• おおきな木 特装版

    村上春樹訳の世界的名作『おおきな木』“特装版”が制作

    2018年11月12日
    楽しむ
    清水香理
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    成長していく少年と、1本のりんごの木の物語を描いたベストセラー絵本『おおきな木』。同作の“特装版”がこのたび制作され、11月12日(月)から先行発売が始まります。

    この“特装版”は出版社ではなく、とあるプロジェクトチームの発案によって作られている点でも特徴的です。

    今回はその一員である清水香理さんに、制作のきっかけや想いを綴っていただきました。

     

    大切な人に贈りたい。懐かしくて新しい絵本ができました。

    『おおきな木』という絵本をご存じですか?

    アメリカの作家 シェル・シルヴァスタイン作・絵、本国アメリカでは1964年に出版されたこの絵本。現在38か国で販売、累計売上部数900万部超という世界中で愛されている名著で、村上春樹氏による邦訳版は、2010年に刊行されました。

    きっと「読んだことがある」という方も多いでしょうし、ひょっとすると「すでに持っている」という方もいらっしゃるかもしれません。

    そんな『おおきな木』から、このたび【ギフト用の特別な装丁】でデザインされた本が誕生しました。

    これは、日本で通常版を販売しているあすなろ書房様にご協力いただき、アメリカにあるシェル・シルヴァスタイン氏の著作権を管理するエージェントと村上春樹氏に許可をいただいて実現したものです。

     

    なぜ絵本の「特装版」を作ったのか?

    外出先で、おじいさんが孫に絵本をプレゼントしている場面を見かけました。

    絵本をもらったお子さんは嬉しそうな顔ではなく、なぜか困り顔。

    そうです、その子はもらった絵本と同じものをすでに持っていたのです。

    このような出来事は、きっと世の中でたくさん起こっているはず! そのような気まずい場面を少しでも減らすことはできないか……という想いから、この特装版『おおきな木』は生まれました。

    特装版と通常版、中身は同じです。でも装丁を少し豪華にデザインし直すことにより、その本は思い出に残る、特別な一冊になります。

    部屋にそのまま飾ればインテリアの一部にもなりますし、ふとその絵本が目に入ったとき、きっとプレゼントしてくれた人のことを思い出すでしょう。

    絵本をギフト用の特別装丁にデザインすることは、「プレゼントしても被らない」ということのほかにもう一つ意味があります。

    それは、年々状況が厳しくなっている紙の出版物に新たな付加価値を付け、次の世代に残し、繋いでいくということです。

    それはまさに「未来へのプレゼント」です。電子書籍のように、文章をいつでもどこでも楽しめることはとても便利だと思います。場所もとりません。でも、その便利さをいいと思うと同時に、私たちは紙の出版物の持つ温かみやページをめくるときの紙独特の感触も、大切に残していきたいと思っています。

     

    なぜ、『おおきな木』なのか?

    プレゼントとしてどの作品を選ぶか考えたとき、一番大切にしたのは「普遍的なテーマ・内容であり、老若男女問わず本の内容に感情移入できる」ということです。

    小説、エッセイなどさまざまジャンルがあるなかで、絵本には「長い年月をかけてじわじわと売れ続け、ロングセラーとなる」という特徴があります。自分が子どもの頃に読んでいた絵本が、今も小さな子どもたちに支持され、読まれていることが多くあります。

    そしてそのような絵本は、大人になった今読んでもまったく古さを感じさせません。

    それどころか、子どもの頃にはわからなかった新しい解釈ができたりして、本当に奥が深いです。『おおきな木』は、そのような本の代表なのです。

    『おおきな木』のあとがきに、村上春樹氏はこのように記しています。

    あなたはこの木に似ているかもしれません。
    あなたはこの少年に似ているかもしれません。
    それともひょっとして、両方に似ているかもしれません。
    あなたは木であり、また少年であるかもしれません。
    あなたがこの物語の中に何を感じるかは、もちろんあなたの自由です。
    それをあえて言葉にする必要もありません。
    そのために物語というものがあるのです。
    物語は人の心を映す自然の鏡のようなものなのです。

    (村上春樹/訳者あとがきより)

    読者の心情や置かれている状況によって、物語から受ける印象は大きく変わります。

    普段絵本は手に取らないという方にも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

     

    最後に……

    宝島の海賊たちが盗んだ財宝よりも、本には多くの宝が眠っている。
    そして、何よりも、宝を毎日味わうことができるのだ。

    There is more treasure in books than in all the pirates’ loot on Treasure Island and best of all, you can enjoy these riches everyday of your life.

    これはウォルト・ディズニーの言葉です。

    本のなかで私たちはさまざまな体験をし、考え、成長します。

    本は人生を豊かにするツールです。いつでもどこでも気軽に本を楽しむには、電子書籍のほうが向いています。でも、ずっと大切にしていきたい本、何度も読み返したい本は、きっと紙に印刷された本なのではないでしょうか?

    大事な人に、いつも頑張っている自分に、宝物(本)をプレゼントしませんか?

    (文=清水香理)

    11月12日(月)~2019年1月30日(水)、クラウドファンディングサイト「Makuake」にて先行販売を行ないます。先行販売では、特装版『大きな木』を通常よりお得な価格で販売します。

    https://www.makuake.com/project/ss9/

    ※お届けは12月以降

    特装版『おおきな木』プロジェクトチームについて
    “本の虫”で、以前から本にまつわる活動をライフワークとしてきたミツフジ株式会社代表取締役社長の三寺歩氏と、かつて三寺氏がオーナーをしていた渋谷の書斎バーで“本のソムリエ”として働いていたフリーライターの清水香理氏、またそれに賛同したメンバーによって構成されたプロジェクトチーム。くわしい発足の経緯は「Makuake」で読むことができます。




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