• 「生きてるだけで、愛。」公開間近!本谷有希子ワールドを楽しむ映画化作品まとめ

    2018年10月12日
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    ほんのひきだし編集部
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    小説家・劇作家・演出家としてマルチに活躍し、2016年には『異類婚姻譚』が第154回芥川賞を受賞した本谷有希子さん。今年8月には受賞第一作となる短編集『静かに、ねぇ、静かに』が発売され、題名の頭文字でもある「SNS」をモチーフにした“油断ならない内容”で話題になっています。

    そして11月9日(金)には、2006年に刊行された『生きてるだけで、愛。』の映画版が公開!

    クセのあるキャラクターを通して人間の生々しい感情を毒とユーモアたっぷりに描き、その痛々しさと切なさで、中毒になるファンも多い本谷作品。ますます注目を集めること必至のいま、あらためて映画化された作品をチェックしてみましょう!

     

    『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』

    腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
    著者:本谷有希子
    発売日:2007年05月
    発行所:講談社
    価格:484円(税込)
    ISBNコード:9784062757416

    本谷作品における初の映画化作品です。

    「劇団、本谷有希子」第1回公演で上演され人気戯曲としてスタートした本作は、2005年に小説として出版され、第18回三島由紀夫賞候補に選ばれたことでも話題に。そして2007年、のちに「桐島、部活やめるってよ」(2012年)や「紙の月」(2014年)で注目を集めることになる吉田大八監督の手で映画化されました。

    原作のエッセンスそのままに描かれるのは、女優志望の“勘違い女”(佐藤江梨子)を主人公に、彼女を題材にホラー漫画を描いたことで恨みを買う妹(佐津川愛美)、家族の秘密に翻弄される兄(永瀬正敏)、お人好しすぎる妻(永作博美)らが絡み合う、まさに一触即発の人間模様。

    赤裸々かつブラックユーモア全開のドラマは、「これぞ本谷有希子!」な魅力満載! 原作ファンも未読の方も必見の一本です。

    映画「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」(2007年)
    監督・脚本:吉田大八
    出演:佐藤江梨子、佐津川愛美、永瀬正敏、永作博美 ほか

     

    『乱暴と待機』

    乱暴と待機
    著者:本谷有希子
    発売日:2010年08月
    発行所:メディアファクトリー
    価格:596円(税込)
    ISBNコード:9784840134996

    こちらももとは戯曲として書かれた作品。「劇団、本谷有希子」での公演を経て小説化、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』に続く2本目の映画化作品となりました。メガホンをとったのは、太宰治の小説を映画化した「パンドラの匣」(2009年)や、魚喃キリコさんの人気漫画を原作とした「南瓜とマヨネーズ」(2017年)などで知られる冨永昌敬監督です。

    メインキャラクターは、兄妹のふりをし、さらに「天井裏から覗く/覗かれる」という異常な同居生活を送る英則(浅野忠信)と奈々瀬(美波)。2人の暮らす集合住宅へ、番上(山田孝之)と妊娠中の妻・あずさ(小池栄子)が引っ越してくることから物語が動き出します。

    英則が奈々瀬と同居する理由、学生時代に生まれた奈々瀬とあずさの因縁と、引っ越しによる2人の偶然の再会。そして番上と奈々瀬の急接近……。

    愛憎交わる奇妙な群像劇が怒涛のように繰り広げられるのも、本谷ワールドの大きな魅力のひとつ。小説はもちろんですが、豪華キャストが集結した映画版も見逃せません!

    映画「乱暴と待機」(2010年)
    監督・脚本・編集:冨永昌敬
    出演:浅野忠信、美波、小池栄子、山田孝之 ほか

     

    『生きてるだけで、愛。』

    生きてるだけで、愛。
    著者:本谷有希子
    発売日:2009年03月
    発行所:新潮社
    価格:432円(税込)
    ISBNコード:9784101371719

    『異類婚姻譚』で芥川賞作家となった本谷有希子さんが、かつて初めて芥川賞にノミネートされたのが『生きてるだけで、愛。』。2006年に発表された本作は、第20回三島由紀夫賞の候補にも選ばれ注目を集めました。

    映画化3本目となる本作。ドキュメンタリー映画「太陽の塔」が公開中の関根光才監督が長編デビュー作としてメガホンをとり、“過剰でピュア”な小説の世界を見事に映像化しています。

    ちなみに原作小説の表紙に描かれているのは、葛飾北斎『富嶽三十六景』の「神奈川沖浪裏」。静と動が交錯する一瞬をダイナミックにとらえたこの浮世絵も、本作の重要な要素の一つとして登場します。

    物語のヒロインは、鬱で過眠症で引きこもりの寧子(趣里)。出版社でゴシップの執筆に明け暮れる彼氏の津奈木(菅田将暉)とは、なりゆきで付き合い始めて同棲3年目。

    まっすぐすぎるがゆえにエキセントリックな言動に走るも、今や仕事にも対人関係にも疲れ果てた津奈木はいつも生返事で、まったく張り合いがない……という妙にリアリティのあるカップル像が、観る者を“彼らの生活する日常”に引きずり込みます。

    しかし彼女の日々は、突然津奈木の元カノ・安堂(仲里依紗)が現れたことで一変。寧子は戸惑いますが、彼女によって強制的に外の世界と関わることになり、やがて「“普通”に生きられるようになるかもしれない」「津奈木のことも振り回さず、もっと大切にできるかもしれない」という希望を見出すようになります。

    しかし…………。

    確かに“恋人同士”だった瞬間もあるはずなのに。

    3年も一緒にいるのに。

    他人と関わることの難しさとともに、「ほんの一瞬だとしても分かり合えること」の尊さを描いた本作。映画版では原作よりも津奈木のシーンが増え、さらに新たな描き方が加えられるなど、映画ならではの見どころも盛りだくさんです!

    ちなみに関根監督は「普段からラブストーリーを積極的に読むタイプではない」そうですが、本作の「生きていく中で苦しんだり悲しんだり、四苦八苦しながらもがいて、そこからまた立ち上がっていく」という普遍性に惹かれて映画化を決意したのだとか。

    長編監督デビューながら脚本も担当し、小説発表から10年以上が経った今こそ観るべき作品に仕上げた関根監督の手腕にも注目です!

    映画「生きてるだけで、愛。」(2018年11月9日公開)

    出演:趣里 菅田将暉 田中哲司 西田尚美/松重豊/石橋静河 織田梨沙/仲里依紗

    監督・脚本:関根光才
    製作幹事:ハピネット、スタイルジャム
    企画・制作プロダクション:スタイルジャム
    配給:クロックワークス

    【STORY】生きてるだけで、ほんと疲れる。鬱が招く過眠症のせいで引きこもり状態の寧子と、出版社でゴシップ記事の執筆に明け暮れながら寧子との同棲を続けている津奈木。そこへ津奈木の元カノが現れたことから、寧子は外の世界と関わらざるを得なくなり、二人の関係にも変化が訪れるが……。

    http://ikiai.jp

    公開が3週間後に迫った「生きてるだけで、愛。」はもちろん、これまでの本谷作品・映画版もあわせてチェックしてみてはいかがでしょうか?

    ©2018『生きてるだけで、愛。』製作委員会




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