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春クール放送のドラマ「重版出来!」で濱田マリさん演じる河さんのモデルとなった、オリオン書房ノルテ店の池本美和さん。ドラマの河さんと同じく、池本さんも現在お店でコミック売り場を担当していらっしゃいます。
そんな池本さんは、とあるSF漫画が“超”がつくほど好きなのだそう。そこで今回は「おすすめSF漫画」と題して、池本さんおすすめのSF漫画を3つ紹介していただきました!
〈池本さんより〉
すごくざっくり言うと「万年彼氏なしの“粘着系地味女子”がいつまでもいつまでも憧れの先輩に恋焦がれて暴走が止まらなくなっている」っていう、なんとも痛々しい「片思いこじらせマンガ」なんですけれども、それが「終末の世界」という舞台に乗っかるだけで、なんでこんなにも面白くなるんや!? っていうSFラブロマンス作品です。
なんだかよくわからない「ゼリー」と呼ばれる異物に襲来され、終わってしまうかも知れない世界の中で、それでも私にとって一番大切なのは「先輩」だと言いきってしまう、その意志の気高さたるや。たとえ非日常においても、普遍的なものといえばやっぱり「恋情」なんじゃねえの? って、うっかり納得させられてしまう。
この世界で一体何が起きているのか? まだ1巻目なので、そのあたりの不穏な状況も気になるところ。これをうら若き女性作家さんが描いているっていうんだからびっくりです。本当に。
〉小学館スピネット『あげくの果てのカノン』(試し読みあり)
http://spi-net.jp/monthly/comic037.html
〈池本さんより〉
かの手塚治虫先生の名作『鉄腕アトム』が誕生する以前の物語を、ロボット漫画家・カサハラテツロー先生が熱筆!!! 自立人工知能“ベヴストザイン・システム”搭載のロボット「A106(エーテンシックス)」開発にあたる、天馬博士やお茶の水博士の若き頃の友情や衝突などが、これでもかと詰まった会心作です。
ロボットに「自我」は必要か? 賛否が分かれそうな命題ですが、そんなことにとらわれずとも、この作品の疾走感に身をまかせて読むが吉。とにもかくにも、ロボットたちの懐かしくもあたたかみのあるフォルムが最っ高にクールでいかしてる!! 「心やさしき科学の子」の誕生秘話、原作を未読でも十分楽しめるほどにすばらしい、屈指のスピンオフ作品です!
〉月刊ヒーローズ『アトム ザ・ビギニング』(試し読みあり)
http://www.heros-web.com/works/atom.html
〈池本さんより〉
「かつてこんなSF少年漫画を、週刊連載で読んだことがあっただろうか!?」というぐらい大ハマリしています。……が、ひとことで紹介するのがなかなか難解な作品なんですよ、これが。
大まかにいうと「異世界から現れた謎の侵略者を防衛すべく形成された“BORDER”に所属する、若き少年少女隊員たちの奮闘ぶり」を応援する漫画です。しかしながら、『ワールドトリガー』という作品のすばらしい点を挙げ始めると、ちょっと1万字では足りなくなってしまう……。心が痛いのですが、箇条書きで。
① 世界観やキャラクター、その他もろもろ全てにおける“設定のこまやかさ”!
② 中のライバル、外の敵! 胸のすくような展開が見どころの“クレバー”なバトルシーン!!
③ 主人公に対し、決して“世界はやさしくない”
特筆すべきは、③の「主人公に対し、決して“世界はやさしくない”」という点です。特に少年漫画というものは、得てして“主人公補正”がかかりがちなのですが(要は平凡な少年が急に何かの力に覚醒し、皆を助けたりするアレのことです)、この作品に限って言えば、それがまったくと言っていいほど感じられない。
この物語の「主人公」である三雲修という少年は、自分の信念に従って動く、いわゆる「正義感の強い」人物なのですが、じゃあ実力が十分にともなっているかというと、残念ながらそうではない。組織内部にはたくさんの有能な仲間がたくさんいて、その中でも彼はあれやこれやで強くなろうと努力するのですが、ちょっとやったくらいですぐ強くなれるほど世界は甘くはない。彼の周りだけ、まるで「私たちの生きている世界」そのものかのようです。
でも、彼はそこであきらめない。じゃあ自分に今できることは何か? 常に前を向いて思考し、行動しようとする彼の姿勢に、励まされている読者はきっと私だけじゃないはず。
……とまあ、ちょっと書いただけでもなんだか長文になってしまいましたが、この作品の楽しみ方はそれこそ「読者」の数だけあるといっても過言ではありません。魅力的なキャラクターに心酔し、息をもつかせぬ集団戦の攻防に心を奪われ、彼らの成長に胸が熱くなり、etc etc……。
私たちに「想像」の余地を十二分に与えてくれる、これぞ空想科学漫画というべき作品なのです。ぜひとも応援をよろしくお願いします!
▼オリオン書房ノルテ店店内では、「レプリカ先生」がお客様をお出迎え。力作です!
〉『ワールドトリガー』公式サイト
http://worldtrigger.info/
オリオン書房ノルテ店(Tel.042-522-1231)
〒190-0012 立川市曙町2-42-1 パークアベニュー3F(※営業時間 10:00~21:00)
オリオン書房公式HP
http://www.orionshobo.com/