• 82歳のプログラマーに学ぶ人生を楽しく生きるための秘訣:若宮正子さんに聞く『明日のために、心にたくさん木を育てましょう』

    2018年05月20日
    知る・学ぶ
    日販 ほんのひきだし編集部
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    80歳からプログラミングを学び、お年寄りでも楽しめるiPhoneのアプリ「hinadan」を開発した若宮正子さん。昨年6月に米アップル社開催の開発者イベントで「最年長開発者」として紹介され、いま世界から注目を集めています。

    そんな“ITおばあちゃん”が自らの思いの丈を綴ったのが、昨年12月に刊行された『明日のために、心にたくさん木を育てましょう』。執筆の経緯についてお話を伺いました。

    明日のために、心にたくさん木を育てましょう
    著者:若宮正子
    発売日:2017年12月
    発行所:ぴあ
    価格:1,188円(税込)
    ISBNコード:9784835638409

     

    自然体で過ごしたほうが、間違いなく人生を楽しむことができる

    ――若宮さんは2017年6月、米アップル社が開催する世界開発者会議「WWDC 2017」に特別招待されました。80歳を超えてからプログラミングを学び、開発したiPhoneのゲームアプリ「hinadan」(画面上の雛壇に五人囃子や三人官女など12体の人形を正しい位置に並べるゲーム)に同社のティム・クックCEOが注目したわけですが、まずは同ゲームアプリ開発の経緯から教えていただけますか?

    いまでは多くの方が当たり前のように持ち歩いているスマートフォン(スマホ)ですが、じつはシニアには「便利」「楽しい」という感覚はあまりありません。私も同世代だからわかるのですが、まず、なんといっても使いにくい。そもそも、指で画面をスライドさせるのが簡単ではないのです。指先が乾燥しているからか、私もムキになって力いっぱい操作したら、スライドじゃなくて長押しになった経験があります(笑)。

    ――スマホを開発している世のビジネスパーソンには気付きにくい問題点かもしれません。

    だから、「WWDC 2017」でクックさんにお会いしたときに、シニアがスマホを使うときの不便さをはっきりと訴えたんです。とても興味を示してくださって、拙い話を真摯に聞いてくださいました。

    もう1つ、私が問題だと感じていたのが、シニアが喜んで使えるアプリが少ないことです。ゲームも若者向けのものばかりで、どれも楽しめそうにありません。

    そこで、ある若い友人に「私たちが喜びそうなゲームアプリをつくってよ」と話したら、「僕らの世代じゃシニアの好みはわかりません」と返されました。続けてのひと言が、「だったら、マーちゃん(若宮さんの愛称)が自身でつくればいいじゃないですか」。ハッと「たしかにそのとおりだ」と気付き、自分でつくってみようと考えたのです。

    ――その時点で、プログラミングの知識はあったのでしょうか?

    いえ、ずぶの素人でした(笑)。すぐに入門書を3、4冊購入して、片っ端から読みました。

    私はいつも「これをやりたい!」と思ったら、それだけに集中する”一点集中”タイプ。「hinadan」をつくるときも、プログラミングを教えてくださった方に「これをつくるために必要なことだけを教えてください。3月3日の雛祭りまでにつくりたいんです」とお願いして、基礎の勉強はとりあえず後回しにしました。

    ――結果、81歳にして「hinadan」を開発したのですね。クックCEOが注目したのも頷けます。

    人生って本当にわからないもので、この半年間は疾風怒濤のごとく、思いもかけないことが次々と起こりました。クックさんとお会いして、それがきっかけでさまざまなメディアの方からお声掛けいただきましたし、今年の2月にはニューヨークで開かれた国連総会の基調講演にも立たせていただきました。80歳を過ぎてこんな忙しい毎日を送るなんて、想像していませんでした。

    ――若宮さんは2017年、安倍政権の看板政策・人づくり革命の具体策を検討する「人生100年時代構想会議」の最年長有識者メンバーにも選ばれています。さらにご著書を出版され、2冊目の作品として刊行されたのが本書です。

    友人からは、「本は名刺代わりだから、自分の思いの丈を述べなさい」といわれました。そこで頭に浮かんだ問題意識が、「私と同年代のシニア層が周囲の目を気にしすぎている」ということです。

    たとえば服装1つとっても、「こんな服を着ていると『いい歳をして派手すぎる』といわれるんじゃないか」とビクビクしている方がいます。パソコンだって、習いたいのならば教室に通えばいいのですが、「仲間外れになって脱落してしまうのではないか」などと気にして躊躇してしまう。自分を押さえ付けずに自然体で過ごしたほうが、間違いなく人生を楽しむことができます。そんなシニアに応援のメッセージを届けたいという想いで、この本を著しました。

    ※本記事は、PHP研究所発行の雑誌「Voice」2018年6月号(5月10日(木)発売)に掲載されたインタビュー「著者に聞く 若宮正子氏の『明日のために、心にたくさん木を育てましょう』」を一部抜粋したものです。全文は同誌6月号をご覧ください。

    Voice (ボイス) 2018年 06月号
    著者:
    発売日:2018年05月10日
    発行所:PHP研究所
    価格:780円(税込)
    JANコード:4910080590680

    若宮正子
    1935年生まれ、プログラマー。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)勤務ののち、定年をきっかけにパソコンを独自に習得。99年にシニア世代のサイト「メロウ倶楽部」の創設に参画。現在も同倶楽部の副会長を務めているほか、NPO法人ブロードバンドスクール協会の理事としてシニア世代へのデジタル機器普及活動に尽力している。2016年秋からスマートフォンアプリの開発をはじめ、17年には米国アップルによる世界開発者会議「WWDC 2017」に特別招待される。政府主宰の「人生100年時代構想会議」のメンバーも務める。

    60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります。
    著者:若宮正子
    発売日:2017年11月
    発行所:新潮社
    価格:1,296円(税込)
    ISBNコード:9784103513711




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