第51回谷崎潤一郎賞、第10回中央公論文芸賞贈呈式開催

2015年10月15日
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10月13日、東京・千代田区のパレスホテルで、第51回谷崎潤一郎賞、第10回中央公論文芸賞の贈呈式が開催された(中央公論新社主催)。

第51回谷崎潤一郎賞を受賞したのは、江國香織さんの『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』(朝日新聞出版)。また第10回中央公論文芸賞には、篠田節子さんの『インドクリスタル』(KADOKAWA)と中島京子さんの『長いお別れ』(文藝春秋)の2作が選ばれている。

3人には、主催である中央公論新社の大橋善光社長より、正賞の賞状及び副賞の100万円、ミキモトオリジナルジュエリーなどが贈られた。

受賞の江國さん(中央)、篠田さん(左)、中島さん(右)_R(左から篠田節子さん、江國香織さん、中島京子さん)

 

受賞作の紹介はこちら

♦第51回谷崎潤一郎賞

ヤモリ、カエル、シジミチョウ
著者:江國香織
発売日:2014年11月
発行所:朝日新聞出版
価格:1,836円(税込)
ISBNコード:9784022512291

〈受賞コメント〉
言葉というものが面白くて、小説を書いている。しかし同時に、言葉を持たない者たちを羨ましく思う気持ちもあった。どんな人も、生まれてきた時には言葉を持っていない。言葉のないまま世界にあるということを、小説にしたかった。

[BOOKデータベースより]
虫と話をする幼稚園児の拓人、そんな弟を懸命に庇護しようとする姉、ためらいなく恋人との時間を優先させる父、その帰りを思い煩いながら待ちつづける母―。危ういバランスにある家族にいて、拓人が両親と姉のほかにちかしさを覚えるのは、ヤモリやカエルといった小さな生き物たち。彼らは言葉を発さなくとも、拓人と意思の疎通ができる世界の住人だ。近隣の自然とふれあいながら、ゆるやかに成長する拓人。一方で、家族をはじめ、近くに住まう大人たちの生活は刻々と変化していく。静かな、しかし決して穏やかではいられない日常を精緻な文章で描きながら、小さな子どもが世界を感受する一瞬を、ふかい企みによって鮮やかに捉えた野心的長篇小説。

♦第10回中央公論文芸賞

インドクリスタル
著者:篠田節子
発売日:2014年12月
発行所:KADOKAWA
価格:2,052円(税込)
ISBNコード:9784041013526

〈受賞コメント〉
10日後に還暦を控えており、今回の賞は叱咤激励と受け止めている。この作品を書くにあたっては、インドに関するエキスパートの方を大勢取材したり、インドサロンに4年以上在籍したりと、大変勉強させてもらった。一緒に作り上げた全ての人々と、受賞の喜びを分かち合いたい。

[BOOKデータベースより]
人工水晶の製造開発会社の社長・藤岡は、惑星探査機用の人工水晶の核となるマザークリスタルを求め、インドの寒村に赴く。宿泊先で使用人兼売春婦として働いていた謎めいた少女ロサとの出会いを機に、インドの闇の奥へと足を踏み入れてゆく。商業倫理や契約概念のない部族相手のビジネスに悪戦苦闘しながら直面するのは、貧富の格差、男尊女卑、中央と地方の隔たり、資本と搾取の構造―まさに世界の縮図というべき過酷な現実だった。そして採掘に関わる人々に次々と災いが起こり始める。果たしてこれは現地民の言う通り、森の神の祟りなのか?古き因習と最先端ビジネスの狭間でうごめく巨大国家を、綿密な取材と圧倒的筆力で描きだした社会派エンタメ大作。構想10年、怒涛の1250枚!

長いお別れ
著者:中島京子
発売日:2015年05月
発行所:文藝春秋
価格:1,674円(税込)
ISBNコード:9784163902654

〈受賞コメント〉
この作品は、私にとって特別な一作になった。一昨年他界した父は、長い間アルツハイマーを患っていた。作中には父の最晩年のエピソードを、許可も得ないでふんだんに使っている。この受賞は、天国で喜んでくれている父に捧げたい。

[BOOKデータベースより]
帰り道は忘れても、難読漢字はすらすらわかる。妻の名前を言えなくても、顔を見れば、安心しきった顔をする―。認知症の父と家族のあたたかくて、切ない十年の日々。

***

谷崎潤一郎賞は、1965年、中央公論新社の創業80周年を記念して創設された。明治・大正・昭和を通じて幅広いジャンルで活躍した谷崎潤一郎の業績にちなみ、時代を代表する優れた小説・戯曲を顕彰する。選考委員:池澤夏樹、川上弘美、桐野夏生、筒井康隆、堀江敏幸の各氏。

一方、中央公論文芸賞は、2006年、中央公論新社の創業120周年を記念して創設された。第一線で活躍する作家のさらなる飛躍、新たな代表作となる優れたエンターテインメント作品を顕彰する。選考委員は、浅田次郎、鹿島茂、林真理子、村山由佳の各氏。

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