本・雑誌の「年末特別発売日」の効果は!?2016~2017年末年始売上動向

2017年02月10日
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古幡瑞穂(日販 販売企画部)
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2016年の年末は、31日の特別発売日があり、比較的天候にも恵まれたことから、日本出版販売・トーハンそれぞれの年末年始動向は大きく前年をクリアしました。今回は、年末年始の動向について考えてみたいと思います。

 

12月は平均より上ぶれ

まず、12月~1月にかけて店頭がどんな動きだったのかを見てみましょう。

下のグラフ①は、2016年12月1日から1月15日までの、書籍・雑誌・開発品の売上を示したグラフです(※WIN対象店のデータです)。点線は、過去1年間の1日の平均的な売上を示しています。

12月はそこから大きく上ぶれした日が多いことがわかります。クリスマス直前となる23日・24日に大きな山がありますが、注目すべきはその次の時期である年末休暇、28日から31日にかけての盛り上がりです。

例年29日くらいがピークになり、そこから売上は落ち込んでいきますが、今年は31日まで高い売り上げをキープしています。営業店舗が少ないであろうと思われる1月1日も、それほど落ち込んでいないという実態も見えてきました。

その後、三が日中も高い推移を示し、連休に突入、という動きとなっています。この年始の動向には、佐伯泰英の新作の発売も大きく影響していそうです。

 

12月31日の雑誌広告が増

様々な要因が考えられる中、この期間中の広告出稿について調査してみました(広告の調査は、㈱博報堂 出版・コンテンツビジネス局メディア業推部が実施)。

まず、期間中の広告段数の比較を見てみます。

下のグラフ②は、2016年・2017年それぞれの年末年始の新聞広告段数の合計を比較したものです。調査対象は、全国紙(朝日・読売・毎日・日経)の出版関連広告となっています。

合計段数は2016年の752段から、2017年805段になり、前年比107パーセントと微増。しかし、その増加要因の多くが31日にあることがわかります(1月2日は新聞休刊日)。

今年の出稿を書籍・雑誌に分類してみると、下のグラフ③で示したような状態になります。

基本的に発売日にあわせて広告を出稿する雑誌は、これまでも年末年始にはほとんど広告が打たれていませんでした。

しかし、今年は読売新聞に雑誌連合の全15段広告が打たれるなど、31日の雑誌広告が大幅に増えました。この増加分が、ほぼ丸々昨年との比較でプラス分に出ています。期間内の出稿社の内訳を見ていても、31日発売がある社に限らず広告が打たれていました。全国紙4紙のみでこの傾向なので、地方・ブロック紙やWeb広告などあわせると、期間内の露出は大きく伸びたと考えられます。

一方で残念だったのが、29日の出稿の減少です。冒頭で述べたとおり29日は、クリスマス時期に次ぐ書店の売上ピーク日です。年末にはじっくりと読書を楽しみたいという方の来店に備え、もう少し書籍広告があってもいいのではないでしょうか?

 

プレイヤーが役割果たす

31日の特別発売日については、その成果・是非などについて今後も様々な議論がなされるでしょう。

しかし、「発売日がお祭り日」になる出版社、一方で、日々、新刊が店頭に並ぶ書店の間で「ある一日」を特別な日にすることはなかなか困難でした。今回、業界のプレイヤーそれぞれが同じ日付を認識し、それぞれが自分の役割を果たしたことは大きな出来事であったと評価できるのではないでしょうか。


(文化通信BB 2017年1月30日増刊に掲載された記事に、一部編集を加えています)

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