• たった1日で4万いいね!獲得 人間関係の悩みを描いたマンガ『パフェねこ』誕生秘話

    2018年08月13日
    くらす
    ほんのひきだし編集部
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    先日発売された『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』は、日常で起こる人間関係の悩みを描いたマンガ。

    作者Jamさんの体験をもとに、ねこのキャラクターを通して描かれるマンガの数々は、「気持ちがラクになる」と話題だ。実は、この『パフェねこ』シリーズが生まれた背景には、ある意外な出来事があった。

    Jam
    ゲームグラフィックデザイナー。イラストレーター。漫画家。日常で起こる人間関係の悩みを描いたマンガ「パフェねこシリーズ」がTwitterで累計50万以上リツイートされるほど話題になる。

    多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。
    著者:Jam 名越康文
    発売日:2018年07月
    発行所:サンクチュアリ・パブリッシング
    価格:1,188円(税込)
    ISBNコード:9784801400535

    〉『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』の内容紹介はこちら!
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    『パフェねこ』の生みの親、Jamさんの素顔

    「Twitterで話題になって、本も出版させていただいて、昔からの知り合いには『マンガ家に転身したの?』なんてよく言われる。でも、今も本業は続けています」

    そう語るJamさんの本業とは、ゲームグラフィックデザイナー。子供の頃から絵が好きで、夢は絵描きだったというJamさん。大学で美術コースには進んでいたものの、ほぼ独学で絵のスキルを身につけ、大手ゲーム会社に就職した。数々の有名タイトルの制作に携わり、チームでものづくりを進めるおもしろさにも目覚め、充実した会社員時代を過ごしていた。

    だが一方で、同僚たちのスキルの高さに自信をなくすことも多々あったという。

    「もともとは人物を描くのが大好きだったんですが、会社から『人物は向いていないから背景を担当して』と言われて。まわりを見渡すとみんな信じられないほど上手だし、うまくて当然の環境だったので、自信はいつもありませんでした。自分なりに前向きにがんばってはいましたけどね」

    約16年在籍し、社内でつくりたいタイトルをつくり尽くしたJamさんは、会社を飛び出す決意をする。一度は異業種も経験したが、長年携わったゲーム業界に戻り、フリーランスのゲームデザイナーとして独立した。

     

    日本を襲ったある出来事が、『パフェねこ』を生んだ


    「前の会社を辞めたいちばんの理由は、あるプロジェクトの頓挫でした。コスプレイヤーなど若い人たちのためのSNSを立ち上げようというプロジェクトで、それを機に私は第一線から退いて応援する側に行こうと思っていたんです。でもそれがストップしたことで、自分が本当にやりたいことをもう一度考えてみようと思うようになって」

    フリーのゲームデザイナーとして働くかたわら、自分の絵をTwitterで発信するようになったJamさん。動物や自然を描いた緻密なペン画をはじめ、大好きだった人気ねこキャラクターのマンガシリーズもアップし、フォロワーは急増した。

    フリーになって数年が経った頃、ある自然災害が日本を襲った。2016年4月に発生した熊本地震である。実はこれが「パフェねこシリーズ」誕生のきっかけとなった。

    「東日本大震災のときは、自分にできることをしたいと思いながらも、なにか発信して叩かれるのが怖くてできなかった。だから今回は勇気を出して発信しようと思ったんです。私のTwitterやWebサイトを楽しみにしてくれている方も熊本にいらっしゃったので、どうにかして元気づけたいと」

    そうしてTwitterにアップしたのが、『パフェねこ』のねこが主役の4コママンガだった。東日本大震災の際、知人のイベント会社がイベントを自粛した末に倒産してしまった出来事を受けて、「日本を元気にするためにも自粛はやめよう」というJamさんなりの思いを綴ったマンガである。反響は想像以上に大きいものだった。

     

    被災地からも届いた、「気持ちがラクになった」という声

    その数日後、2つ目のマンガをアップしたJamさん。それが、『パフェねこ』の愛称の由来にもなったマンガだった。

    相手の何気ない言葉に傷ついた主人公のねこが、友達に相談の電話をする。するとその友達が言うのだ。「いやいや気にしすぎだって! 多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ」と。アップするやいなや1日で4万いいね!を獲得。現在では6万いいね!&リツイートという超話題作となった。これはJamさんにあった実際の出来事を描いたものだという。

    「最初に友達がそう言ったときは『パフェって!(笑)』と思ったんですけど、あとからじわじわ心に染みてきて……。『そうか、相手はそれほど真剣に考えていないんだ。私もこんなに気にするのはやめよう』と素直に思えたんです」

    このマンガをきっかけに、「気持ちがラクになった」「続きが見たい」という声が続出。熊本のファンの中には、避難所生活でスマホの充電が十分にできないにもかかわらず、読んでくれた方が何人もいたという。まだ2つしか発表していないのに「本にならないんですか?」と聞かれたり、ライブハウスではマンガを印刷して壁に貼ってくれたりと、嬉しい反響がたくさんあった。

    「このとき初めて、本を出したいと思いました。たとえスマホが見れない環境にいても、本があれば元気を出してもらうことができるから」

    そんな中、サンクチュアリ出版から出版のオファーを受ける。偶然にも、以前Jamさんが出会った大切な一冊の本もまた、サンクチュアリ出版から出ていたものだった。

    「あとがきにも書きましたが、その本は私が作品の方向性に迷っていたときに出会った本。『星の王子さま』のバンド・デシネ版(フランスコミック版)でした。これを読んで、絵と文章を両立させるアイデアを思いついたんです。しかもこの本を手がけた方が、今回の私の本の編集を担当してくださった方の恩師だったようで、不思議なご縁を感じずにはいられませんでした」

    >>次ページ「自信のなさは、ときに相手を否定することに繋がる」




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