• 黒猫に教わった“生きる上でのヒント”―『「言葉にできる」は武器になる。』の著者による“癒し系”自己啓発書

    2018年02月10日
    知る・学ぶ
    日販 ほんのひきだし編集部「日販通信」担当
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    「世界は誰かの仕事でできている。」(日本コカ・コーラ「ジョージア」)、「バイトするなら、タウンワーク。」(リクルート「タウンワーク」)など、数々のキャッチコピーを生み出してきたコピーライターの梅田悟司さん。

    2016年8月に発売された『「言葉にできる」は武器になる。』がヒットしている中、2017年9月に最新刊が発売されました。

    捨て猫に拾われた男
    著者:梅田悟司
    発売日:2017年09月
    発行所:日本経済新聞出版社
    価格:1,296円(税込)
    ISBNコード:9784532176211

    最新刊『捨て猫に拾われた男』は、「猫」と「自己啓発」をかけあわせた珍しいテーマの一冊。捨て猫の里親会で1匹の黒猫に出会った著者が、「大吉」と名付けたその黒猫との日々を通して学んだ〈生きていく上でのヒント〉がまとめられています。

    今回は本書について、編集を担当した日本経済新聞出版社の網野さんと、営業担当の玉井さんにお話を伺いました。

     

    今回取材にご協力いただいた方

    (左から)
    日本経済新聞出版社 営業部 販売促進グループ マネジャー 玉井淳さん
    同 編集部 網野一憲さん

     

    「言葉」の次に選んだテーマが「猫」だった理由

    ――『「言葉にできる」は武器になる。』から1年ちょっとで発売された最新刊が、まさか“猫本”とは予想外でした。

    網野:次に出す本の話をしていた時に、梅田さんが「もう決めているんです」と言って企画書を渡してくれたんです。企画書に印刷された画像を見て、まず私が発した言葉は「猫ですか?」でした。梅田さんも「猫です」と(笑)。

    玉井:営業としても、最初に聞いた時は前作とのギャップに驚きを禁じえませんでした(笑)。

    網野:サンプルとしてもらった原稿を読んで、ただ猫について書いた本ではなく、人の生き方を猫を通して書いた本だということがわかって納得しました。

    ――梅田さんは、どうして「猫がテーマの本を出す」と決めていたんでしょう?

    網野:梅田さんはもともとは犬好きだったそうなのですが、奥様から「猫と暮らしたい」という話があり、いろいろと調べていくうちに「里親会※」の存在を知ったのだそうです。

    ※殺処分予定の動物を保護し、しつけをしながら、里親を探すための活動をする団体。

    網野:社会問題として猫に向き合っていることに非常に共感したそうで、梅田さんと奥様も、里親会で出会った猫を引き取って一緒に暮らしています。それが、本作の主人公になっている黒猫の大吉です。

    ▼梅田さん夫妻と暮らす、黒猫の大吉。

    ――そうして猫と暮らすうちに、著者の生活が変化してきたということなんでしょうか。

    網野:梅田さんが大吉と暮らして気づいたのは、日々の疲れやトゲトゲした気持ちが癒されるだけでなく、猫から教わったこと・猫との暮らしで学んだことがたくさんあり、それらが仕事や人間関係の面でも大いに役立っているということでした。それで、そのことを「広告に携わる人間として世の中に伝えるべきだ」と考えたのだそうです。あわせて、里親会について正しく理解してもらうこと、里親会の存在を通してペットの社会問題に目を向けてもらうこともテーマになりました 。

    ――それで、「相方」※『「言葉にできる」は武器になる。』インタビュー参照である網野さんのところへお話がきたと……。

    網野:想定もしていないテーマでしたし、社内で企画が通るかについて戸惑いや不安がなかったとはいえません。でも私自身も、避暑地に大量に置き去りにされた犬を見てショックを受けたりした経験があって共感する部分が多かったので、一晩だけ悩んで、最終的には「誰にも文句を言わせない!」という気持ちで企画を出しました。

    玉井:里親制度をくわしく知らずに、「捨てられてしまったかわいそうな動物を、善意で引き取って飼っている」という少し偏ったイメージを持っている方もいるかもしれません。でも、梅田さんはそうではなくて「引き取った猫たちはこんなに元気になる」「引き取った側も多くのことを得られる」というポジティブなメッセージを伝えることで、里親制度に光が当たるようにしたいという思いをお持ちでした。

     

    疲れた時にこそ読みたい! 新しい読み口の“癒し系”自己啓発書

    ――それにしても、『捨て猫に拾われた男』というタイトルにはうなりました。女優の杉本彩さんも、以前行なわれたトークショーで絶賛していらっしゃいましたね。

    網野:普通はいくつか候補を出して選ぶんですが、この本については最初からこれ一つだけだったんです。『「言葉にできる」は武器になる。』という本からもわかるように、“言葉にできる”梅田さんが考え抜いてつけたタイトルだと思います。動物愛護活動に積極的な杉本さんに共感していただけて、嬉しかったですね。

    ――タイトルもそうですが、猫を題材に“自己啓発書”として文章を書くというコンセプトも、なかなかないものだと思います。

    網野:たとえば「爪とぎ」という行動から、梅田さんは仕事に取り組む姿勢について考えを拡張していきます。大吉は決まった場所以外に、梅田さんの体でも爪とぎをしてしまうことがあるそうなんですよ。

    ――それは痛そうですね……。

    網野:でも梅田さんは、それを「自由に、深く周囲と触れ合って生きているからこその行動だ」ととらえるんです。逆に人間は、モノに傷をつけることに臆病になりがちですよね。「傷をつけないことが大切にしている証」と考えたり、 仕事についても「否定されたり批判されたりすることなく、無事に終わる」ことを求めたりする。しかし、そうではなく、自分らしさという“爪痕“を残そうと意識して仕事に取り組むことで、その仕事に思い入れが生まれ、想像以上の成果につながるのだと梅田さんは考えたわけです。

    ――なるほど。猫の特徴や習性を起点にしていたり、大吉とのエピソードが描かれていたりすることで、猫ののんびりした自由な姿が頭に浮かんで、従来の自己啓発書とは異なった読み口を与えてくれるのも楽しいですね。

    網野:自己啓発書には“気負って読むもの“が多いですが、『捨て猫に拾われた男』は、ゆったりした気持ちで読んでもらいたい本です。「明日、頑張ってみてもいいかな……」くらいの気持ちになれると思いますので、ぜひ読んでみていただきたいです。

    玉井:大吉とのエピソードを交えつつ、柔らかい文章で書かれているので読みやすいですよ。イラストの大吉もかわいくて癒やされます。

    網野:あと、実はすべてのページの隅に黒猫の絵が入っていて、パラパラ漫画になっているんですよ。最初はすべて同じシルエットだったんですが、「動いたら面白そうだね」と言ったらデザイナーさんが変更してくれて。一度読み終わったら、ぜひパラパラめくって楽しんでもらいたいですね。

    ▼ところどころには「世界に残る猫名言」のコーナーが。意外な人物も、猫にまつわる名言を残しています。

    ――ちなみに、読者にはどんな方が多いのでしょうか?

    網野:自己啓発書として読む方と猫好きの方と、主に2通りの読者がいらっしゃいます。最初は「猫の本」ということで興味を持ってくださった方が多かったようですが、猫好きから広がって、今は自己啓発書として読む方が増えています。

    玉井:里親制度もテーマの一つなので、保護猫の里親探しをしている猫カフェに梅田さんのサイン本をお送りして、お店を訪れたお客様に本を知っていただくという試みもしています。実は里親探しをしている猫カフェって、全国に120軒くらいあるんですよ。

    ――この本が多くの人のもとに届いて、より自分らしい毎日を送る手助けになったり、大吉のような愛されて暮らす猫を増やすきっかけになったりするといいですね。本日はありがとうございました!

    『「言葉にできる」は武器になる。』もあわせてどうぞ!(網野さん・玉井さんへのインタビューも公開中

    「言葉にできる」は武器になる。
    著者:梅田悟司
    発売日:2016年08月
    発行所:日本経済新聞出版社
    価格:1,620円(税込)
    ISBNコード:9784532320751




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