角川三賞の贈賞式開催 第6回山田風太郎賞受賞作は『鳩の撃退法』

2015年12月02日
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KADOKAWAと角川文化振興財団は11月27日、角川三賞贈賞式を東京・千代田区の帝国ホテルで開催した。角川三賞とは「山田風太郎賞」「横溝正史ミステリ大賞」「日本ホラー小説大賞」の3つを指す。

第6回山田風太郎賞に選ばれたのは佐藤正午さんの『鳩の撃退法』。第22回日本ホラー小説大賞では澤村伊智さんの『ぼぎわんが、来る』が大賞を、名梁和泉さんの『二階の王』が優秀賞を、織守きょうやさんの『記憶屋』が読者賞を受賞した。なお第35回横溝正史ミステリ大賞については、受賞作なしとなっている。

▼日本ホラー小説大賞受賞の皆さん。左から織守さん(読者賞)、澤村さん(大賞)、名梁さん(優秀賞)

日本ホラー小説大賞受賞の皆さん

 

受賞作の紹介はこちら

 第6回山田風太郎賞 

鳩の撃退法 上
著者:佐藤正午
発売日:2014年11月
発行所:小学館
価格:1,998円(税込)
ISBNコード:9784093863889

鳩の撃退法 下
著者:佐藤正午
発売日:2014年11月
発行所:小学館
価格:1,998円(税込)
ISBNコード:9784093863896

[BOOKデータベースより]
かつての売れっ子作家・津田伸一は、いまは地方都市で暮らしている。街で古書店を営んでいた老人の訃報が届き形見の鞄を受け取ったところ、中には数冊の絵本と古本のピーターパン、それに三千万円を超える現金が詰め込まれていた。「あんたが使ったのは偽の一万円札だったんだよ」転がりこんだ大金に歓喜したのも束の間、思いもよらぬ事実が判明する。偽札の動向には、一年前に家族三人が失踪した事件など、街で起きる騒ぎに必ず関わっている裏社会の“あのひと”も目を光らせていた。

〈選評〉
ジャンル分けが難しい小説で、フィクションとノンフィクションとメタフィクションが互いに浸食し合う面白い試み。高い志を感じさせる実験的な試みが、最後までエンタテイメント性を失わず、読者に読んでもらえる力を持っている。山田風太郎という看板に相応しい作品である(選考委員:京極夏彦さんより)

〈受賞コメント〉
今でこそ、これが僕の最高傑作ですと、人に胸を張って語ったり、鳩撃(はとげき)と愛称で呼んだりするが、ここにたどり着くまで5年の歳月がかかり、出版に関わった多くの人の人生の運気のようなものが働いたと思う。今、佐世保にいてこの受賞の喜びをしみじみ噛みしめている。

※佐藤正午さんは体調不良のため欠席。当日は会場にメッセージが寄せられていた。

 

 

 第22回日本ホラー小説大賞 

♦大賞

ぼぎわんが、来る
著者:澤村伊智
発売日:2015年10月
発行所:KADOKAWA
価格:1,728円(税込)
ISBNコード:9784041035566

[BOOKデータベースより]
幸せな新婚生活をおくっていた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。原因不明の噛み傷を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、今は亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのか?愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか…。

澤村伊智(さわむら・いち)
1979年大阪府生まれ。自営業。

〈選評〉
大賞、優秀賞は甲乙つけがたく、両作ともホラー愛が感じられた。あり物の化け物ではなく、オリジナルのモンスターを考案しているところが共通している。『ぼぎわんが、来る』は家族を守るために化け物と戦う話で、非常によくできており、間口が広くエンタテイメントとして完成度が高かった(選考委員:綾辻行人さんより)

〈受賞コメント〉
小学校のときから怖い本を読み漁るようになり、夜道を歩けなくなったり、夜うなされたりしつつ、いつも読んでいた記憶がある。これから、自分の本を読んで子どもやいい大人が夜道を歩けなくなったりしてくれればいいなと思う。今後も怖い話、面白い話を書いていきたい。

 

♦優秀賞

二階の王
著者:名梁和泉
発売日:2015年10月
発行所:KADOKAWA
価格:1,620円(税込)
ISBNコード:9784041035573

[BOOKデータベースより]
東京郊外で両親と暮らす朋子は、三十歳過ぎの兄が何年も二階の自室にひきこもっていることに悩んでいた。そのころ、元警察官と六人の男女たちは、考古学者の予言を元に、人々を邪悪な存在“悪果”に変え世界に破滅をもたらす“悪因”の探索を続けていた。“悪果”を嗅ぎ分ける男・掛井は、職場で接点がある朋子への想いを募らせている。ある日、仲間の一人が急死し、身近に怪しい気配が迫り始めて…。

名梁和泉(なばり・いずみ)
1970年東京都生まれ。明治大学卒業。会社員。

 

♦読者賞

記憶屋
著者:織守きょうや
発売日:2015年10月
発行所:KADOKAWA
価格:648円(税込)
ISBNコード:9784041035542

[BOOKデータベースより]
大学生の遼一は、想いを寄せる先輩・杏子の夜道恐怖症を一緒に治そうとしていた。だが杏子は、忘れたい記憶を消してくれるという都市伝説の怪人「記憶屋」を探しに行き、トラウマと共に遼一のことも忘れてしまう。記憶屋など存在しないと思う遼一。しかし他にも不自然に記憶を失った人がいると知り、真相を探り始めるが…。記憶を消すことは悪なのか正義なのか?

織守きょうや(おりがみ・きょうや)
1980年ロンドン生まれ。早稲田大学大学院卒業。第14回講談社BOX新人賞Powersを受賞し、2013年『霊感検定』でデビュー。弁護士。

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