'); }else{ document.write(''); } //-->
10月29日(木)、「第1回TSUTAYAえほん大賞」の授賞式が代官山 蔦屋書店で開催されました。
TSUTAYAえほん大賞は、全国のTSUTAYA・蔦屋書店の児童書に関わる担当者が、「今の新刊から、50年後も読まれる作品をTSUTAYAで育てていきたい」という願いを込め、自分の子どもに読み継ぎたい・語り継いでいきたい作品を選ぶ絵本賞。直近1年間に出版された絵本から上位10作、直近3年間に出版された絵本から新人賞1作が選ばれました。
※第1位~第10位受賞作は2019年8月1日~2020年7月31日刊行、新人賞は2017年8月1日~2020年7月31日刊行の作品から選定
大賞に選ばれたのは、先日発表された「第11回リブロ絵本大賞」でも大賞を受賞している『パンどろぼう』。『めがねこ』『おいしそうなしろくま』などでも知られる、柴田ケイコさんによる絵本です。
新人賞は『そらいろのてがみ』。
北海道出身の作家・ながしまひろみさんが、季節のうつろいをやわらかなタッチで描いています。
第1回TSUTAYAえほん大賞 受賞作
大賞『パンどろぼう』(柴田ケイコ/KADOKAWA)
新人賞『そらいろのてがみ』(ながしまひろみ/岩崎書店)第2位『ねぐせのしくみ』(ヨシタケシンスケ/ブロンズ新社)
第3位『ふーってして』(松田奈那子/KADOKAWA)
第4位『ねえねえ あのね』(しもかわらゆみ/講談社)
第5位『巨大空港』(鎌田歩/福音館書店)
第6位『ふみきりくん』(えのもとえつこ/福音館書店)
第7位『やねうらべやのおばけ』(しおたにまみこ/偕成社)
第8位『ふゆのはなさいた』(安東ふみえ/アリス館)
第9位『おおにしせんせい』(長谷川義史/講談社)
第10位『どこからきたの?おべんとう』(鈴木まもる/金の星社)
授賞式には、今年2月に第一子となる女の子を出産した新米ママでもある、お笑い芸人の横澤夏子さんがゲストとして登場。
TSUTAYAえほん大賞を企画した村辻優香さん(蔦屋書店 児童書担当)、司会をつとめたピン芸人・タケトさんもママ・パパで、当日はそれぞれの家庭でのエピソードも飛び出しました。
お子さんが生まれる前から、絵本が大好きだったという横澤さん。
「子どもが生まれてからは読む絵本も変わって、また新しい発見がありましたね。8か月なので、いま読んでいるのは『ごぶごぶ ごぼごぼ』『じゃあじゃあびりびり』『ぽんぽんポコポコ』とか。声や音の繰り返しを、こんなに喜んでくれるんだって。1日3冊は読もうと思って、目標にしています」
読み聞かせは語彙の獲得にもつながりますが、ひざの上で抱っこして、ふれあいながら絵本を読むことは、親子の時間を育むコミュニケーションのツールとしても重要なもの。横澤さんも「寝かしつけやごはんを食べた後などに読んでいます。私の声を聞くことで落ち着くという面もあるみたいで……」と顔をほころばせていました。
そんな横澤さんのイチオシは、『ちいさなあなたへ』。
「涙が止まらなくて最後まで読めたことがない」と言う横澤さんに、村辻さんも「ある意味読み聞かせには向いていないかもしれないけど、読んでいるお母さんも同時に癒やされる効果がありますよね」と共感。絵本を読んでいるときの感情がよみがえったようで、お互いに目を少しうるませていました。
受賞作発表後には、大賞受賞作『パンどろぼう』の著者・柴田ケイコさんと、新人賞受賞作『そらいろのてがみ』の担当編集者・堀内さん(岩崎書店)が、著者のながしまひろみさんに代わって登壇。
受賞の喜びを次のように語りました。
柴田ケイコさん 授賞式当日のコメント
『パンどろぼう』のお話をいただいたのは3年前のことで、私の名刺に描いてあった、頭にパンをかぶったしろくまくんのイラストがきっかけでした。
泥棒の話だけに、嫌われないキャラクターが絶対にいいなと思っていて、うまくそれをキャラクターにできて、本当によかったです。
パンどろぼうくんが皆さんに愛されるキャラクターになったことが、受賞のきっかけになったのかなと思います。
「パンといえば『パンどろぼう』だね」と、これからも皆さんの心に残っていったらいいなと思います。
代読された、ながしまひろみさんのコメント
今年は人に気軽に会えないぶん、近所を散歩して感じる季節の移り変わりに、たくさんなぐさめられました。このような絵本を作る機会をいただけたこと、最後まで導いてくださった堀内さんに感謝しています。岩崎書店 堀内さんのコメント
ながしまひろみさんは、日々のちょっとしたことや、ささいな心の動きに向き合って、それを文章や絵に表現できる作家さんです。お生まれが北海道でして、本に書かれてはいませんが、この本も北海道を舞台にされているということです。雪国の方ならではの春を待つ気持ちや、風の動き、空気の匂い、空の色といった季節の移り変わり。そういう一つひとつを敏感に感じながら育っていく主人公のゆきちゃんが、とてもいきいきと描かれています。
読者の皆様にもぜひ、日常のささいなこと、いつもの通り道や公園がそれまでとはちょっと違う感じを、感じながら成長していってほしいなと思います。また、それを見守っている大きな存在がいるということを、この本を通して知っていただけたらと思います。
授賞式終了後の記者会見では、大賞受賞作『パンどろぼう』について「パンどろぼうの声をどうやって読むかも、読むときの楽しみです」と語っていた横澤さんが、報道陣に“読み聞かせ”をしてくれる一幕も。
ベビーシッターやチャイルドマインダーの資格も持っている横澤さん。パンどろぼうの声色もさることながら、本編を読み始める前に「『ああ、いとしい いとしい いとしのパン。』って書いてあるねえ」「どんなお話か気になるねえ」と、表紙までたっぷり楽しみつくす読み聞かせを披露してくれました。
また『パンどろぼう』に出会ってから、普段も「早くごはんを食べないとパンどろぼうがやってくるぞ!」と、パンどろぼうの声色でお子さんとコミュニケーションをとっているそう。著者・柴田さんの願いどおり「パンどろぼう」というキャラクターが愛されていることが、このエピソードからも伝わってきました。
11月30日(金)より、全国のTSUTAYAおよび蔦屋書店の店頭では、「TSUTAYAえほん大賞フェア」が開催中。ぜひ実物を手にとって、親子でお気に入りの一冊を探してみてくださいね。
※店舗によって開催時期が異なります(一部、フェアを実施していない店舗があります)。
・『パンどろぼう』が第11回リブロ絵本大賞に決定 パンを愛しすぎたパン(?)を描く、大爆笑のユーモア絵本