かな? 会話中に「エッチ」という表現があったんですが、悦子は「エッチ」とは言わないなと思って「見ている方が逆に恥ずかしくなると思うので(この表現は変えてください)」と言いました。結果的にその台詞はまるまるなくなりましたが。

     

    後編へ続く

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