• お正月といえば「駅伝」!元長距離ランナーが選んだ胸が熱くなる駅伝小説3選

    2016年01月01日
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    仕入窓口のさっかー小僧(日販 仕入部)
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    あけましておめでとうございます。新年明けてすぐに行われるスポーツといえば、ニューイヤー駅伝と箱根駅伝ですね! ニューイヤー駅伝は社会人ナンバーワンを決める日本の駅伝の最高峰、箱根駅伝は国内スポーツの中でもトップクラスの人気を誇る、正月イベントの定番です。

    今回は元長距離ランナーである筆者の視点から選んだ、胸が熱くなる駅伝小説を3つご紹介します。

    ***

    1冊目:『風が強く吹いている』(三浦しをん/新潮社)

    風が強く吹いている
    著者:三浦しをん
    発売日:2009年07月
    発行所:新潮社
    価格:961円(税込)
    ISBNコード:9784101167589

    三浦しをんさんの『風が強く吹いている』は、私にとって“生涯の一冊”というべき傑作です。未経験者を10人集めて箱根駅伝を目指すというストーリーは、荒唐無稽ながら、読み進めていくうちに彼らを応援せずにはいられなくなります。メンバーが10人ともそれぞれに非常に魅力的で、箱根駅伝本番を迎えたシーンでは、全区間で泣いてしまうほどでした。

    個人的に印象に残っているのは、6区の場面。下りの勢いで、走者のユキは普段自分が走れないようなスピードで走りながらこんなふうに思います。

    「こんな速度で走ることを許されたら、確かに耽溺してしまう。もっと速く、もっとうつくしい瞬間の世界を見てみたい」

    そしてそのあと、その世界を「うつくしい場所だけど、さびしくて静かだ」といいます。私はもちろん、おそらくほとんどのランナーが望んでも到達できない世界を、この一連の文章で見ることができるのです。

    *

    2冊目:『チーム』(堂場瞬一/実業之日本社)

    チーム
    著者:堂場瞬一
    発売日:2010年12月
    発行所:実業之日本社
    価格:741円(税込)
    ISBNコード:9784408550237

    駅伝の魅力の一つは、苦楽を共にしてきた仲間でタスキを繋いでいくことにあります。しかし『チーム』に登場するのは、箱根駅伝を逃した大学から予選で好タイムを出した選手を選んで作った、いわば敗者の寄せ集め。この「学連選抜」という特殊なチームを題材に、共に箱根駅伝を目指してきた仲間を残して出場することへの葛藤やチームをまとめる苦悩、一人のランナーとして記録にこだわる姿勢などが描かれます。果たしてメンバーは、何のためにタスキを繋ぐのでしょうか? 続編の『ヒート』『チームⅡ』も要チェックです。

    『チーム』は堂場瞬一さんご自身も「初めて堂場作品を読む方におすすめの本」に選出している作品です!
    〈祝・100冊!〉堂場瞬一本人が選ぶ「初めて触れるならこの一冊」

    *

    3冊目:『あと少し、もう少し』(瀬尾まいこ/新潮社)

    あと少し、もう少し
    著者:瀬尾まいこ
    発売日:2015年04月
    発行所:新潮社
    価格:637円(税込)
    ISBNコード:9784101297736

    最後に紹介するのは、瀬尾まいこさんの『あと少し、もう少し』。駅伝という競技の特徴を利用した構成になっていて、6人の登場人物が区間ごとに回想され、次のメンバーへと繋がっていきます。作中でいい活躍をしているのが、顧問の上原先生。陸上部の名物顧問に代わってやってきた美術教師で、皆から頼りないと思われているのですが、彼女がチームの成長を見守る大人として物語に深みを与えています。青春小説ではありますが、大人になった今こそ読みたい一冊です。

    ***

    チームで繋ぐタスキには、一緒に過ごしてきた仲間との濃密な時間が汗とともに染み込んでいます。だからこそ駅伝にはドラマがあるのです。ぜひ小説でも、駅伝の魅力をじっくり味わってみてください。

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