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お参りの“証”として、訪れた神社・寺の名前、ご本尊の名前、お参りした日付などを墨で書き入れていただく「御朱印帳」。これをもじった、人と書店を結ぶ「御書印帖」というものがあるのをご存じでしょうか?
御書印帖には、訪れた日付、書店員が選んだ本のタイトルや一節が記入され、最後に、書店ごとのオリジナル印が捺されます。
この連載「御書印帖とめぐる日本の本屋」では、旅行記のように、津々浦々の“御書印店”を紹介していきます。初めての土地・書店を訪れるワクワク感、書店員さんとの交流をお楽しみください。
「御書印」とは?
御書印帖を持参すると、訪れた日付、書店員が選んだ本のタイトルや一節が記入され、最後に、書店ごとのオリジナル印が捺されます。
御書印をもらう際に渡す200円ほどの「御書印代」は、その書店のサポートになります。
市販の御朱印帳でも参加できますが、参加書店では「御書印帖」を数量限定で無料配布中。また、それとは別バージョンの「特装版 御書印帖」が、参加書店にて発売中です(一部店舗を除く)。
※全国の御書印参加書店はこちら 》「御書印プロジェクト」公式note
農文協・農業書センター
・1994年創業
・所在地:〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-15-2 第1冨士ビル3F
・営業時間:月~金 10:00~19:00/土 11:00~17:00(日・祝定休)(御書印受付時間も同じ)
・電話番号:03-6261-4760
―― 農文協・農業書センターは、神保町交差点のすぐ近くにあるお店ですね。近隣エリアはどんなところでしょう?
まず、神田神保町は“本の街”として有名です。新刊書店、古書店、出版社、取次店、製本所など、出版に携わる会社が多くあります。今年はコロナ禍で中止となってしまいましたが、「神保町ブックフェスティバル」や「神田古本まつり」には毎年数万人の人が訪れます。
また、カレーの激戦区としても知られています。学生街でもあり、近くには明治大学や日本大学、駿台予備校、大原簿記学校などがあります。
とはいえ、最初に店を開いたのは千代田区大手町です。神保町には、2014年に移転しました。
―― そうだったんですね。店名のとおり「農業書の専門書店」なのですが、お店の特徴と、創業時からの歴史を教えてください。
当店は、取次経由の本のほか、自費出版や地方流通の本、農業協同組合(JA)など農業団体の発行する本、農学系学会誌など、一般書店では購入するのが難しい本も直接仕入れています。在庫は約3万冊、専門書店に恥じない品揃えを心がけています。
農文協・農業書センターが開業した1994年当時、全国3,234市町村のうち、3割近くの市町村には図書館も書店もありませんでした。
当店の運営母体である農山漁村文化協会(略称:農文協)は、月刊誌「現代農業」を発行する出版社ですが、農村・農家こそ文化の創造者であり、文化の担い手であるとの思いから、農村に読書環境を整えよう、農家が必要とする本を届けよう、農村から都市に向けた文化発信の拠点をつくろうと、農業書全点を陳列する専門書店を千代田区大手町のJAビルにオープンしました。
そのときにあわせて「田舎の本屋さん」という通販サービスを始め、当店の御書印にはそのイラストを使用しています。峠の茶屋風の本屋と、飛脚をイメージしています。どこか懐かしい、ゆったりとくつろげる本屋です。
―― お客様は、農家の方が多いんでしょうか。
やはりそうですね。全国からのご来店のほか、電話やメールでの注文・問い合わせがあります。
神保町に移ってからは、都会暮らしだけれど農業や田舎暮らしに関心のある方、大学の先生や学生さん、農業や林業に関係する企業の方などの来店が増えました。最近は少なくなってしまいましたが、中国、韓国、台湾など、海外からのお客様も多いです。
また、コロナ禍で著者トークイベントは中止していますが、「階段ギャラリー」と銘打った写真展を開催しています。最近では、高文研が発行した『琉球の記憶 針突(ハジチ)』の写真展を開催しました。
「針突」とは、昔、沖縄の女性が手の甲や腕に施した刺青の風習です。朝日新聞、毎日新聞、沖縄タイムス、琉球新報、赤旗などの新聞で紹介され、連日多くの人が来店されました。会場で上映したDVD「南島残照 女たちの針突」(ヴィジュアルフォークロア)に、皆さん食い入るようにご覧になっていたのも印象的です。
―― それでは最後に、これからお店を訪れる方へのメッセージをお願いします!
農業書の専門店ですが、林業、漁業、畜産業、地域づくり、酒づくり、郷土料理、民俗学などの本も豊富に揃えています。
コンビニ(サンドラッグ)の3階なので入口がわかりづらいですが、3階ベランダに幟が何本もなびいていますので目印にしてください。新刊やイベントの情報は、Facebook、Twitter、Instagramでご案内しています。
農文協・農業書センターの御書印をゲット! 次の書店もお楽しみに。