• 第6回野性時代フロンティア文学賞、第9回幽文学賞授賞式開催

    2015年05月22日
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    KADOKAWAは、5月14日東京・文京区の椿山荘で第6回野性時代フロンティア文学賞及び第9回幽文学賞の授賞式を開催した。

    野性時代フロンティア文学賞

    阿川せんり『厭世マニュアル』
    (KADOKAWAより8月刊行予定)

     

    幽文学賞短編部門賞

    唐瓜直『美しい果実』

    美しい果実
    著者:唐瓜直
    発売日:2015年05月
    発行所:KADOKAWA
    価格:1,512円(税込)
    ISBNコード:9784041030363

    ※長編部門賞は該当作なし
    受賞の阿川あんり(左)、唐瓜直(右)各氏と選考委員の皆さん
    (写真:受賞の阿川せんり(左)、唐瓜直(右)各氏と選考委員の皆さん)

    野性時代フロンティア文学賞選考委員の森見登美彦氏は受賞作について、「文章にリズムとユーモアがあって小説の完成度が高く、最後まで読ませる作品だった。今回が初めての選考委員だったので心して読まなければと思い、『厭世マニュアル』は3回読んだ。3回読んでもおもしろかったのは、どう考えても才能があるということ。後は努力と運しかない」と選評を述べた。

     

    受賞者の阿川氏は「授賞式に両親を呼ぼうとしたが、父には『俺はこういうところに出るタイプではない』と言われ、母には『太っていて人前に出たくない。別の文学賞を取ったらその時は、痩せて行くね』と言われたので、絶対に母を引っ張り出さなければと思っている。
    今はネットで、新人作家の生存率とか、デビューしても調子にのるなよとか、調べればすぐに出てくる。私は作家になる夢を抱いてきたが、これで叶ったというわけでないことはわかっている。これから、何冊でも本を出して、何個でも文学賞を受賞できるような作家になるよう精進する」と新人作家としての意気込みを述べた。

     

    幽文学賞選考委員の京極夏彦氏は、「怪談として読み解ける上質な文芸作品を書いていただきたいという意図のもと、今までの『幽怪談文学賞』から、怪談を取り、幽文学賞とした。
    文学、文芸、文章、文字の力は確かにあるでしょう。しかし、それを使うものとしては、良いところもあるけど、悪いところもあるということをわかっていないと使えない。小説の限界を知った人にしか、小説は書けない。我々は、4kテレビとプラズマテレビの違いがよくわかっていない。方式が違うわけだが、売る方はどこが違うかわからないと、作れない。小説家というものは作る方なのだから、違いがわかっていなければいけない。
    つまり、自分の使っている言葉の弱点を知っていなければ、小説は書けないもの。応募した作品の多くは怪談を意識していた。怪談はこういうものだろうと驕りが見られた作品は全部落とした。唐瓜さんの作品は、そういうところから、ちょっとずれていた。他の作品もおもしろかったが、この作品は、怪談というものは文芸として読むことが難しいのではないか、幻想文学としての評価の方が高いのではないかと言われるような作品だったが、その小説の力というものに一票を投じた。
    今後もこういう形で、偏った選考を続けていくので、偏った作品が世に出ると思う。そもそも小説というものは偏っているものだから、その偏り具合から傑作が生まれることが多々あると思う。是非、会場に来ている出版社、書店、評論家の皆様、お読みいただき、そのはずれっぷりを見てほしい。読んでいただかないと、書きたくても書けなくなる。どうぞ、新しい才能に書く場所を与えてあげてほしい」と述べた。

     

    受賞者の唐瓜氏は「自分の作品が受賞できるとは思っておらず、連絡を受けた時は驚き、その後で喜びがわいてきた。去年までのように、怪談と冠がついた状態では、ここに立っていなかったと思う。実力より運が大きかったと感じている。選考の中で筆力があると言われたが、過分な評価をいただいてしまったというのが率直な感想。
    これから先、いかにギャップを埋めていくかを意識して作品を書いていこうと思っている。多分、自分の書きたい作品は一般的なエンタメとは少しずれているのかもしれない。その中でも読者におもしろいと思ってもらえるような作品を書いていきたい。これからもご指導いただきたい」と抱負を述べた。

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