• 震災から“生き残った”男が探す生の答えとは―天童荒太『ムーンナイト・ダイバー』文庫化

    2019年01月04日
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    ほんのひきだし編集部 
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    1月4日(金)、天童荒太さんによる『ムーンナイト・ダイバー』の文庫版が文藝春秋より発売されました。

    ムーンナイト・ダイバー
    著者:天童荒太
    発売日:2019年01月
    発行所:文藝春秋
    価格:691円(税込)
    ISBNコード:9784167912055

    本書は、東日本大震災から4年半後の福島を舞台に、立入禁止の海域に潜り、犠牲者の遺品を回収するダイバーが主人公の物語です。

    震災から4年半が経った地で、深夜に海に潜り、被災者たちの遺留品を回収するダイバーがいた。男の名前は瀬奈舟作。金品が目当てではなく、大切な家族や恋人を亡くした人々のために、ボランティアに近い形で行なっている。ただし、無用なトラブルを避けるため、ダイバーと遺族が直接連絡を取り合うことは禁じられていた。

    ある日、舟作の前に透子という美しい女性が現れる。彼女も遺族の一人だったが、なぜか亡くなった自分の夫の遺品を探さないでほしい、と言う――。

    〈文藝春秋BOOKS『ムーンナイト・ダイバー』より〉

    著者が実際に福島の原発避難区域にも足を運び、取材したうえで書かれたという本作。

    これまでも『永遠の仔』や『悼む人』など、傷ついた人の心と痛みに寄り添う作品を生み出してきた天童さんですが、本作では「サバイバーズ・ギルト(生存者の罪悪感)」をひとつのテーマに、彼らが「生きていく」ことに向き合うまでの姿を描いています。

    巻末には、書き下ろしエッセイ「失われた命への誠実な祈り」を収録。忘れてはならない悲しみと、生命の尊さ、輝きがつまった一冊です。

     

    『ムーンナイト・ダイバー』刊行時のインタビューはこちら

    3.11から時を経るにつれて、変わっていく社会のありように疑問を感じ、本作を執筆したという天童さん。

    そこには、悲しみにくれる人々としっかりと向き合うことのできる、「小説ならではの力」への揺るぎない確信があったそうです。

    2016年1月のインタビューでは、本作の取材や創作の過程から、登場人物たちに託した思い、本作の「裏テーマ」についてまで、天童さんにお聞きしています。

    『永遠の仔』『悼む人』の天童荒太さんが、3.11後の福島を舞台に描く、生への祈りの物語

     

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