夢眠書店開店日記 第12話:ねむ店主の師匠!?独立系書店の作り方④

2016年06月18日
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辻山さんとの対談もこれが最終回。今回は夢眠書店についてのアドバイスやおすすめの本、Titleの今後について伺います。

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今回の対談相手

辻山良雄(つじやま・よしお) 「Title」店主

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 PROFILE 
1972年神戸市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、㈱リブロ入社。広島店、名古屋店など中核店舗の店長を経て、池袋本店統括マネージャー。2015年7月同店閉店後退社し、2015年11月㈱タイトル企画を創業。
2016年1月10日、荻窪に本屋とカフェとギャラリーの店Titleをオープン。
http://www.title-books.com/

 

夢眠書店はどんな本屋にしよう?

夢眠ねむ(以下、夢眠)うーん、夢眠書店はどんな本屋にしよう? 何の棚を作ろう? Titleには何台くらいの棚があるんですか?

辻山良雄(以下、辻山)20台くらいですね。本は1万冊くらいあります。

夢眠:うわあ……。途方もない。

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― その1万冊の中には、この店に合わせてご自身で選んだ本もあれば、売上のデータなどをもとに選んだ本もあると思いますが、どうバランスを取っていらっしゃるんですか?

辻山:だいたい6割が売上のデータから選んだ、一般的に売れている本です。自分の好みが入っているような本は4割くらいですが、そっちのほうが今、増えつつありますね。

夢眠:5対5になりかけていると。

辻山:というか、もう、なってます(笑)。

夢眠:私もそれくらいを目指したいな。「全部自分の好きなものでいいよ」って言ってくださる方もいるんですけど、「それだと扱う本の幅が狭くなっちゃうんじゃない?」というアドバイスをいただいたりもしていて。自分の好きな本だけだと数も限られてきますし、全部自信を持っておすすめできるラインナップが、まだないんです。

辻山:自分が読んでいる本から広げて、同じ作家の本、その方と仲のいい作家の本、テイストの似ている本……というふうに掘っていくといいと思います。

夢眠:それ、萌えますね(笑)。

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辻山:私もただ知っているというだけで、読んだ本なら1万冊には到底届かないですよ。

夢眠:さっき話した「棚の中でピリッと効いている」とか「掘っていく」という感覚って、音楽に似ていますよね。アルバムを作るときのような“流れ”があるというか。それを乗りこなせたら、私もいい本屋さんに近づけるような気がしてきました。

辻山:音楽も歌も、人によって違うじゃないですか。たとえうちの店とは全然違っても、流れがきれいであれば、夢眠さんのお店に来たお客さんは「ああ、いいなあ」と感じると思うんですよ。正解は一つではないですから。

― 読んだ本は、どう管理しているんですか? 例えば「この本はレコメンドする」「これとこれは一緒に並べたほうがいい」とか、そういう情報が辻山さんの頭の中でどう整理されているのか興味があります。

辻山:いやー……、分からないです(笑)。たまたま覚えていたというくらいで、特に「これは大切だから覚えておこう」と意識してはいないですね。大きい文脈でつなげている感じです。

夢眠:膨大な売上のデータから本を選ぶときは、どのように取捨選択なさっているんですか? たとえ売れ筋であっても「これは絶対苦手!」という本は置かないじゃないですか。そうすると、売れ筋とはいえ自分の好みになっちゃいますよね。

辻山:そうなりますね。一つのジャンルにつき2万点くらいの売上データが出てくるんですが、商売なので、そこから先は「装丁が気に入らない」とか、そういうところで選んでいます(笑)。積極的に仕入れるのは、やっぱり記憶にあるものが多いですね。

夢眠:「あっ、これ読んだことある」というところから、これも、これも……というふうにつなげていく感じですか?

辻山:そうですね。絵本なんかは特にロングセラーの商品も多いですし、「今読むべき○○」みたいな本もたくさん出ているので参考にしています。

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夢眠:やっぱり人の好みって一貫しているので、たとえデータが2万点あろうと、私は食べ物の名前がついているタイトルばっかり見ちゃうと思うんです(笑)。でもそれは全部選んじゃって、一段落したらまた別の観点から選べばいいんですよね。

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