• とことん絶望せよ。絶望の裏に希望あり。『太宰治の絶望語録』

    2019年01月11日
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    日販 書籍仕入課 学参辞典担当 阿倉
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    最近、絶望を感じたことはありますか? 絶望とは「望みのたえること。希望を全く失うこと。」(広辞苑より)を意味します。

    ポジティブワードが溢れる世の中ですが、頑張りすぎる現代人にとっては「希望を持て! 頑張れ!」という鼓舞がまぶしすぎる時もあるのではないでしょうか。

    たまには、まぶしいことから目を背けてダウナーな気分に浸りたい……。そんな時におすすめの本がこちら、『太宰治の絶望語録』です。

    太宰治の絶望語録
    著者:太宰治 豊岡昭彦
    発売日:2018年11月
    発行所:WAVE出版
    価格:1,620円(税込)
    ISBNコード:9784866211794

    苦悩多き人生を生き、絶望を語らせれば右に出る者はいないとも言える太宰治の作中から、選りすぐりの言葉を収録。

    今回はその中からいくつかの言葉をご紹介します。

     

    生きるって大変!

    「生活とは何ですか。」
    「わびしさを堪える事です。」

    (『かすかな声』より)

    生きている事。ああ、それは、何というやりきれない息もたえだえの大事業であろうか。

    (『斜陽』より)

    生きてゆくから、叱らないで下さい。

    (『狂言の神』より)

    結婚や出産、作家としての成功の一方で、乱れた私生活、数回にわたる自殺未遂などを経ながらも作品を生み続けた太宰治の苦悩が綴られています。

    太宰治の人生と自分の人生に重なる部分が無くても、意外と共感できませんか?

     

    男と女はいつの世も、むつかしい

    おれをこんな無口な男にさせたのは、お前です。
    夕食の時の世間話なんて、たいていは近所の人の品評ぢやないか。悪口ぢやないか。

    (『舌切雀』より)

    以後、女は、よそうと思った。

    (『思想の敗北』より)

    人生は、決して興奮の舞踏の連続ではありません。
    白々しく興覚めの宿命の中に寝起きしているばかりであります。

    (『ろまん燈籠』より)

    豊かな表現の中に、愛憎の混ざった絶望と、ある種の生活感を感じる言葉たち。自分のことかしら、と思う一節がどこかにあります。

     

    絶望ばっかりしてられない! と焦る時にぜひ読んでほしい

    100年以上前に生まれた文豪の絶望の数々、いかがでしたでしょうか。内容もさることながら、言葉選びの面白さを改めて感じることができます。

    紹介しきれない名言がたくさん詰まっています。いまのあなたに合った言葉があるかもしれません。

    まだまだ自分のことで一ぱいである。
    怒り、悲しみ、笑い、身悶えして、一日一日を送っている始末である。
    やはり、三十一歳は、三十一歳だけのことしかないのである。

    (『懶惰の歌留多(らんだのかるた)』より)

    望みがあるから絶望があります。絶望に浸ればおのずと希望が見えてくる、かもしれません。

    極上の絶望をぜひ。

    太宰治の絶望語録
    著者:太宰治 豊岡昭彦
    発売日:2018年11月
    発行所:WAVE出版
    価格:1,620円(税込)
    ISBNコード:9784866211794

    ▼あわせて読みたい『太宰治全集』はこちら

    太宰治全集 1
    著者:太宰治
    発売日:1988年08月
    発行所:筑摩書房
    価格:1,026円(税込)
    ISBNコード:9784480022516

     

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