シュールな作風で圧倒的存在感! 鈴木のりたけ『ケチャップマン』が復刊

2015年11月19日
楽しむ
江川智之(日販 仕入部)
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絵本界を賑わすジャンルの一つに「ナンセンス絵本」というものがあります。斬新な登場人物や予想できないストーリー、繰り広げられる不思議な言動……。一度読んだら忘れられないほど子どもにも大人にも強烈な印象を残すのが、ナンセンス絵本です。

なかでも食べ物を主人公にしたいわゆる“食べ物系ナンセンス絵本”には名作(迷作?)が多く、岡田よしたかさんの『ちくわのわーさん』や続刊『うどんのうーやん』(ともにブロンズ新社刊)はインターネット上で大きな話題となり、このジャンルの存在を一気にメジャーに押し上げました。

ちくわのわーさん
著者:岡田よしたか
発売日:2011年10月
発行所:ブロンズ新社
価格:1,058円(税込)
ISBNコード:9784893095282

うどんのうーやん
著者:岡田よしたか
発売日:2012年08月
発行所:ブロンズ新社
価格:1,058円(税込)
ISBNコード:9784893095503

今回はそんな“食べ物系ナンセンス絵本”から、今年11月に復刊された鈴木のりたけさんのデビュー作『ケチャップマン』をご紹介します。

ケチャップマン
著者:鈴木のりたけ
発売日:2015年11月
発行所:ブロンズ新社
価格:1,058円(税込)
ISBNコード:9784893096104

彼の名前は、ケチャップマン。押せば出てくる、真っ赤なケチャップ。自分にしかできない何かをさがして、毎日なやむケチャップマン。ポテトフライの専門店で、ひたすらポテトをあげる日々。ある日突然、トメイト博士があらわれて……。
(出典:ブロンズ新社『ケチャップマン』http://www.bronze.co.jp/books/post-116/

著者・鈴木のりたけさんは、「しごとば」シリーズ(ブロンズ新社)や、『ぼくのふとん』『ぼくのおふろ』をはじめとする「ぼくの」シリーズ(PHP研究所)、『おしりをしりたい』(小学館)などでお馴染みの絵本作家です。立体感のある画風はデビュー時から確立されていたようで、この『ケチャップマン』でもケチャップが飛び出す見開きのシーンなどはかなりの迫力。とはいえ彼のデビュー作がこんな作品とは驚きです。

しかしそれ以上に驚きなのは『ちくわのわーさん』が2011年10月刊行であるのに対し、『ケチャップマン』の初版年月が2008年1月であること。なんと『ケチャップマン』は、“食べ物系ナンセンス絵本”の代表作『ちくわのわーさん』の3年以上前に刊行されていたのです。

奇抜な作品が多い近年のナンセンス絵本のなかでも輪をかけて衝撃的な内容は、もしかしたら2008年当時の市場には早すぎたのかもしれません。しかし時代が追いついた今なら、きっと多くの読者の心を射止めるはずです。世にでるのが早すぎた絵本『ケチャップマン』、復刊されたこの機会にぜひ手に取ってお楽しみください。

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