• 夢眠書店開店日記 第8話:「ブック・コーディネーター」という仕事③

    2016年01月23日
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    先週に引き続き、第8話の対談相手はブック・コーディネーターの内沼晋太郎さん。これまで「本のある空間」や「本を選ぶこと」についてお話を伺ってきましたが、今週は連載当初からねむちゃんがこだわってきた「本は怖くないよ」ということを伝えるための工夫から始まります。

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    今回の対談相手
    01_profileねむ・ほんのひきだし-5th_468sc内沼晋太郎

     PROFILE 
    1980年生まれ。numabooks代表。ブック・コーディネーター、クリエイティブ・ディレクター。一橋大学商学部商学科を卒業後、某国際見本市主催会社に入社し2か月で退社。往来堂書店(東京・千駄木)に勤務する傍ら、2003年に「book pick orchestra」を設立。2006年12月まで代表を務めたのち「numabooks」を設立。2012年、東京・下北沢にビールが飲めて毎日イベントを開催する新刊書店「本屋B&B」を博報堂ケトルと協業でオープン。著書に『本の逆襲』(朝日出版社)、編著に『コーヒーの人』(フィルムアート社)などがある。

     

    「形から入る読書」には大賛成

    夢眠ねむ(以下、夢眠)変な言い方なんですけど、 本を全然読まない方でも、私を気にかけてくれている方が「本買ってみました!」と言ってくれるのがすごく嬉しいんです。いい意味で、騙してでも「本を読んでみてくれ!」っていう気持ちがあるので。私は形から入るのも大賛成で、グッズなんかも大好きなんですが、内沼さんは本に関するグッズなどのプロデュースもされてますよね。読書するときに使うものといったら、ブックカバーやしおりくらいしか思い浮かばないんですが……何を作ったらいいですかね? 今、かっこいい本屋さん界隈で流行っているものを教えてください!

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    内沼晋太郎(以下、内沼)やっぱりブックカバーが主流ですよ。「BIBLIOPHILIC(ビブリオフィリック)」という読書用品のブランドをプロデュースしていて、ブックカバーやしおりの他には、本を入れる木箱やブックスタンド、本を掃除するためのブラシ、ルーペ、本のジャンル名が書いてあるマグカップなんかがあります。僕が自宅用に作った本棚と同じ「内沼モデル」の本棚も売っているんですけど(笑)。あとは革や金属でできたしおりとか、古本屋さんでよく本にかかっているグラシンペーパーとか……。

    夢眠:ああ! あれ、大好きです! あれも売ってるんですか? なんか、手に届く感じでいいですね。……夢眠書店では何を作ろうかなあ。

    内沼:やっぱり一番いろいろ作れるのはブックカバーなので、まずはブックカバーがいいと思いますよ。

    ―BIBLIOPHILICにはトートバッグもありますよね。

    内沼:ありますね。すごく売れています。

    夢眠:「売れる」!

    内沼:一番売れる雑貨はトートバッグです(笑)。

    夢眠:そうか……。確かに本を読む人ってトートバッグを持っているイメージがありますね。トートバッグに、ペットボトルを入れても本が濡れないようにポケットとかが付いていると良くないですか?

    内沼:いいですね! そうそう、そういうことですよね。文庫本がちょうど一冊入るとか、そういうのが気が利いていていいと思います。ただグッズを作っていて難しいのは、本のサイズがバラバラなことなんですよね。

    夢眠:確かに決まったサイズって、文庫・新書くらいしかないですね……。

    内沼:でも文庫も、たとえばハヤカワ文庫は「ハヤカワトールサイズ」といって、普通の文庫より5mmくらい大きいんです。なのでBIBLIOPHILICの文庫カバーでは、「ハヤカワトールサイズ」を別に作っているんですよ。ハヤカワのSFが好きな人はこのサイズを探していて、需要は全体に比べれば少ないけど、「分かってる感」が出るというか。

    夢眠:「分かってる感」はすごく大事ですね。

    内沼:ブックカバー、かわいいの作れば売れますよ。

    夢眠:作りたい! あと私は書くことも好きなので、人に見せない用のノートを作りたいです。

    内沼:「鍵がかかる」とかですかね?

     

    夢眠書店グッズ第1号は「インスタ用読書ノート」!?

    夢眠:Instagramとかに書評をアップできるようなノートを作りたいなと思っていたんです。たとえば「ほぼ日手帳」って、手帳として使いやすいだけじゃなくて、ほぼ日手帳のハッシュタグが付いている投稿を見たり、憧れの人が使っていたりすることで「その手帳を使っていることがかっこいい」と思わせる何かがあるんですよ。でも、本の感想ってちょっと敷居が高いように思うんです。

    夢眠:以前、小説家の奥泉光先生に「読んだ本を『読了した』ってネットに投稿しなよ」と言われたことがあるんですよ。ネタバレはしちゃダメですけど、たとえば私が「『ジョン・レノン対火星人』読了」と言ったら、皆が気になって読んでくれるんじゃないかって。それで「読了ノート」みたいなものがあるといいなと思ったんです。

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    夢眠:でも感想って、人にわざわざ見せたくないようなこともあるじゃないですか。だからSNSに投稿するのを前提として、見せる部分と見せない部分が分かれたノートがあるといいなと思ったんです。「ここはSNSに出すからかわいく書こう」「ここは自分用だから走り書きでもいいや」とか。ネタバレになっちゃう内容も自分用のメモとして残せるし、心に留まったけど恥ずかしいこと……例えば「パンツ!」とか(笑)、見せたくないことも書けるようなノートがあったらなと。

    内沼:なるほど、いいですね。いいと思います。

    夢眠:本当ですか!? B&Bに置いてくれます?

    内沼:置きます、置きます。……っていうか、この流れだと断れないですよね(笑)。

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    内沼:読書ノートって、昔からあるにはあるんですよ。だけどあんまりいいものがなくて……。僕らもずっと作りたいと思ってはいるんですが、決め手に欠けるというか、結局ただのノートじゃないですか。じゃあどんなものなら「読書ノート」なのかと考えるんですが、たとえばタイトルを書く欄を作っても、それがかわいいのかいまいち分からない。欄を増やせば増やすほど使いにくくなってしまいそうだし……。

    内沼:ということで、いいアイデアさえあればとてもよい商品ができると思います。Instagram用とはっきり決まっていて真四角だったら、かわいいかもしれないですね。専用のアプリも作るとよさそうです。バーコードを読み込んでから写真を撮って投稿すれば、自動的に表紙画像が入るとか。

    夢眠:わあ! アプリがあるのはいいですね。でもそれって、何百万円もかかるんじゃないですか? 私がおにぎりを1個500円で売って、資金を集めましょうか(笑)。

    内沼:クラウドファウンディングで集めるほうが早そうですね。

    夢眠:いずれにしても「紙でやる」のがいいなと思っていて。「ちゃんと本屋さんで本を買うこと」と「自分で書くこと」が大切な気がするので、そういうことをやろうと思います。

    ―夢眠書店は、どんな本屋さんにしていったらいいでしょうか?

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