9784791713301

相模原19人刺殺事件から私たちは何を考えるのか?「現代思想」10月号で緊急特集

2016年09月23日
知る・学ぶ
日販 特販支社 佐々野
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相模原障害者施設襲撃事件から2か月。

「無抵抗の障害者を狙う」という前例をみない大量殺傷事件で世間に衝撃を与えたこの事件ですが、私たちを最も驚かせたのは、犯人が数か月も前に犯行目的を宣言しており、それが自分本位の動機ではなく「日本国や世界のため」と社会正義を謳っていたことではないでしょうか。

【相模原殺傷】「障害者470名を抹殺できます」植松聖容疑者、衆院議長に手紙(全文)
http://www.huffingtonpost.jp/2016/07/26/letter-to-chairman_n_11207296.html

この手紙は衆議院議長一人にあてられたものではなく、日本社会に向けられたものでした。

介護施設の職員だった容疑者がケアの問題に触れている点、障害者とその家族に触れている点、そして「障害者は不幸を作ることしかできない」という断定。この手紙をメディアで見た方は、恐らく強烈な不快感とともに、しこりのように残り続ける曖昧な不安を覚えたのではないでしょうか。そしてここには、植松聖容疑者一人の狂信的な妄想と片付けられない、根深い問題があるように思います。

この事件に対して私たちは何を考えなければならないのか、そして何と回答するのか。

9月26日に青土社より発売される「現代思想」2016年10月号では、この事件を緊急特集。私たちの抱く曖昧な不安に、この一冊はきっと輪郭を与えてくれるはずです。

現代思想 第44巻第19号
発売日:2016年09月
発行所:青土社
価格:1,404円(税込)
ISBNコード:9784791713301

緊急特集=相模原障害者殺傷事件

事件を受けて緊急特集。そのインパクトと現代的意味を探る。
相模原の障害者施設「津久井やまゆり園」で入園者19人が殺害された。本特集では、障害者に対する差別の歴史、優生思想の現代的回帰、精神障害者に対する医療観察のあり方、ケアをめぐる労働問題、そして世界各地で続発するヘイト・クライムなど、事件をめぐって見えてきた多重の問題を読み解く。

青土社公式HP「現代思想」2016年10月号より)

目次
・「事件」の特異性と普遍性を見つめて(森達也)
・障害と高齢の狭間から(上野千鶴子)
・ぼちぼちの人間世間へ(最首悟)
・この不安をどうしたら取り除くことができるのか(大澤真幸)
・「日本教」的NIMBYSMから遠く離れて(斎藤環)
・「個人の尊重」を定着させるために(木村草太)
・「当事者」からの視点事件の後で(熊谷晋一郎)
・相模原障害者虐殺事件を生み出した社会 その根底的な変革を(尾上浩二)
・相模原市障害者殺傷事件から見えてくるもの(中尾悦子)
・相模原市で起きた入所施設での大量虐殺事件に関し(白石清春)
・「言葉に詰まる自分」と向き合うための初めの一歩として(星加良司)
・反復する優生思想──障害をめぐる政治(市野川容孝)
・「生きるに値しない生命終結の許容」はどのように語られたか(大谷いづみ)
・優生は誰を殺すのか(杉田俊介)
・事件が「ついに」起こる前に「すでに」起こっていたこと(児玉真美)
・「障害者殺し」の系譜──運動史からの問い 七・二六殺傷事件後に 2(立岩真也)
・「殺意」の底を見据えること(荒井裕樹)
・相模原障害者施設殺傷事件と優生思想(廣野俊輔)
・医療観察と「社会防衛」──精神障害をめぐるポリティクス 精神医療と司法・警察の「入り口」と「出口」という問題系(高木俊介)
・役に立たない 危険な人間 二つの苦しみ(桐原尚之)
・精神障害者の立場からみた相模原障害者殺傷事件(船橋裕晶)
・介護労働の現在介護者は「生気の欠けた瞳」をしているのか(深田耕一郎)
・障害者地域自立生活支援の現場から思うこと(渡邉琢)
・津久井やまゆり園の悲劇(西角純志)
・憎しみの時代──ヘイトクライムとしての相模原事件「これはヘイトクライムである」の先へ(明戸隆浩)
・このいま、想像力の圧倒的な欠如(岡原正幸)
・土地の名前は残ったか?(猪瀬浩平)

 

 

あわせて読みたい関連本

母よ!殺すな
著者:横塚晃一
発売日:2007年09月
発行所:生活書院
価格:2,700円(税込)
ISBNコード:9784903690148

「泣きながらでも、親の偏愛をけっ飛ばし」、「あってはならない存在」とされることの差別を暴いて、自立生活運動、障害者運動を牽引した「青い芝の会」の脳性マヒ者、横塚晃一。その不朽の名著、未収録の書き物、映画『さようならCP』シナリオ、追悼文、年表などを大幅に補遺した決定版として、待望の復刊。

(内容紹介の引用元:https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784903690148

障害者殺しの思想 増補新装版
著者:横田弘
発売日:2015年06月
発行所:現代書館
価格:2,376円(税込)
ISBNコード:9784768435427

青い芝の会の「行動綱領」を起草し、健全者社会に対する鮮烈な批判を展開した横田弘の70年代の思索。

(内容紹介の引用元:https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784768435427

優生学と人間社会
著者:米本昌平
発売日:2000年07月
発行所:講談社
価格:907円(税込)
ISBNコード:9784061495111

優生学はナチズムか。戦後日本の優生政策の内実とは。優生思想の歴史を再検討し、遺伝子技術時代の視座を示す。

(内容紹介の引用元:https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784061495111

アシュリー事件
著者:児玉真美
発売日:2011年09月
発行所:生活書院
価格:2,484円(税込)
ISBNコード:9784903690810

2004年、アメリカの6歳になる重症重複障害の女の子に、両親の希望である医療介入が行われた―。1)ホルモン大量投与で最終身長を制限する、2)子宮摘出で生理と生理痛を取り除く、3)初期乳房芽の摘出で乳房の生育を制限する―。「重症障害のある人は、その他の人と同じ尊厳には値しない」…新たな優生思想がじわじわと拡がるこの時代を象徴するものとしての「アシュリー・Xのケース」。これは私たちには関係のない海の向こうの事件では決してない。そして何より、アシュリー事件は、まだ終わっていない―。

(内容紹介の引用元:https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784903690810

障害者介助の現場から考える生活と労働
著者:杉田俊介 瀬山紀子 渡邉琢
発売日:2013年01月
発行所:明石書店
価格:2,700円(税込)
ISBNコード:9784750337494

第1章 障害者介助の現場より―健全者・介助者(介護者)・コーディネーターとして思うこと
第2章 介助者の課題―足文字を読むということ
第3章 介助者がしていること―知的障害のある人の自立生活をめぐって
第4章 介助とジェンダー
第5章 座談会 女性と介助―からだのこと、子育てとの両立、人とのつながり
第6章 アディクト/ケアワーカー/アクティビストを生きる
第7章 野宿と介助
第8章 インタビュー テント村と介助
第9章 「介助を仕事にしたい」と「仕事にしきれない」のあいだ―自立生活運動のボランティア介護者から重度訪問介護従事者になる経験
第10章 介助と能力主義―友達介助を再考する
第11章 座談会 介助者の経験から見えること

(目次の引用元:https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784750337494

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