上下巻イッキ読み推奨!脱出系SFミステリーの隠れた傑作『百万畳ラビリンス』を読め

2016年02月18日
楽しむ
芝原 克也(日販 販売企画G)
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今回ご紹介する漫画『百万畳ラビリンス』(たかみち/少年画報社)は、2015年8月10日に上下巻同時発売された作品です。

百万畳ラビリンス 上
著者:たかみち
発売日:2015年08月
発行所:少年画報社
価格:734円(税込)
ISBNコード:9784785956011
百万畳ラビリンス 下
著者:たかみち
発売日:2015年08月
発行所:少年画報社
価格:734円(税込)
ISBNコード:9784785956028

アニメ化されるでも、続編が発表されたわけでもない漫画を、なぜ発売から半年も経った今紹介するのか。それにはこんな理由があります。

 

「こんな面白い漫画を見落としていたのか!!」

私が『百万畳ラビリンス』に出合ったのは、2015年も押し詰まった頃。ここ数年恒例となっている「俺マンガ大賞」(今年読んだおすすめ漫画をハッシュタグを付けて共有するtwitter上の企画)で『百万畳ラビリンス』を挙げている人が多いのが目に付き、未読だった私はどうしても気になって、書店に買いに走りました。しかし『百万畳ラビリンス』を置いてある書店はなかなか見つからず、結局3軒ハシゴしてようやく手に入れることができました。

「こんな面白い漫画を見落としていたのか!!」

時間が経つのも忘れて『百万畳ラビリンス』の世界に没頭し上下巻を一気読みした私が、現実の世界に戻ったときの感想です。

そして1月10日に発表された「俺マンガ大賞2015」のランキング結果。『ダンジョン飯』『波よ聞いてくれ』『ゴールデンカムイ』『恋は雨上がりのように』『町田くんの世界』といった『このマンガがすごい』(宝島社)でも上位を獲得していた名だたるヒット作に次いで、『百万畳ラビリンス』は第6位にランクインしていました。

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コミックの仕入担当である私はすぐに少年画報社へ連絡し、担当の方に『百万畳ラビリンス』をまとまった部数重版するようお願いしました。幸いなことにすぐに増刷を快諾してくださり、おかげで2月中旬には重版が投入されて『百万畳ラビリンス』が書店で手に入りやすい環境が整うことになりました。それで今回、紹介記事を書くことにしたのです。

 

『百万畳ラビリンス』ってどんな漫画?

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『百万畳ラビリンス』の主人公は、ゲームが大好きな女子大生の礼香(右)と、ルームメイトの庸子(左)。2人はゲーム会社の所有するアパートでルームシェアしながら、開発中のゲームをプレイしてバグ(不具合)を探すアルバイトをしています。そんな2人がある日突然、行けども行けども畳の和室が続く、木造ボロアパートの迷宮に迷い込みます。

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▼ラビリンスの外観。見慣れた日常のパーツで構成された、見たことのない世界。

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▼外には見渡す限り樹海が広がっています。

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▼木造ボロアパートの迷宮に突然現れた、永遠に続く螺旋階段。空間さえ歪んでいるのでしょうか。

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▼部屋を食い潰しながら進む、物騒なモンスターも現れます。さながら「リアルパックマン」といったところ。

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▼かと思えば、こんなモンスターも……。正体は一体何なのでしょう?

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ここはいったいどこなのか? 脱出することはできるのか? 現実世界ではゲームしか能のないコミュ障の礼香と、しっかり者で現実主義な庸子のやや緊張感のない脱出ゲームが始まります。

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▼非現実的な世界で礼香のゲーム脳が冴えわたる……!?
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『百万畳ラビリンス』の売れ行きは?

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こちらのグラフは『百万畳ラビリンス』累計売上冊数の推移です。通常であればコミックは、発売から1か月もすれば新規購入者がいなくなり、グラフの折れ線は横這いになります。

「コミックは初速が肝心」「コミックは初動が勝負」は本当なのか?

しかし『百万畳ラビリンス』はご覧のとおり新規購入者が増え続けており、累計売上冊数がずっと伸びています。初版でも重版でもそれほど大きい部数が刷られていないにも関わらずです。これは『百万畳ラビリンス』の面白さに気が付いている書店員さんが、売れるたびに補充を繰り返して売り場で展開している証拠ともいえます。そして過去の経験上、目利きの書店員さんに愛され続けてこのような売れ方をするコミックは、絶対面白いのです!

ちなみに『百万畳ラビリンス』は、書店員さんも選者に加わっている「マンガ大賞2016」のノミネート作品(1月16日発表)にもなっています。

***

『百万畳ラビリンス』はゲーム好きの方、特に脱出ゲームが好きな方には絶対おすすめです。しかし、読者をそこだけに縛ってしまうのは非常にもったいない! もちろん、誰でも楽しめる作品というわけではありません。ただ『百万畳ラビリンス』を「超面白い!」と思うであろう人が実はもっともっとたくさんいるのに、まだその人たちに『百万畳ラビリンス』の存在と情報が十分届いていないと私は思うのです。

物語の主軸要素は「SF」「ミステリー」「サスペンス」ですが、テンポのよいコメディタッチの展開や舞台となっている廃墟、主人公2人のコンビネーションなど、『百万畳ラビリンス』にはたくさんのフックが仕掛けられています。通常なら購入者分析データをお見せするところですが、それによって自分が『百万畳ラビリンス』の読者対象ではないと思われるのは本意でないので、あえて今回は秘密にしておきます。

ちなみに『百万畳ラビリンス』は上下巻で完結しているのですが、上巻と下巻の売上冊数はほぼ同じ。つまり上巻を買った人は、ほぼ必ず下巻も買っているということです。

上巻では「奇天烈な世界を舞台にした、お気楽な2人による脱出ゲーム」として話は始まりますが、物語は次第に厚みを増していき、先の読めない展開に夢中になります。本当に完成度の高い物語です。上巻だけ買って帰ると後で続きを読みたくて身悶えすることになるので、『百万畳ラビリンス』に関しては上下巻一気買いを強く推奨します!!

ハラハラドキドキしながら最後まで駆け抜けた後には、上質なサスペンス映画を1本見終わったときのような満足感がありますよ。

百万畳ラビリンス 上
著者:たかみち
発売日:2015年08月
発行所:少年画報社
価格:734円(税込)
ISBNコード:9784785956011
百万畳ラビリンス 下
著者:たかみち
発売日:2015年08月
発行所:少年画報社
価格:734円(税込)
ISBNコード:9784785956028

〉こちらから試し読みできます
https://comic.pixiv.net/viewer/stories/4873

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