• 夢眠書店開店日記 第16話:ねむちゃん、本の装幀に挑戦!②

    2018年02月03日
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    「夢眠書店開店日記」で伺ってきた“本のプロ“たちのお仕事や思いをもっと多くの人に届けるため、これまでの内容を一冊の本にまとめることにしたねむちゃん。

    第16話では『本の本―夢眠書店、はじめます―』の著者、そして装幀家として、ねむちゃんが造本設計やカバーデザインに挑戦しました!

    〉これまでのお話を見る

    本の本
    著者:夢眠ねむ
    発売日:2017年11月
    発行所:新潮社
    価格:1,620円(税込)
    ISBNコード:9784103513810

     

    今回の対談相手

    (写真左)新潮社 装幀部 二宮由希子
    1964年生まれ。芸術新潮編集部を経て装幀部へ。イラストレーションやデザインが好きで、会社勤めのかたわらセツ・モードセミナーやパレットクラブスクール、鳥海修氏の文字塾に学んだ。

    (写真右)新潮社 装幀部部長 黒田貴
    1964年生まれ。多摩美術大学デザイン学科卒業(ねむちゃんの先輩!)。東京書籍を経て、1995年より新潮社装幀部に勤務。

    〈こちらの方にもご協力いただきました〉
    新潮社 新潮文庫編集部 小川寛太
    1987年生まれ。営業部を経て、文庫編集部へ。『本の本―夢眠書店、はじめます―』の編集を担当した。

     

    帯の下にしのばせた「たぬきゅん」、皆さんは気づきましたか?

    二宮:『本の本―夢眠書店、はじめます―』はカバーがシンプルなので、幅広の帯を巻いて写真とキャッチコピーを入れようと思ってます。それで、帯をめくるとその下に、ねむさんの描いた「たぬきゅん」がいるというのはどうかなと思っているんですが……。

    夢眠:うんうん、いいですね! 図書館の本に押してある「蔵書印」みたいなデザインにしたいです。で、夢眠書店のハンコっていうふうにしたい。実際に本物のハンコを作ってカバーに押すっていうのはどうですか?

    二宮:くっきりはっきり文字が出るよりは、昔ながらのゴム印で作って、かすれが出たほうがより味わいがありそうですね。一つひとつに押すのは難しいので、ハンコを作って、押したものをスキャンしてカバーに刷り込みましょう。実際に押したみたいな印象になるので、遊び心があって面白いと思います。

    夢眠:楽しみ~~!!

     

    「書体」で印象は大きく変わる

    二宮:では続いて、「本文組(ほんもんぐみ)」を決めていきましょうか。

    夢眠:「ほんもんぐみ」って、何ですか?

    二宮:本の中身、本文をどういうふうに組むかという設計図ですね。書体やサイズ、文字の詰まり具合などを決めるんです。今回は例として、文芸作品でよく使われる2種類の書体で見本を組みました。

    夢眠:書体でずいぶん印象が変わりますね。ひらがなの丸める部分が全然違う。線がつながってるかどうかも違いますね。

    二宮:一方は「イワタ明朝体オールド」、もう一方は「秀英明朝」という書体です。

    ▼「『に』とか『た』とか『な』とか、並べてみると全然違いますね」とねむちゃん。左が「イワタ明朝体オールド」、右が「秀英明朝」です。

    ▼並べてみると、文字の詰まり具合もかなり違います(※見本の資料を掲載しているため、実際の内容と異なる部分があります)。

    夢眠:秀英体はすらっとしてて、イワタはクラシックな感じ。どっちもいいなあ……。

    二宮:イワタは活版をもとにデジタルに起こした書体なので、「クラシックな感じ」という印象はまさにそうですね。さすが。イワタも、レトロなかわいさがあっていいですよね。

    夢眠:読む人にとって、すらすら読めるのはどっちでしょう?

    二宮:秀英体ですかね。芥川賞を受賞した作品などにもよく使われている、「新潮社の文芸」としておなじみの書体です。

    夢眠:なるほど……うん、決めた。こっちにします。読みやすいし、文字の連なりがこっちのほうが好きなので。

    二宮:秀英体ですね。

    夢眠:あ、ちょっと待ってください! 詰まり具合をイワタの見本くらいにしたいんですが……。

    二宮:字間と行間は調整できますよ。じゃあ本文は秀英明朝で、行間をイワタと同じくらいに寄せましょう。この内容で「指定書」を作りますね。

    夢眠:本文組が決まったら、「指定書」というのを作るんですね。

    二宮:指定書は、レイアウトの設計図です。本文の印刷面の大きさをどれくらいにするか、ページ番号をどこにどんなふうに振るかも、これで指定します。

    ▼こちらが「指定書」。ページ内にどれだけ余白をとるかなども指定されています。

    二宮:印刷面の大きさは「版面(はんづら)」、ページ番号は「ノンブル」と呼ぶことが多いですね。

    夢眠:専門用語だ……!


    フォントやサイズ、文字の詰まり具合といった文章の部分だけでなく、中身の装幀ではページ全体をどんなレイアウトにするかということも決めていきます。「すらすら読めるように」とねむちゃんが選んだ秀英明朝、実際の読み心地はいかがでしたか?

    今回はちょっと短めでしたが、次回からはぐんぐん工程が進んでいきます。「夢眠書店開店日記 第16話:ねむちゃん、本の装幀に挑戦!③」では、ついに現物の見本が登場!! 次回もお楽しみに。




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