• お寺・神社はスイーツの宝庫!食べ損ね注意の『おいしいお詣りスイーツ』まとめ

    2018年08月16日
    くらす
    ほんのひきだし編集部
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    神社とお寺おいしいお詣りスイーツ
    著者:大浦春堂
    発売日:2018年07月
    発行所:講談社
    価格:1,620円(税込)
    ISBNコード:9784065118207

    ここ数年、寺社ガール、御朱印ガールという言葉も生まれ、大きな神社でなくても、お詣りする人が増えたなぁと実感する今日この頃です。

    かくいう私も祖父が宮司だったせいか、DNAレベルで寺社が大好きで、全国各地、かなりの数の寺社を訪れていると自負しておりました。が、とんでもない。ここに出て来る65ヵ所の寺社スイーツは、知らないものが一杯なのです。

    中でも私が気になったのは、「神様のお下がりスイーツ」。お供えしたお菓子は御神霊が宿り、神様の力を頂戴することができるといわれ、ご利益にあずかりたいという俗物根性丸出しの私は、ボソボソとしたマズい落雁ですらありがたくいただいておりました。しかし、ここに出てくるものは、どれもこれも美しく、美味しそうなのです。

    食べたいを通り越して、これは芸術品だなと思ったのは、千葉県野田市にある櫻木神社の「ついたち百菓」。

    これは毎月1日、御神前にお供えされたお菓子をお頒(わ)かちいただくもので、その季節に合わせた練りきり和菓子を御朱印と一緒にいただくことができるというのです。子供の頃から練りきり和菓子に親しんできたので、色々な種類を目にしてきましたが、この櫻木神社のものは、見たこともない珍しいものが多いのです。

    次に、これは珍しいなぁと思ったのは、奈良・氷室神社の「奉納かき氷」。
    氷室神社は、和銅3年(710年)、つまり平城京が造られた年、御蓋山(三笠山)の山麓にある氷池や氷室の守り神をお祀りしたのが始まりという歴史を感じるところが、神社好きにはたまりません。

    しかも「献氷参拝」は、宮司さんが削ったかき氷を、御神前で祈願してからのち、好みのシロップをかけていただくことができるというのです。

    氷室神社は、奈良の大仏で有名な東大寺の近くにあるので、もっと前に知っていれば訪れたのにと、とても残念に思いました。

    これら「お下がりスイーツ」は、その日の早い時間に行かないと食べられなかったり、期間限定のものが多いのですが、「参道・門前スイーツ」は、いつでも食べられるものが紹介されています。

    ところが、密かにショックだったのは、神社は行ったことがあるのに、食べ損ねている有名なお菓子が半数近くあったことです。

    例えば、北海道神宮内の休憩所で食べられる「判官さま」。
    これは、つぶ餡をそば粉入りのつきたて餅で包んだもので、注文するとその場で焼いてくれる、ここでしか食べられない限定品だというのです。「最後の晩餐は、絶対、つぶ餡」というほど、つぶ餡好きの私としては、これは大ショックでした。

    私が1人で北海道神宮を訪れたのは、真冬の寒い日で、アイスバーン化した雪道を転ばないよう歩くのが精一杯。しかも境内は円山公園の中にあるので、とてつもなく広大で、道に迷いながらやっと本殿にたどり着いたのですが、一体、どこにこの休憩所があったのやら……。
    結局、あまりの寒さと空腹に耐え切れなかった私は、「地方では決してチェーン店に行かない」という掟を破り、駅近のファストフード店に入り、もの凄い敗北感を味わったのでした。北海道神宮は札幌市内にあるとはいえ、そんなに簡単に行けるところでもないので、本当に悔やまれます。

    もう1つ、出雲大社の御紋菓を拝命し、創業180余年という「高田屋」の紅白羊羹。なんでも、創業当時から変わらぬ材料と製法で作り続けているのだとか。

    島根は、松江藩のお殿様が茶道をたしなむ方だったので、上品な和菓子が発達し、しかも日本三大そばのひとつ、出雲そばが美味しいところ。私は、それらに気を取られ、紅白羊羹を見過ごしてしまっていたのです。確かに、この羊羹は目にしていたのですが……。

    京都・北野天満宮の「長五郎餅」もそうです。これは豊臣秀吉が、北野大茶会の際にこれを気に入り、店主の名をとり「長五郎餅と名乗るべし」と命じたというものです。つまり、430年以上の歴史を持つ餅菓子なのですが、私はほかの和菓子にばかり気を取られ、「長五郎餅」の存在すら知りませんでした。

    なぜか、複数回、訪れたことがある有名な神社のものほど食べていなかったのですが、それはどうしてかというと、日本全国、似たようなお菓子は多く味も想像できるので、わざわざここで食べる必要はないと高をくくっていたからだと思います。

    そして、お菓子にまつわる歴史や由来を知らなかったからなのです。せっかく遠いところまで行ったのに、もう二度と行けないかもしれないのに、これはもったいないですよね。

    この本は、こうした代々伝わる和菓子だけでなく、鹿島神宮の御神水を仕込み水として使用した地ビールや、日本最古の水の神様をお祀りする奈良・吉野の丹生川上神社下社(にうかわかみじんじゃしもしゃ)の石窯食パンも紹介されています。

    私が、両所を訪れたときにはなかったものなので、こうした最新情報も、押さえておきたいところです。

    特に鹿島神宮は、御神水をたたえる御手洗池(みたらしいけ)が、神秘的な美しさなのですが、私はおみくじで凶を引いた因縁の場所。是非とも再訪し、この地ビールで厄落としをしなければと思いました。

    これから神社やお寺を訪れるご予定の方は、私のように「おいしいお詣りスイーツ」を食べ損ねることがないよう、この本でしっかりと下調べをしてから、行かれることをオススメします。

    (レビュアー:黒田順子)


    ※本記事は、講談社BOOK倶楽部に2018年8月8日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。 




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