• なぜ社員が残業しなくても業績が上がるのか?「働き方改革」の舞台裏『SCSKのシゴト革命』

    2017年11月09日
    知る・学ぶ
    日販 仕入部 服部
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    「働き方改革」に成功! IT業界きっての優良企業・SCSK!

    2016年8月の第3次安倍第2次改造内閣の発足とともに推進されている、「働き方改革」。その重大な骨子の1つが、「長時間労働の是正」です(首相官邸ホームページ「働き方改革の実現」より)。

    長時間労働、不採算プロジェクト……過酷な労働環境が常態化しがちなIT業界の中で、大手システム開発会社・SCSKは残業時間を削減、有給休暇取得率を向上させ、「働き方改革」に成功した企業として知られています。

    さらに、SCSKは2011年の発足以来、5期連続での増収増益を記録。2016年度には営業利益10%を稼ぎ出し、いわゆる「優良企業」の1つに数えられるまでに。2017年3月には、厚生労働省による第1回「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」の大企業部門・最優秀賞を受賞しました。

    「労働環境の改善」と「高い生産性」の両立。SCSKはいかにしてこの難題を解決したのでしょうか。

    その舞台裏には、6年間にわたる業務クオリティ向上のための取り組みがありました。この知られざる改革の軌跡が、11月6日(月)に発売された『SCSKのシゴト革命』で明らかにされています。

    SCSKのシゴト革命
    著者:日経BP総研イノベーションICT研究所 SCSK株式会社SE+センター
    発売日:2017年11月
    発行所:日経BP社
    価格:1,620円(税込)
    ISBNコード:9784822259594

     

    「労働環境の改善」と「高い生産性」の両立。SCSKの「シゴト革命」とは?

    2011年10月、住商情報システムがCSKを吸収合併して誕生したSCSK。社長に就任した元住友商事の中井戸信英さんは、「長時間労働は当たり前」とするIT業界の常識に強い疑問を感じたそうです。

    「社員が心身の健康を保ち、仕事にやりがいを持ち、最高のパフォーマンスを発揮してこそ、お客様の喜びと感動につながる最高のサービスを提供できる」

    (本書p.15より引用)

    そう考えた中井戸さんは、SCSKの働き方改革に着手します。

    目標値を明確に設定しての残業時間管理と有給取得の促進。そして、社員が心置きなく有給消化率100%を達成できるよう、不測の事態に備えるバックアップ休暇も完備。そんな取り組みを通して、2012年には月平均で約30時間あった残業時間を、2014年には約18時間に削減、有給休暇取得率は97.8%にもなったそうです。

    社員の労働時間が減れば、売上が下がるのが自然に思えます。ところがSCSKは、浮いた残業代を社員に全額還元しているにもかかわらず、5期連続での増収増益を実現。この背景には、「働き方改革」と並行して行われた、「仕事のやり方」改革の成功がありました。

    SCSKが経営統合後にまず取りかかったのは、もとは別々の会社に所属していた社員が同じ基準で案件に臨むための「開発標準」(SE̟+)の策定でした。

    本書で紹介されているSE+の説明資料の中には、「SCSKがIT企業の中で一流になるために」として、次の3つの思いが記されています。

    ・優秀な人材のノウハウを全社標準にしたい。
    ・経験の浅い人材も、そのノウハウ(標準)を活用することで成長を早めたい。
    ・顧客視点で見たとき、SCSKの仕事の品質を高めたい。

    (本書P.87より引用)

    これを実現するために、業務プロセスの標準化や見える化をはじめとする仕組みの整備や、リスクマネジメントの徹底化が行われました。同時に、施策の意味や目的を現場が理解し、自発的に実行するよう、社員のマインドも改革。

    これにより、属人的な業務やその場限りだった仕事のやり方が排除され、システマティックな業務体系にシフト。人が変わっても同じクオリティの仕事ができるような体制が整えられていったのです。

    とにかく、これら一連の取り組みを愚直なまでに実施・継続したことが、「仕事のやり方」改革成功の鍵だったそうです。結果として、SCSKは利益を大幅に圧迫する不採算プロジェクトの発生を抑え、高い営業利益率を実現しました。

    本書で語られている内容は1つのIT企業の事例ですが、業界を問わない普遍的な課題への回答が多く含まれています。

    個の力をいかに組織内で発揮させるか?
    赤字案件を減らすにはどうすれば良いか?
    そしてそのための構造改革・意識改革とは?

    キーワード「働き方改革」に対し、プロジェクトチームを結成して取り組む企業も増えている昨今。そのような施策の参考に、本書を手に取ってみてはいかがですか。




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