• 本屋さんの「価値」ってなんだろう?日販・博報堂の新入社員が一緒に考えてみた!【プレゼン編】

    2016年03月25日
    知る・学ぶ
    SDJ(日販 広報)
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    前回の記事で『お客様を買う気にさせる「価値」のみつけ方』を教科書に講義を受けた、日販と博報堂の新入社員4人。講義終了後には実際にパルコブックセンター吉祥寺店(㈱リブロ)を訪問し、お店の価値について考えてもらいました。

    今回はその結果をふまえ、パルコブックセンター吉祥寺店への提案を2組に分かれてプレゼン対決! ㈱リブロで営業推進を担当なさっている野上部長、梅影マネージャーのお二人に発表を聞いていただき、どちらの案が優れているかジャッジしてもらってきました!

     

    判定してくださったのはこちらのお二人

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    (写真左)野上由人 株式会社リブロ 営業推進部 部長
    (写真右)梅影卓哉 株式会社リブロ 営業推進部 営業総括マネージャー

     

    1組目のプレゼンは「書店員と常連客が作るマップ」

    最初のペアは書店営業担当の松本くんと、PRプランナーの石川さん。テーマは「パルコブックセンターが教える『本屋の歩き方』」です。

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    まず2人は、お店を訪れた際に3つの気づきを得ました。

    ① 本の空間を楽しんでいる人が来店している。
    =欲しい本をピンポイントで買うよりも、何となく見ている人が多い。

    ② こだわりが点在している。
    =古墳フェアなどの、ちょっと変わった特集が多い。

    ③ 地下にある。
    =通りすがりではなく、来店するにはわざわざエスカレーターを降りる必要がある。

    さらに同世代の男女にインタビューを実施。「自分たちにとって、本屋ってどういう場所?」と質問したところ、暇つぶしや、新しい発見を得るために本屋に行きたいという気持ちがあることが分かったそうです。また本当は「90分くらい滞在したい!」と思っているという、驚きの報告も得られました。

    しかし実際には「20分くらい経ったところでお店を出てしまう」という結果になっています。2人は「どうしてそんなギャップが生まれるのだろう?」と考え、「立ち読みすることへの罪悪感」と「興味のあるエリアにしか行かないこと」が原因だと推察しました。

    そこで、「書店員や常連客がお店の見てほしいポイントをマップにする」という企画を提案することにしました。

    ▼詳しくはこちらのスライドをどうぞ!(一部、掲載のために変更を加えています)

    【ほんのひきだし】 パルコブックセンター吉祥寺店プロモーション企画 from honnohikidashi

     

    2組目のプレゼンは「絵本」と「恋人」がキーワード

    次のペアは児童書仕入担当の齋藤くんと、リサーチャーの加藤さん。テーマは「絵本で恋人の絆をつくる本屋」です。

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    こちらの2人は書店ではなく「吉祥寺」という場所から価値を考えていました。吉祥寺について周りの友達にヒアリングを行ったところ、3つのことが分かったのだそうです。

    ① 若者にとって、吉祥寺は「デートの街」
    =井の頭公園などがあり自然も豊かなので、カップルらしいデートができる。

    ② 吉祥寺デートには、必ず“街ぶら”タイムがある。
    =メインのデート場所やカフェ、夕食のお店は調べるが、それぞれの間に何をするかが決まっていない。

    ③ “街ぶら”吉祥寺デートを成功させるには、ふらりと入れる“寄り店”が必要
    =(②の内容から)「決めた店」の合間にグダグダしてしまうことで、彼女が不機嫌になってしまった人も!

    2人が提案したのは、パルコブックセンター吉祥寺店を”寄り店”にするための企画。

    ではどうしたら「デートで本屋」を実現できるのか? それを考えているとき、2人はお店を視察したときのことを思い起こしたそうです。

    今回の企画で初めて出会った新入社員の4人。視察のときで会うのは2回目だったわけですが、絵本コーナーを見ていたときに会話が盛り上がったのだそうです。短時間で読めて、2人で同じページを見られる、子どものときのエピソードなども話せるということで、距離が縮まったとのこと。このような体験を踏まえて、絵本をキーに恋人たちが楽しめるような空間を提案しました。

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    ▼詳しくはこちらのスライドをどうぞ!(一部、掲載のために変更を加えています)

    【ほんのひきだし】若者が考える「吉祥寺に来たら、寄りたくなる本屋」 from honnohikidashi

     

    それでは講評していただきましょう!

    野上部長と梅影マネージャーのお二人には、どちらか一つの企画を選ぶようお願いしていました。さて、どちらの企画が選ばれるのでしょうか?

    梅影:どちらもよいご提案だったのですが、書店員の立場から考えて「いいな」と思ったのは、1つ目の案です。他社も「立ち読み大歓迎」とは打ち出していませんので、斬新な発想だなと思いました。また提案の中に「お店を回遊してもらう」とありましたが、お店としては全体を見てもらって、欲しいものを買ってもらえるのが理想です。そこを提案してくださったのがよかったと思います。
    2つ目の提案も「空間を作って、満足していただく」というコンセプトが面白かったのですが、ターゲットがカップルということで、ピンポイントでしたよね。どちらかを選ぶとなると、お客様全体のことを考えてくれた1つ目の案を選びます。

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    野上:どちらかを決めるということだったので、やっぱり私も最初の案を選びます。実はリブロって、もともと立ち読みは大歓迎なんですよ。

    全員:えっ! そうなんですか!?

    野上:そうなんです。また梅影も言っていたように、私たち書店員は売り場の色んなところを見てほしいと思っています。そういう気持ちはあるのに、現実にはなかなか見てもらえていません。1つ目の案は、そういう私たちが「こうなってくれたらいいのに」と思っていることを実現してくれるプロモーション方法だったと思います。

    書店員になるような人ってもともと書店好きが多いので、「本屋の使い方なんて分かってるだろう」と思いがちなんですよ。でも実際には分からないお客様もいらっしゃると思うんです。なので「本屋の歩き方」ガイドを用意するというアイデアはいいなと思いました。考えてみると、大きなショッピングセンターには必ず売り場ガイドがありますしね。言われてみれば、やればいいのにやってこなかったなと。

    絵本の企画は提案いただいた空間がとても素敵だったので、否定するつもりは全く無いです。ただ、比較したときに何が違ったかというと、対象となるお客様の数にかなり差があるんです。「そもそも吉祥寺にデートしに来ている人ってどれくらいいるの?」「デートのときに本屋に寄りたいと思う人は?」「絵本が好きな人は?」と掛け算したときに、一体どれくらいの方がターゲットになるのかと思うと、心もとなさがありました。

     

    プレゼンしてみた感想は?

    加藤:改めて本屋さんの価値を考えられて、よかったです。売り場を注意深く見ると、普段は気づかないような書店員さんの工夫も見つけることができたのですが、それがアピールされていないのはもったいないなと思いました。今回私たちが考えたような企画が実現されて、書店員さんのこだわりがお客様に伝わると嬉しいです。

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    石川:企画を考える上では、本屋さんの概念を「がらっと」変えるようなことを提案できないかなと話したんです。それで立ち読みの話を入れたんですが、タブーじゃなかったんですね(笑)。「本屋さんの常連客がマップを作る」というのは、提案内容の中でも特に押し出したい点でした。書店員さんが選ぶ企画は「本屋大賞」などいろいろありますが、常連客が関与するような企画は見かけたことがないので、やってみたかったんです。図書館などにある「リクエストシート」をさらに面白くするのが理想でした。

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    岡田:常連客の声を冊子にまとめるようなワークショップがあるといいですよね。プロセスもプロモーションにしてしまうというか。

    松本:実はどちらの案も、もともとは4人全員で考えていたので、ご意見をいただけて嬉しかったです。個人的には絵本の案がいいなと思っていたんですが、野上さんと梅影さんの講評を聞いて、書店員さんの思いを全然分かっていなかったなと思いました。お客様にお店をどう見てほしいかなど、書店員さんからご意見を伺いながら、これからの仕事に活かしていきたいと思いました。

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    齋藤:私は仕入担当なので出版社の方とはよくお話しさせていただくのですが、書店の方とお話しする機会はないので、こんな機会をいただけて嬉しかったです。児童書を担当していることもあって、今回は絵本の切り口からご提案したのですが、「ターゲットがピンポイントすぎる」というご指摘はそのとおりだなと思いました。でも、また絵本の新たな切り口を考えて、児童書の仕入担当としてご提案したいです!

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    野上:一般的に書店は、自己アピールが下手だと言われています。本をきちんと並べて、セルフサービスで放っておくのが一番いいと思っているんですよね。それって、本が好きな人は自分たちで選べるからだと思うんです。とはいえ、それでうまくいっているわけではないので、変えなくてはいけないと感じています。今回のご提案はどちらも書店員からは出てこないような内容だったと思います。ありがとうございました!

    ***

    ということで、今回の勝者は「パルコブックセンターが教える『本屋の歩き方』」チームとなりました! 新入社員とは思えない立派なプレゼンに、岡田先生共々驚いてしまいました。ご協力いただいた皆さま、どうもありがとうございました。

    〈今回ご協力いただいたお店はこちら〉
    パルコブックセンター吉祥寺店(Tel.0422-21-8122)
    住所:〒180-8520 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-5-1 吉祥寺パルコ地下2階
    営業時間:10:00~21:00
    アクセス:JR吉祥寺駅北口より徒歩4分
    http://www.libro.jp/shop/tokyo/pbc-kichijoji.php


    〈教科書はこちら〉

    お客様を買う気にさせる「価値」の見つけ方
    著者:岡田庄生
    発売日:2015年02月
    発行所:KADOKAWA
    価格:1,404円(税込)
    ISBNコード:9784046011213
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