• 第46回大宅壮一ノンフィクション賞贈呈式開催

    2015年07月07日
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    日本文学振興会は6月19日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で、第46回大宅壮一ノンフィクション賞の贈呈式を開催した。

    同賞は、故・大宅壮一氏の半世紀にわたるマスコミ活動を記念して昭和45年に創設された、ノンフィクション界の芥川賞・直木賞ともいうべき賞である。選考委員は、書籍部門が梯久美子、片山杜秀、佐藤優の各氏、雑誌部門が奥野修司、後藤正治、エリック・タルマジの各氏。

    受賞者と受賞作品は以下の通り。

     

    書籍部門

    須田桃子『捏造の科学者 STAP細胞事件』

    捏造の科学者
    著者:須田桃子
    発売日:2014年12月
    発行所:文藝春秋
    価格:1,728円(税込)
    ISBNコード:9784163901916

    このままの幕引きは科学ジャーナリズムの敗北だ。笹井芳樹CDB副センター長と自殺直前までやりとりを続け、事件の当事者に深く入ってスクープを連発した毎日新聞記者が綴る、「科学史に残るスキャンダル」の深層。

    著者略歴: 1975年千葉県生まれ。2001年毎日新聞社入社。現在、東京本社科学環境部で生命科学、再生医療等を担当。

     

    雑誌部門

    安田浩一「ルポ 外国人『隷属』労働者」

    G2 vol.17
    発売日:2014年09月
    発行所:講談社
    価格:1,296円(税込)
    ISBNコード:9784062843676

    袴田巖塀の中の半世紀/喝采も糾弾も措いて、「集団的自衛権」を整理する/リケジョの肖像/外国人「隷属」労働者/第36回講談社ノンフィクション賞発表『しんがり 山一證券最後の12人』などを収録。

    著者略歴: 1964年静岡県生まれ。「週刊宝石」「サンデー毎日」記者を経て2001年よりフリーに。事件、労働問題などを中心に取材・執筆活動を続けている。

     

    書籍部門の佐藤優選考委員は、「須田さんの書き方は今後のノンフィクションの模範になる。ノンフィクションは商売にならない、そろそろ絶滅危惧種じゃないかと言われるが、ノンフィクションはまだ生きているということを須田さんが示してくれた。この業界の一人として深く感謝する」と述べた。受賞の須田氏は、「STAP細胞事件は、科学の信頼に傷をつける、残念な事件だった。私たちの報道を支えてくれたのは、私たち以上に危機感を持っていた研究者たちであり、私も、科学ジャーナリズムの存在意義が問われているとの思いで取材に打ち込んだ。文藝春秋から執筆オファーをもらったときはうれしかった。社の取材班全体で取り組んでいる仕事を一人が書いてよいのかという議論があった中で書かせてくれた上司に感謝する」と語り、同僚と家族への感謝の言葉で締めくくった。

    雑誌部門の奥野修司選考委員は、「ノンフィクションは弱者に寄り添う視点と、背景の社会性を描くことが大事であり、この作品には両方が含まれている。安田さんのように地べたを這って集めた事実には、強みがある。すごい取材力を持った安田さんの次の作品を期待したい」とコメントした。受賞の安田氏は、「外国人労働者の中で実習生という扱いを受けている人々を取り上げた。彼らは苦渋・苦痛の表情に満ちているが、それは私たちの社会の表情とも言えるのではないか。経営者に取材すると、外国人を雇用するのは人手不足、人件費の安さ、生き残るためと言うが、生き残るために誰かに犠牲を強いる社会であってはならないと思う。人権・人格を無視してもかまわないというシステムは、社会を壊すことに繋がっていく」と述べた。また、受賞作が掲載された雑誌「G2」の休刊(※5月22日発売の第19号をもって休刊)に触れ、「書く場所をまた一つ失った。ネットでも紙でも、書ければどこでもいい。報道されたくないことを報道し、伝えられたくないことを伝えることで、ノンフィクションの世界を切り拓いていきたい」と決意を語った。

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