• 「おもしろかった」しか「感想」がなくても大丈夫!作業で書く読書感想文

    2015年08月25日
    知る・学ぶ
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    本を読むのは嫌いじゃないのに、読書感想文となると言葉が出てこない…。そんな方も多いのではないでしょうか?もうすぐ新学期!まだ読書感想文を書き上げていない方のために早稲田塾で小論文を教えている田中公一朗先生のところに相談に行ってきました!


    読書感想文。「おもしろかった」「よかった」以外に書くことがない。感想なんてないし。こう思うでしょう。では、やり方を変えてみましょう。

    なぜ国語の先生は、みなさんに読書感想文を書いてもらいたいんでしょう? その理由を予想してみましょう。これがわかれば、なにを書いたらいいのかがわかってきます。

    原稿用紙に向かう前にメモをするだけ!

    次の①から④の作業にそって、まずノートにメモを必ず取ります。不思議なほど書けますよ!メモを取ったら最後に原稿用紙に書こう。なお主人公は、いちばん登場回数が多い人のことを指します。

    物語に出てくるいろいろな人たちを探そう

    shutterstock_262239434Lewis Tse Pui Lung / Shutterstock.com

    作業①:物語のなかにはいろいろな人が出てきます。やさしい人、いじわるな人、いつも楽しそうにしている人、恐ろしいことを考えている人、目標に向かってまっすぐな人などです。世の中にはいろいろな人がいる。それぞれの人が違うことを考えている。本当にあなたとは違う人がたくさんいるということを、物語という架空の世界のなかで知ってほしい、こう国語の先生は思っています。
    読書感想文では、いろいろな(=多様な)人がいるということを書いておきましょう実際にどんな人がいたか。どういうキャラの人が登場してきたか。これはゲームやスポーツと似ています。違ったキャラクターの人がたくさん出てきますよね。その「どういう人か」というのを書こう! つまり「この人は、こういう性格の人です」というのを並べてゆきます。

    書き方:「まず、登場人物をまとめてみます」で始めましょう。

    「考え方がいろいろな人たち」と「心の中」を探そう。

    shutterstock_15315367作業②:人はなにかを言ったり、行動したりしますね。それはなにかその人なりの意図があるからです。遊びに行きたければ「どっかいかなーい?」って言います。「家にいてもつまんない」と表現を変えることもできます。映画のチケットを無言で相手に手渡すこともできます。人の心の中は見えません。だから相手がなにを考えているかわからない。でも、その人の言っていることや行動から、「あの人は、いま希望を持っているんだな」とか「あの人は悲しいんだな」と想像できます。国語の先生は、この心の中と、言ったり・行ったりしたこととのかかわりを書いてほしいんです。心の中のことを国語では「心理」とか「心情」と呼びます。

    「あれっ? ここには自分の感想がないや!」と思うかもしれませんが、登場人物では誰が好きなどと書く必要は必ずしもありません。物語を読んで、その中で「どういうことが起こっているか」を書くのが、[本とあなたとのかかわり=つながり]です。楽しいでしょ?

    書き方:「このとき、登場人物は、こういうことを言ったので、こういう心理だったのだろう」。
    例:「この人は、『絶対に助けなければ』と言って走り出していったけれど、それはその人が命を大事にするような人だったからだろう」と書きます。

    これでほぼ出来上がり!です。探し、そして見つける作業が中心です。「物語に出てくるいろいろな人たち」と「心の中」。これを探す。さて3つめに行きます。

    物語に出てきた風景・動物を探そう

    shutterstock_123421084作業③:物語のなかに風景や景色が出てきませんでしたか? 山や河、風、太陽や雨。家や工場。道路や飛行場です。それから犬や猫、動物。

    風景や動物は、たまたまそこに出てきたのではありません。物語や映画、コミックでは、主人公の心を風景や動物で間接的にしめします。
    書き方:「飼い犬がくるくる周辺を回っていたので、主人公にいいことがあったのだとわかる」「主人公が落ち込んでいるときに、夕陽がその場面に書かれている」

    ということは、そこに風景が書かれていれば、それは主人公の心の中、心理を見るヒントになっている、ということです。風景や動物、植物などに気を配ってください。それを見つけたら、それが主人公の気持ちとどう関係しているかを予想してみましょう。そして、予想したことを書きます。

    書き方:「この場面で、静かなマンションの風景が書かれていることで、主人公のドキドキしている感じが、かえってより強く感じられた。」

    作業①~③を見てあなたが感じたことは?

    作業④:さて、これが最後。ここまでで ①世の中にはいろいろな人がいる ②心の中と発言や行動は関係している ③風景や動物と人の心にも関係がある、この3つを見つけたと思います。時間をかけて見つけましょう。
    この3つを使って、物語が全体としてどういうものだったかを書く
    希望が持てるのか、悲しいのか。昔を懐かしんでいるのか。やる気が出るのか。人って素晴らしいと思えるのか。生きてゆくのは大変と書いているのか。友情は大切だと書いているのか。

    そんなのわかりません!と言われそうですが、主人公は物語のなかの問題や、出来事をどのようにクリアしたのでしょうか? あるいはできなかったのでしょうか? 主人公はどう問題に立ち向かったのでしょうか? 作業②で心の動きを見つけていれば、それははっきりします。そして主人公を助ける人やじゃまをする人、主人公とはぜんぜん関係ない人もでてきます。これは作業①の「いろいろな人がいる」でわかったはず。物語が全体としてどういうものだったかを、読書感想文の最初に書きます。最初です。
    書き方:「主人公は、友人を助けようとしてがんばったけれど、途中であきらめかけた。しかし、最後はアドバイスをくれた人のおかげで、助けられた。友人や、予想もしないアドバイスは大切なのだと思った」

    まとめ

    ・原稿用紙に書く前にメモを取りましょう。

    ・原稿用紙には、はじめに④を書いて、その後作業①②③でわかったことを書きます。

    ・そのそれぞれに段落を作ります。

    ・最後にもう一度④をまとめとして繰り返します。

    これで出来上がりです!

    今回の執筆者ご紹介

    自分画像田中公一朗

    予備校や大学で長年教える。専門は国際政治(都市政策)と音楽社会学。著作、論文多数。現在は、上智大学非常勤講師。早稲田塾講師(小論文)大人の教養を身につけるための講座「ビジネスパーソンのためのリベラル・アーツ講座」も運営中。詳しくはこちら

     

     

     

     

     

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