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新潮社は1月28日、第2回新潮ミステリー大賞の授賞式を東京・新宿区の日本出版クラブで開催した。全応募作250篇から選ばれた最終候補作は一條次郎『レプリカたちの夜』、九頭竜正志『卵の中』、黒澤主計『宇宙の果てのフォークロア』、中村哲也『歌姫の罪と罰』、森下淳士『僕らの時代とタイムカプセルアンサンブル』の5作品。その中から受賞作品に選ばれたのは、一條次郎氏の『レプリカたちの夜』(新潮社)である。選考委員は伊坂幸太郎、貴志祐介、道尾秀介の各氏。
授賞式では選考委員を代表し、伊坂幸太郎氏が「いいものは論理的に説明できないことが、今回わかった。この作品は、10人読んで10人面白いかというと、そういう本でもないような気がしている。10人の内、3人がすごく楽しみ、同じ楽しむなら、一條さんの本を読むしかないという作家になってほしい」とエールを送った。受賞者の一條氏は、「賞をいただけてうれしいです。選考委員、関係者の皆様に感謝します。これからも頑張りたいと思います」と喜びを語った。
▼受賞の一條氏(左)と伊坂氏
動物のレプリカをつくる工場に勤める往本は、残業中の深夜、動くシロクマを目撃する。だが野生のシロクマは、とうに絶滅したはずだった――。不条理とペーソスの息づく小説世界、卓越したユーモアと圧倒的筆力。選考委員の伊坂幸太郎、貴志祐介、道尾秀介から絶賛を浴びた、第二回新潮ミステリー大賞受賞作にして超問題作。
(新潮社『レプリカたちの夜』作品ページ http://www.shinchosha.co.jp/book/339871/)
一條次郎(いちじょう・じろう)
1974年生まれ。山形大学人文学部卒業。福島県在住。
〉新潮ミステリー大賞 http://www.shinchosha.co.jp/prizes/mystery/