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清水 文太
12月1日生まれ。
スタイリストとして、19歳から水曜日のカンパネラのツアー衣装や、著名人、テレビ・企業広告のスタイリング、Benettonをはじめとしたブランドのアートディレクションを手掛ける。コラムニストとして雑誌「装苑」の連載などに寄稿。2019年11月20日にアルバム「僕の半年間」を発売。RedbullMusicFesでのDJ・ライブ出演など、アーティスト・スタイリスト・クリエイティブディレクターとして多岐にわたる活躍を見せている。
PHOTOGRAPHER: SHINTARO FUJIWARA
こんにちは、清水文太です。
担当の方から今回の寄稿を頼まれたとき、こんな時期だからこそ、今だからできる「旅」について語りたいと思ったので、今から綴ります。
僕の住む地域は、観光地。
お寺や神社、大仏、広い海や大きい山に囲まれたこの地域は、いつも沢山の人で賑わっている。
でも、今は閑散としている。
なぜなら、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が流行しているから。
緊急事態宣言が発令された現在(これを執筆しているのは4月7日)
「遠くに行くことだけが旅なのか?」
「どの場所に行くか」
「その土地で、どんなロマンチックなことがあったか」
とか、そんなことも言ってられなくなった。
どこの店も開いていないし、開いていたとしても普段みたいに100パーセントの気持ちで接することのできない状況だ。
だって、見えないものに震えているから。
また安全に外を出られる時が来たら、また笑いあえるように、と思いながら僕はいつも淡々と買い物をすませる。
帰宅すると決まって僕はパソコンと本を開く。
家の中でだって、沢山のポストパンデミックを迎える準備ができることにだって気づいたから。外の世界にいつでも飛び出せるように、旅支度をする。
みんなでSkypeやZoomを使って
「この騒動が収まったら、こんな場所に行きたいね」
とか
「今年はできなかった花見に行こうね」
とか
「海外旅行いけなかったから、次は二人でここに行こうよ」
とか語り合う。
そして皆と会えずにいる期間があるのなら、とことん調べ尽くそうじゃないか。と思い、めちゃくちゃ読む。見る。
現代はインターネットだってあるし(本物かどうかきちんと見極めて)本だって、オンラインで学べる教材だってある。
僕はちょうど、世界の歴史を教えてくれるYouTubeチャンネルと、丁寧に音楽のことを教えてくれる本を見つけた。
知るものは、なんでもいいのだ、なんでも糧となる。僕の学んでることだって、もしかしたらタイのクラブに行った時使えるかもしれない、踊りのノリがもっと良くなるかも。
今在宅の時間が増えたからこそ、それのみならず、政治事情や、今回のパンデミックの対応の違いなどを調べるのも面白いかもしれない。
学び始めの僕から伝える情報ではとても薄いかもしれないが、例えば、僕が行ってみたいインドは海外からの入国を全面禁止にして、ビザも全て廃止にしたり、フィリピンではデュテルテ大統領は新型コロナウイルスの予防策として打ち出している自宅待機の処置を守らなかった場合、射殺も辞さないなんてこともあったりする。
そんな国もあれば、ドイツのように数日後に僕のようなフリーランスや表現者に向けて日本円にして60万円振り込まれたりしているみたい。
まあ、日本から見たインターネット情報だから実態はわからないのだけれど、せっかくこんな便利なものがあるのなら、使いまくっても怒る人はいないだろう。
昔だったら、お母さんやお父さんが「もう携帯見るのはやめなさい!」なんて言われたものなんだろうが、このご時世、リモートワークが推奨されているわけだから、もう文句も言えまい。
じゃあ、僕らの国はどうなのだろうか。
きっと、もうこの文章を読んでいる方はもうタコができるくらいいろんな情報を目にしているだろうから、あえて書かないけれど、国民にとってどれが本当の情報か、わかりづらくなっている。
「え!どれ?」なんてことは、読んだことのない字面の電車の駅名を読んだ時くらいでいいのだ。
でも、彼らを選んだのも僕ら国民だってことも、こうやって考え、知れば理解が深まるはず。
僕自身中卒で、きちんと学ぶ機会のないままこの仕事をしてしまっているから、ここに書いてある情報だってきちんと本当のことが書かれているか担当の方に確認してもらっているレベルです、お恥ずかしながら。
でも、こんなウイルスが蔓延したからこそ生まれる好奇心や、想像力を掻き立てられることってあるじゃないか。僕はこの事態が落ち着いたら、通信制の大学に入学したいなという気持ちもある。人生の旅をもっと豊かにするべく、「知の旅」を続けたい。そんな「知」をテーマにしたことも、やれたらいいな。
さて、僕はバカだから、もっと学ぶぞー!
テーマ:「旅支度ブックス」
旅の計画を立てているとき、旅の荷物をかばんに詰め込んでいるとき、もう旅は始まっている。旅に出たい気持ちが盛り上がって身体がムズムズしてきたら、次の旅のための旅支度をはじめてみよう。
鞄に詰めるだけが旅支度じゃない。旅先で何を見るのか? どうすれば深く潜っていけるのか? 地元の人みたいに街を歩くにはどうすればいいのか? そもそも旅ってなんだっけ? なにを求めて旅に出るんだろう?
そんなことを考えているうちに思考は旅人のように遠くへ進んで行く。
本を読んで、あたらしい旅支度をしよう。
これは旅の感覚を思い出す絵本。日常のふとした瞬間、旅した時のことがフラッシュバックする。途端に生き返ったような気持ちになるのだ。
どうして旅に出るんだっけ? 時には足を止めて考えてみるといい。自分の安全圏から飛び出すことの意味を。旅が日常にどんな影響を与えるのかを。
住み慣れた街にも知らない場所がある。少し目線を変えるだけでいつもの道が旅先になる。日常にぽっかりと口を開けたパラダイスへのドアを探してみよう。
「目的地まで移動してる時というのは、人間にとって一番の許された時間なんじゃないか。」旅に出られない時に噛み締める言葉。こんな風にやわらかく旅してみたい。
通過するだけの場所だった「駅」を旅の目的地にしてみる。海しか見えない無人駅。ただそれだけなのに、たまらなく旅に出たくなる。
旅人が書いた文章を読むと旅の解像度が上がる。土地に深く入り込む鍵を見つけやすくなる。旅の仕方を盗むようで、なんだかスリルがあるのだ。
暮らす人の視線は広くて深い。スーパーの入り口、カフェの調度品、人の姿。時間を重ねることで見えてくるものがあるようだ。異国の街で暮らす人の視線を今いる街に向けてみよう。どんな細部が浮かび上がるだろう?
旅先で必ずチェックするものを決めておくと楽しい。たとえば銭湯。あの町の銭湯とこの町の銭湯はどう違う?同じ「銭湯」というフレームを見るからこそ街の違いが際立つ。それが旅する理由になる。
月刊koé MAY 2020 |
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EDITOR IN CHIEF 有地 和毅 ARUCHI KAZUKI |
ART DIRECTOR イケダマサヤ IKEDA MASAYA(DEGICO) |
DESK 武田 建悟 TAKEDA KENGO |
DESIGNER 弓田 雄貴 YUMITA YUKI(DEGICO) |
EDITOR 西條 陽香 SAIJO HARUKA |
PROJECT MANAGER 中谷 琢弥 NAKATANI TAKUYA(DEGICO) |
EDITOR 浅野 有紀 ASANO YUKI |
PUBLISHER 岩見 俊介 IWAMI SHUNSUKE |
ASSISTANT EDITOR 藤原 拓也 FUJIWARA TAKUYA |
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