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あなたにとって、“本”や“本屋さん”とはどういうものですか? 今回はクラフト・エヴィング商會のお二人に「いい本屋さんとは」について伺いながら、ねむちゃんが夢眠書店をどんな本屋さんにするか考えていきます。
今回の対談相手
クラフト・エヴィング商會(craft ebbing & co.)
PROFILE
吉田浩美と吉田篤弘によるユニット。著作の執筆と、装幀を中心としたデザイン・ワークを主として活動している。主な著書に『クラウド・コレクター/雲をつかむような話』『らくだこぶ書房21世紀古書目録』『ないもの、あります』などがある。
著作のほとんどに物語の中の二次元的存在として登場するため、ユニット自体が架空の存在と思われがちだが、実際に存在し、これまでにおよそ1000点を超える書籍・雑誌などの装幀デザインを担当。同時に自著に登場する架空の品々を「ないもの、あります」の謳い文句のもと、さまざまな手法によって具現化し、自著と展覧会を通して数多く発表している。
〈こちらの方にもご協力いただきました〉
岸本洋和さん:
株式会社平凡社 編集者。クラフト・エヴィング商會、並びに吉田篤弘さんの担当編集。
※今回の取材は、平凡社の会議室をお借りして行いました。
夢眠ねむ(以下、夢眠):私たちはこういう風に本が大好きなわけですけど、「勉強が嫌い」というのと同じ感覚で、本を「怖い」と思って読まなくなっている人もいっぱいいるみたいで。本を「読め」って言われたり、読書感想文を書くための手段として読まされたり……。
吉田篤弘(以下、篤弘):そこが問題なんですよね。
夢眠:そうですよね! 私もそこが問題なんじゃないかと思うんです。なので、本を怖がっている人に「怖くないよ」って伝えて、本がたくさんの人の手を通ってできていることを色々な世代の人に見てほしくて。それで「夢眠書店」を始めたんです。
吉田浩美(以下、浩美):素晴らしいです。
夢眠:あと、私は場合によっては電子書籍もいいと思うんですけど、本みたいに、文字が書かれているものをちゃんと“もの”として手に取って触れる場所を作りたいと思っています。夢眠書店を開店するにあたって、何かアドバイスをいただけますか?
浩美:アドバイスというほどでもないんですが、このあいだの展覧会で、自分たちがこれまでつづけてきたことは「物語の扉を作ること」だったと気付いたんです。「私たちは扉を作っているだけで、実際の物語は、読者がその扉を開けて楽しむものだ」と。
篤弘:僕が書いた最初の小説は『フィンガーボウルの話のつづき』というタイトルですが、それもやはり、タイトルどおり、話の入口だけ書いて出口を書いていない。