• 夢眠書店開店日記 第2話:ついたくさん買っちゃう本屋さんの秘密②

    2015年08月29日
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    でんぱ組.incの夢眠ねむが、自らが店長を務める「夢眠書店」の開店を目指し、出版業界の「先生たち」を訪ねて本や書店について学ぶ連載「夢眠書店開店日記」。第1話では「本ってそもそも何なんだろう?」をテーマに、本の販売会社・日販を訪れました。

    第2話は、ねむきゅんも馴染みの深い秋葉原の本屋さん「有隣堂ヨドバシAKIBA店」が舞台!行きたくなる本屋さん、買いたくなる本屋さんの秘密を探ります。

    〉第1話「本ってそもそも何なんだろう?①」から読む
    〉前の話を読む

    今回の対談相手

    nemu2001宮尾美貴子 有隣堂ヨドバシAKIBA店 店長

     PROFILE 
    有隣堂横浜駅西口店を皮切りに、お店一筋20数年。「有言実行」をモットーに、お客様に愛され、店員も楽しく仕事ができる店作りに日夜励んでいる。得意技は高速カバー折り。

     

    「売りたい気持ちが伝わってくる棚」ってどんなもの?

    夢眠ねむ(以下、夢眠)書店員をしていて「楽しいな」って思うのはどんな時ですか?

    宮尾美貴子(以下、宮尾)一番はやっぱり、自分が売りたいと思った本や売れると思った本を仕掛けてみて、きちんと売れた時ですかね。最初から売れる本なら当たり前ですが、売りたいと思った本にPOPをつけてみたり、ディスプレイしてみたりして、それが売れるとやっぱりすごく楽しいです。

    宮尾:あとは、さっきの話もそうですけれど、お客様が探していた本をお渡しして「探してたんだ、ありがとう」って言われた時は、本当に嬉しいです。よくスタッフに言うんですけれど、書店員の喜びって、一つひとつは本当に小さい喜びなんです。それをいくつ集められるかですね。すごく大きい達成感って実はそんなにないのですが、色々な小さいことをどれだけ積み重ねていけるかで、本屋が楽しいか楽しくないかが決まると思っています。

    夢眠:素敵!お客さんと本とを出会わせてあげること、私は大きいことだと思っています。今日買ったこの本が、一生忘れられない本になるかもしれないし。

    宮尾:本って、その後が無限に広がるじゃないですか。もしかしたら、その人が「この本すごく面白かった」って言って誰かに貸したり、どこかで紹介したりしてくれるかもしれない。その手助けみたいなことができたらいいなって。

    夢眠:熱のある流通ですね、本屋さんって。店員さんがちゃんとPOPを書いた時点で、一つの愛情がすでに本に乗っかっているっていう。すごくいいですよね。

    宮尾:そうですね。やっぱり、棚を見渡すと「売りたい気持ち」みたいなものが伝わってくる棚と伝わらない棚ってあるんです。「送られてきたから、やっつけで置きました」っていう棚と「これはここに置いたら、こういう風に売れるんじゃないか」って考えられている棚は、やっぱり見る人が見れば分かるし、一般のお客様にもたぶん伝わると思うんですよ。

    夢眠:「ばれちゃう」って感じがありますよね。

    宮尾:ばれますね。

    夢眠:仕事ってそういうところでばれちゃう。「機械的に本を置いているんじゃないの?」って思う人もいるかもしれないですけれど、横に並べる本によっては、1冊だけ買うつもりで来たのに「これも」「あっ」みたいな。

    宮尾:まさに、それを狙っています。

    夢眠:この間お店に来た時、1冊のつもりが気づいたら6,000円分くらい買っていて、「あれ?宮尾さーん!」みたいな。「なーんと!でも、ありがとうございました」みたいな感じに(笑)。

    宮尾:ありがとうございます(笑)。それを私たちも狙っているし、それで買っていただけたら嬉しいです。

    夢眠ねむレジにて

    夢眠:それって、本当に本に対する愛情や知識とかが深くないとできない技だし、育てようとしても無理じゃないですか。「君は文庫担当だから、文庫のことを勉強してね」って言われても、限界があって、もともと愛がないとちゃんと湧いてこない気がする。

    宮尾:そうですね、人によります。どうしても機械的な作業で終わる人と、工夫してみたら楽しくなってどんどんやっていくタイプの人と。

     

    わくわくが伝わってくるお店って?

    夢眠:宮尾さんは、店長として何か特別なことをしていたりするんですか?

    宮尾:私が直接「あれをやれ、これをやれ」と言うことは、実はあんまりないです。お店って一人ではできないので、「それぞれのメンバーが楽しくやりがいを持って働くためにはどうしたらいいのか?」を考えることが店長の役割だと思っています。基本的には、そういう環境整備をしていますね。

    夢眠:きっと、だからこそ皆「自分の棚」だって思って工夫するんでしょうね。「あれをやりなさい」って言われると「言われたから……」ってなっちゃうけど、「私がこの棚を盛り上げるぞ!」っていう雰囲気ができる。

    宮尾:あと、やっぱり店員が楽しんでる雰囲気をお伝えしたいと思っていて。無理やり「取次さんから入ってきたから並べましょう」みたいな感じだと、その雰囲気は面白くないし、お客様にも伝わります。お店に来た方が「よし、これはこういう風に面白いから、ここで買わなくちゃ」って思ってもらえるように棚を作っていないと、受け取る側のお客様も面白いとは当然思えない。だから、メンバーには楽しんでやってほしいなと思っていますね。

    夢眠:そういうのがお客さんにも伝わって、わくわくするなあって。

    宮尾:そうですね、そのわくわく感をお届けしたいというのが、うちのコンセプトでもあるので。

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