• 読まずに死ねない哲学名著

    発売後3か月で9刷4.4万部!『読まずに死ねない哲学名著50冊』ヒットの理由

    2016年07月01日
    知る・学ぶ
    日販 ほんのひきだし編集部 野田
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    「いいこと言ってるんだろうけどよく分からない」というイメージの強い「哲学」。しかし今、『読まずに死ねない哲学名著50冊』という新書が2016年3月の発売直後から売れに売れています。

    読まずに死ねない哲学名著50冊
    著者:平原卓
    発売日:2016年03月
    発行所:フォレスト出版
    価格:1,296円(税込)
    ISBNコード:9784894519640

    [日販MARCより]
    「君主論」「死に至る病」など、哲学の結晶というべき50の作品を紹介。作品をできるかぎりかみ砕き、解きほぐすことで、哲学がどのように営まれ、受け継がれてきたかを示す、哲学のガイドマップ。

    でもこの本、可愛らしいデザインとは裏腹に分厚いんです。一般的な新書は200~250ページくらいなのですが、『読まずに死ねない哲学名著50冊』は472ページと、ほぼ2冊分あります。

    にもかかわらず発売から3か月の間に版を重ね、なんと2016年6月時点で9刷4.4万部を突破! 一体なぜこんなに人気なのか、その理由を出版元であるフォレスト出版の方に尋ねてみました。

     

    今回ご協力いただいた方

    フォレスト出版のお二人

    (左)フォレスト出版 取締役 営業部長 小池亜以さん
    (右)同 編集部 石黒洋記さん

     

    反対されて一度はペンディングになりかけた

    ―そもそも『読まずに死ねない哲学名著50冊』は、どういう意図で企画されたんですか?

    石黒:僕自身が「こういう本があったらいいな」と思って立てた企画です。哲学書って、きっとすごいことが書いてあるんでしょうけど、読んでも何を言っているか全然分からないですよね。「“哲学名著”と言われるものを分かりやすく解説してくれる本があればいいなあ」「でも何十冊もの古典の解説を頼める著者はなかなかいないだろうな……」そう考えていたある日、インターネットで調べものをしている時に、偶然「Philosophy Guides(※)」というブログに行き着いたんです。

    ※後に『読まずに死ねない哲学名著50冊』を執筆することになる、平原卓さんの哲学ガイドブログ。「哲学早わかり」「超コンパクトまとめシリーズ」「詳細解読コーナー」などのコーナーを設け、古代から現代にかけての哲学の著作と思想を平易な言葉で紹介している。2012年9月開設。

    石黒:それで「この人なら実現できるかも!」と思って、企画案をまとめました。

    小池:でも実は、社内での反応は良くなかったんです。フォレスト出版はビジネス書中心の出版社なので懐疑的な意見も多く、一度はペンディングになりかけました。

    石黒:営業部は「新書で哲学なら定番だよね」という感じでしたが、特に編集部の反応が良くなかった。この本は名著を時系列に並べて紹介するという内容なので、「ひねりがない」んです。しかも著者の平原卓さんはまったく無名の新人なので、「どこがフックになるの?」と言われました。でも僕としては、そうしたストレートで混じり気のない本が読みたかったので、結局無理やり企画を通して本を作ることにしました。なんだかんだ、わがままを許してくれた会社には感謝ですね(笑)。

     

    哲学書が理解できないのは、哲学者の文章がめちゃくちゃなせい

    ―『読まずに死ねない哲学名著50冊』は、名著ガイドであると同時に、哲学の体系が理解できる構成になっていますよね。

    石黒:僕自身も、『読まずに死ねない哲学名著50冊』を編集することで勉強していました。編集していたら、何となく「こういうことか!」と分かってきたんです。今まで哲学書を読んで挫折していたのは、何が課題で、どんな歴史的・社会的背景があるかを分かっていなかったからなんだなと思いました。

    あと、おもしろいなと思ったのが、哲学者=文章の達人ではないということ。たいていの方は「哲学書を読んで理解できないのは、自分がバカだからだ」と思っていらっしゃるかもしれませんが、そうじゃない場合もたくさんあります。実は、哲学者の書いた文章がめちゃくちゃだった(笑)。

    ―その悪文を、噛み砕いて解説してくれている。ありがたいですね。

    石黒:哲学に対して「よく分からないけどすごいんだろうな」というイメージを持ってしまうのは、哲学者を必要以上に崇めてしまうからだと思います。でも「哲学者だって人間なんだよな」と思って読むと、実は自分と似ているところがあったりして、より理解しやすくなるんです。

     

    装画は漫画『クズの本懐』の横槍メンゴ先生描き下ろし

    ―この表紙、色づかいも装画も可愛らしいのでジャケ買いする人が多そうです。

    石黒:装画は、人気漫画家の横槍メンゴ先生に描き下ろしていただきました。

    ▼横槍メンゴさんの代表作『クズの本懐』は、TVアニメ化が決定している(2017年1月放送)。

    クズの本懐 1
    著者:横槍メンゴ
    発売日:2013年02月
    発行所:スクウェア・エニックス
    価格:607円(税込)
    ISBNコード:9784757538870

    小池:『読まずに死ねない哲学名著50冊』が発売されてすぐに、女性の購買率がぐんと伸びた時期がありました。横槍先生には女性ファンも多いので、先生による告知の影響が大きかったようです。

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