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「あの人が言ってたあの店に行ってみよう」そんな風に訪れる場所は、まるで誰かと一緒に行った時のような感覚。自分では気づくことができなかった入り口から、渋谷の街に入り込んでみる。知っている場所もいつもとは違って見えるかも。
――TRANSLATOR: Rie fu
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※本ページ記載の情報は、2020年6月15日時点のものです。新型コロナウイルス感染拡大防止のため通常とは営業日時が異なる場合や、臨時休業・立入禁止の場合もございます。感染症対策で実際に訪れる際は、最新の情報をご確認の上、感染症対策に十分注意してお出かけください。
渋谷には新しいカルチャーが生まれる場所がある。古本屋にアーカイブされた過去のカルチャーはいつだって未来に向けてクリエイティブな気持ちを高めてくれる。写真や音楽、多様なカルチャーの交差点となるようなサロンはワクワクする出会いに満ちている。渋谷の新しいカルチャーを創るのはあなたかも知れない。
渋谷には音楽に触れる場所がたくさんある。遠くからでも見える黄色い看板は「Tower Records」。試聴機のチェックは今も欠かせないし、レコードショップ巡りも楽しい。道玄坂の古本屋「Flying Books」ではポエトリーと音楽のライブが催されている。渋谷で音楽を感じる方法はさまざまだ。時には、バスの中でイヤホンを外してみるのも良い。思わぬ音との出会いが楽しめるはず。
渋谷でアートを感じる場所はどこだろう?街中にはグラフィティやステッカーが溢れているし、尖がったギャラリー同士のコラボレーションも楽しめる。アーティストの視点でハックできる場所も意外と多いのだ。そして渋谷には、街を自分のフレームで切り取る楽しみがある。ただの壁も切り取り方で美しいものに変わる。アートの実践のために街へ繰り出そう。
渋谷とファッションは切っても切れない。渋谷を歩いているとショップに並んだ服や靴が目に入るし、道行く人もおしゃれで楽しそうだ。ファッションは自分の美意識を高めるためのものでもある。美術館に行くようなに訪れるショップもある。ファッションは自然体でいるためのものでも、誰かとつながるためのものでもある。音楽などのカルチャーと結びつくのも最高だ。自分のファッションを見つけに渋谷へ行こう。
渋谷に居場所を見つけるのは難しい。そう思ったことはないだろうか?人がたくさんいるし、スクランブル交差点はいかにも慌ただしい感じがする。でも探してみれば意外とあるのだ。一度見つけてしまえば数珠つなぎに居心地のいい場所が見えてくる。渋谷のエアポケットを探しに行こう。
渋谷にはおいしいものがたくさんある。これについては説明不要だ。直観で気になった店を訪れて、おいしい渋谷をキャッチしよう。誰かに教えてもらったお店も、通ってしまえば自分だけの魅力に気づく。その魅力を誰かに伝えてみよう。渋谷の「おいしい」がどんどん加速するはずだ。
「hotel koé tokyo」宿泊者専用のプライベートラウンジにて、総支配人・岡田茂宏さんに語ってもらった。ホテルの選び方、ホテルの過ごし方、そしてあまり気づいていないたのしいホテルの使い方。旅に出る時にはぜひ試してみて欲しい。
―― 旅は好きですか?
旅ばっかりしていますね。海外に住んでいたことがあるんです。ずっと世界中のホテルで働いていました。ロサンゼルス、ニューヨーク、マンチェスター、スイス、香港。その時は、メキシコのカンクンだったり、トルコでバックパッキングしたり、日本から遠くて行けないところへ行ってました。ガイドブックをなぞるだけじゃつまらない。旅のプランを立てて航空券を手配して、ひとりで全部調べ尽くしていました。自分でガイドブックをつくりたいという野望もあったんですよ。
―― そんな旅好きの岡田さんにとって、旅の体験の中でのホテルとはどんなものですか?
ホテルは自分の価値観によって捉え方が変わります。必ずしもハイエンドなラグジュアリーホテルが良いというわけではないんです。大切なのは、自分のライフスタイルにフィットすること。ホテルを選ぶ時に意識したいのは旅の目的です。たとえば、おいしいご飯を食べるために台湾に行くときはレストランの近くのホテルを取ったりしますね。
―― 目的によってホテルの選び方が変わるんですね。
そうなんです。ホテルには4つのカテゴリーがあります。ラグジュアリーホテル、ビジネスホテル、ブティックホテル、そしてラブホテル。過ごす目的によってホテルを絞れますよね。渋谷は4つのカテゴリーが全部入っているんです。そんな街なかなか無いですよ。
―― ホテル選びのコツを教えてください。
自分がホテルを選ぶときに気にするのは立地です。迷った時はこう考えてみるんです。何のためにその場所に行くんだっけ? すると答えが出てきます。ホテルは行き先を決めてから選ぶもの。旅先で過ごす時間は限られています。ゆっくりするにしても詰め込むにしても、時間は大事。だからこそ行きたい場所、やりたいことにアクセスしやすい立地で選んで欲しい。値段よりも立地ですね。立地が良いホテルの周りにはレストラン、ショップ、文化施設が充実していることも多いです。
―― ホテルでの過ごし方を教えてください。
ホテルの4つのカテゴリによって見るポイントを変えるのがおすすめです。ラグジュアリーホテルであれば備品を見ます。アメニティ、マットレスひとつにしろ、クオリティが高い。ラグジュアリーなら部屋が悪くてもいい。使っている備品は同じなんです。スパやプール、ラウンジなどホテルそのものを存分に楽しんでください。
―― ビジネスホテルはどうでしょう?
ビジネスホテルはとにかく立地。打ち合わせ場所や訪問先の近く。夜遅くまで勤務しても、会食をしても、すぐに帰れる立地が重要です。ビジネスホテルを選ぶ際はニーズが明確ですね。
―― ビジネスに使えるツールをレンタルできるホテルもありますよね。では「hotel koé tokyo」のようなブティックホテルはどうでしょう?
ブティックホテルはコンセプトを楽しむホテルです。なんのために泊まるのか、自分の旅の理由とつなげて考えると魅力的なホテルに出会えます。建築を見るのもいいですね。ラグジュアリーホテルは建築家が決まっていることが多いですが、ブティックホテルはひとつひとつ全く違います。テーマパークのようなものです。ぜひ長期滞在してみてください。コンセプチュアルな空間に身体ごと入り込んでじっくり味わうんです。
―― ラブホテルはどうでしょう?
ラブホテルは、ご自由に想像を膨らませてご検討いただければと思います。
―― あまり知られていないホテルの過ごし方ってありますか?
ぜひホテルマンとおしゃべりしてみてください。実は話しかけてくれるのを待っているんですよ。でもご安心ください。しゃべって欲しくない人は察しますから。ホテルはステージ。ホテルマンは観客のツボを心得ているホスピタリティの高い俳優みたいなものです。深夜酔っ払って帰って来られたお客様とこれまでの人生について深く話し込むこともあります。ホテルマンの経歴はさまざま。話してみるとおもしろいですよ。特にブティックホテルは個性的な人が多いです。以前はしゅっとして、髪をびっしり固めてというクラシカルなスタイルが多かったけど今は変わってきています。自分でやりたいこと、自分のスタイルを表に出す働き方を受け入れる方向に進んでいます。お客様のニーズもそこにあると思っています。
―― 話しかけるきっかけはどうすればいいでしょう?
ホテルマンを頼ってください。レストランの予約を任せてみるのもいいですね。予算と目的を伝えてコーディネートしてもらうんです。私も旅先のおいしいお店はコンシェルジュに訊いてます。地元の人にしかわからないお店を教えてくれる。旅好きはそういうお店に行きたいんですよね。これがコミュニケーションを取るきっかけにもなります。頼り方はほんとうにいろいろ。ひとまず相談してみてください。私もあるホテルで働いていた頃、プロポーズをする時に花火を打ち上げることはできるかという相談を受けたことがあります。その時は、打ち上げ花火についての条例なども調べましたね。相談してくれれば、たとえ花火を打ち上げることができなくても、予算内でこうしたらどうでしょうという提案ができます。どうぞご遠慮なく、ホテルマンを頼ってみてください。
―― 頼ってみたくなってきました。さて、「hotel koé tokyo」の話もお伺いしたいと思います。
hotel koé tokyoには衣食住、すべてが揃っています。トランクを持ってこなくても過ごせるホテルですね。2階で洋服を変えて、1階で音楽イベントを楽しむ。耳まで楽しませてくれるホテルはなかなかありません。その後は3階でゆったり。朝の雰囲気もすごくいいんです。渋谷の街並みは時間帯によって表情を変えます。渋谷の表情を眺めながら24時間、贅沢に過ごせるんです。
―― SUPPOSE DESIGN OFFICEの谷尻誠さん・吉田愛さん手掛ける空間も大きな魅力ですね。
空間をじっくり味わってみてください。客室のイメージはモダン茶室。アメニティもギラギラしていない抑制されたトーンで統一しています。選ぶのには苦労しました。ひとつコンセプトから外れるものを置いてしまうと印象が崩れてしまう。1階、2階、3階で雰囲気ががらっと変わっていきますが、ところどころで同じ素材が使われているのに気付くのも楽しいです。
―― 長い時間過ごしてみたい場所ですね。それでは、最後にお伺いします。「hotel koé tokyo」のある渋谷という街を旅先として見た時にどう思いますか?
渋谷は移り変わりの早い街です。新しいものもクラシックなものもある。徒歩圏内に良いレストランがたくさんあります。目で楽しめる街でもありますね。雑貨屋さんを覗いたり、若手アーティストのポップアップを見たり。渋谷は隠れ家の多い街。ずっと渋谷にいないとわからない場所もあります。一歩入り込むと全然違う雰囲気になります。渋谷は人によって見る場所が変わる街。目的によって見方が全然違ってくるんです。すごく楽しいことですよね。
月刊koé MAY 2020 |
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EDITOR IN CHIEF 有地 和毅 ARUCHI KAZUKI |
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DESK 武田 建悟 TAKEDA KENGO |
DESIGNER 弓田 雄貴 YUMITA YUKI(DEGICO) |
EDITOR 西條 陽香 SAIJO HARUKA |
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