• スタバ長野県出店15周年 地域への恩返しに「本の寄付募集」を選んだ理由は……

    2018年09月06日
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    日販 ほんのひきだし編集部 浅野
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    読み終わった本や、転居などにともなって手放さなければいけなくなった本。本を処分するとき、みなさんはどのようにしていますか?

    今回は長野県内のスターバックス全店で展開されている、本の寄付をNPO支援につなげる「Book Meets Smile」というプログラムをご紹介します。

    Book Meets Smile
    ・期間:2018年6月27日(水)~9月30日(日)
    http://www.starbucks.co.jp/responsibility/bookmeetssmile/

     

    本の寄付が金銭的支援につながる

    「Book Meets Smile」は、スターバックスコーヒーの長野県出店15周年を記念して実施されている企画です。“地域の一員”として長野県の人々を応援するため、スターバックスと、上田市に本部を置く古本買取の「バリューブックス」、そのほか県内の企業有志が一緒になって取り組んでいます。

    寄付までの流れは
    ①不要になった本を送ると、
    ②バリューブックスがそれらを査定・買取し、
    ③買取額の全額が寄付される というもの。

    「Book Meets Smile」においては上田市にある「NPO法人リベルテ」に全額が寄付され、創作表現活動のための画材購入に活用されます。

    スターバックス店頭に設置された本の回収ボックスや、「Book Meets Smile」のリーフレットの制作などについても長野県内の企業が協力。またリベルテとスターバックスのコラボレーション企画として、スターバックスコーヒー佐久平店では、8月29日(水)まで「Drawing Scape of Drawing Scape of Coffee story コーヒーになる風景」が開催されています。

    「Drawing Scape of Drawing Scape of Coffee story コーヒーになる風景」では、リベルテのアーティストによるライブペイントや似顔絵ワークショップ、おはりこ絵付けワークショップなども開催されました。

     

    〈表現〉と〈居場所〉がテーマ
    リベルテが取り組む“アート・表現を通した障がい者支援”

    NPO法人リベルテは、障害のある人たちに対して“居場所”と“地域のなかでの仕事・活動”を提供する福祉サービスを行なうとともに、障害のある人たちとの文化活動について、地域のなかで展示やイベントを通じて考えるきっかけをつくっている団体です。

    団体名のリベルテ(Liberte)は、“自由”という意味。あたりまえにある個性や自己決定を尊重し、彼らが自分自身の役割や仕事、生きがいを見つけることを目指しています。

    コンセプトは、障害のある人たちと共に「何気ない自由」や「権利」を尊重していける社会や人、関係づくり。

    障害や疾患と共に生きる人を〈創作活動〉を通して支援しており、福祉サービスを利用する皆さんは事業所兼アトリエの「スタジオライト」で、アーティストとして、また地域社会の一員として働いています。

    今回「Book Meets Smile」で集まった寄付金は、彼らがより自由に創作するための画材・素材の購入に充てられます。

    〉NPO法人リベルテについてくわしく取材した記事が、こちらで読めます。
    http://corporate.valuebooks.jp/endpaper/bookmeetssmile/libirte/

     

    各社に聞く「Book Meets Smile」の意義

    約3か月間展開される「Book Meets Smile」。いよいよ残すところ1か月となりましたが、スターバックス、NPO法人リベルテ、バリューブックスの各社はいま、どのような思いを抱いているのでしょうか?

    メールインタビューでお話を伺うことができました。

     

    「地域限定の寄付活動は、全国でも初めて」(スターバックスコーヒー ジャパン)

    ――長野県へのスターバックス出店は、ある長野市民が熱意によって5000人の署名を集め、誘致に成功したのだと伺いました。スターバックス誘致のための市民による署名は、全世界でも初めてだとか。長野県において、スターバックスとはどのようなものと捉えていらっしゃいますか?

    多くのお客様から出店のご要望をいただけたことは非常に嬉しく感じていました。スターバックスは地域とのつながりを大切にしており、それぞれの店舗が地域の皆さんに愛される存在になるように、各店舗がコミュニティ活動を通じて日々関係構築を行なっています。

    地域を愛する長野県の皆様と、地域を大切にするスターバックスの想いが重なり、今日までこられたと感じております。署名という活動を通じてスターバックスへの期待を届けてくださった皆様の期待に、今後も応えていけるよう努力してまいります。

    ――地域への“恩返し”のような活動は、これまでにも取り組まれてきたのでしょうか。

    2018年6月27日に、スターバックスコーヒーは長野出店15周年を迎えました。たくさんの方に支えていただいて今日までこられたことに対して、感謝を伝えるとともに、「これから先は自分たちも地域を支えていく存在になりたい」という思いがストアマネージャーたちにありました。そしてミーティングを重ねていくなかで、より地域に根差した活動にしてくためには、スターバックスの力だけではなく、地域の仲間(企業)の方と共に、コミュニティへ貢献できる取り組みができたらと考えました。

    今回ご縁もあって、フィロソフィーを共有できる長野の企業の方々と出会い、プログラムをスタートすることができました。

    ――寄付先に、リベルテを選ばれた理由についてお聞かせください。

    リベルテさんを寄付先とした理由は、地域社会のなかで誰かのための居場所を作るということ、リベルテさんが誰もが自由に表現できる場であるという価値観に共感したからです。コミュニティ活動の一つとして、スターバックス店舗でリベルテさんによるアート展などを開催しており、お互いを知る機会を得ました。

    スターバックスは多様性を大切にし、誰もが自分の居場所と感じられる文化を大切にしています。ストアマネージャーなどがリベルテさんにお伺いし、繋がりを深めていくなかで、私たちの活動でリベルテさんの笑顔を生みだすサポートができればと寄付先に選ばせていただきました。

    店舗のある地域への日頃の感謝の気持ちを込め、地域をより元気にするために、店舗独自で企画・運営する「コミュニティ コネクション(コミュニティ活動)」は全国で日々行なわれています。ただ、地域を限定した寄付活動は全国で初めてです。

    ――「Book Meets Smile」の活動に対して、いまどのような思いをお持ちですか?

    あらためて地元の企業の方たちと共に取り組み、地域の方を応援できたことは大きな喜びとなりました。

    今回のプログラムは、多くのお客様からもポジティブなお声をいただいています。企業がNPO法人を支援するだけでなく、お客様も一緒に参加することで、お客様自身にも地域の仲間であることを感じていただけたのではないかと思います。

    このプログラムをきっかけとし、地域の方々と一つになって、継続的に長野を盛り上げていく取り組みを行なっていければと考えています。

     

    「Book Meets Smileでの関わりが、地域のなかで“共に生きる”ことにつながる」(NPO法人リベルテ)

    ――設立から6年目に入りましたが、当初からどのような変化がありましたか。

    福祉サービスは、事業開始前の利用契約者1名からスタートしました。現在契約は40名、日々15名の方に通所していただける事業所になってきました。

    一人ひとりの障害は、自身が何を「障害」と感じているかも含め、違います。一般的な価値観での「働く」ということとは少し違うかもしれませんが、絵を描くこと、自分の表現をすること、障害の悩みや生きづらさを話すこと、横になること・なれること……、そうしたことが肯定される場を目指しました。数年から何十年と自宅や病院だけが居場所・いられる場所だったところだった人にとって、リベルテが〈もうひとつの居場所〉になり、街の中のアトリエに自分の意思で通ってこられるようになりました。

    ――リベルテの活動は“地域のなかで”というところにも重点を置いていらっしゃいます。今後の展望についてお聞かせいただきたいです。また今回「Book Meets Smile」に参加したことについては、どのようにお考えでしょうか。

    福祉サービスだけが、メンバーにとっての居場所になってほしくないなと思う半面、「スタジオライト」だから通えているという側面もあります。福祉事業が、登山でいうベースキャンプのような役割になって、メンバーや障害のある人にとって、地域のなかで活動したり仕事をしたりする“ひとつの拠点”となればいいなと思っています。

    7月には、同じ市内にある「犀の角」というゲストハウスの喫茶営業の委託事業も始めました。(今回の)スターバックスコーヒーさんやバリューブックスさんとの関わりのように、地域のなかで障害のある人と共に生きることができるつながりをつくれるよう、リベルテが媒介となっていけたらいいなと思っています。

     

    「“本の寄付”にさらなる可能性・広がりを感じている」(バリューブックス)

    ――今回の企画は、バリューブックスの提供する「チャリボン」の仕組みがベースになっていますよね。これまでにも長野県で取り組んだ事例はありますか?

    寄付先が長野県内の団体であるという事例はいくつかありますが、「チャリボン」の仕組みを活用して長野県内を中心に本を集める取り組みは初めてです。ただ、弊社が上田市で運営している実店舗「BOOKS & CAFE NABO(ネイボ)」では、「FURE FURE BOOKS(フレフレブックス)」というプロジェクト名で、上田市の3つのNPO団体を応援するために地元の方々から店頭で本を集めています。「FURE FURE BOOKS」では買取金額の寄付だけでなく、店内に専用の本棚を設置して、販売もしているんです。その棚から販売できた売上の70%が、寄付にまわる仕組みとなっています。

    今回、スターバックスさんでも初めての地域限定の寄付プログラムということで、その取り組みに参加させてもらうことができてとても嬉しかったです。それに「チャリボン」は通常、郵送でのお申し込みにて受け付けておりますが、今回の「Book Meets Smile」のように、いろいろな場所で本の寄付を募ることにも可能性があると感じています。

    多くの場所に募金箱が設置されているように、本の寄付も、より身近な存在としていろいろな場所で参加できるようになったらいいなと思っています。

    ――今後の展望をお聞かせください。

    長野県上田市に拠点を構えていますが、長野県だけでの活動というよりは、場所にとらわれず、自分たちにできることを純粋に続けていくことが重要だと思っています。

    先日は、西日本豪雨の被災地である広島・岡山に、プレゼントとしてブックバスで本を届けに回ってきました。小さな会社ができることには限界がありますが、これからも本の持つ力を信じ、いろいろな方々と手をとりあいながら、本を集めたり、次につなげたりしていくことができたらいいなと思っています。

    今回ご紹介した「Book Meets Smile」は、9月30日(日)まで展開されています。また記事中でご紹介したゲストハウス「犀の角」や、古書店「BOOKS & CAFE NABO」へもぜひ足を運んでみてください。

    Book Meets Smile
    http://www.starbucks.co.jp/responsibility/bookmeetssmile/

    ゲストハウス & イベントスペース「犀の角」
    ・長野県上田市中央2-11-20
    ・Tel.0268-71-5221(7:30~10:00/16:00~21:30)
    sainotsuno.org

    古本とカフェのある古書店「BOOKS & CAFE NABO」
    ・長野県上田市中央2-14-31
    ・営業時間 10:00~21:00(※火曜日定休)
    ・Tel.0268-75-8935
    www.nabo.jp




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