• トム・ハンクスが小説家デビュー!読書好きでタイプライター偏愛家……“変わったタイプ”な名優の意外な才能

    2018年08月23日
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    日販 ほんのひきだし編集部「新刊展望」担当
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    アカデミー賞主演男優賞を2度、ゴールデン・グローブ賞主演男優賞を4度受賞するなど、アメリカの国民的俳優として知られるトム・ハンクス。彼の初めての小説集となる『変わったタイプ』が、8月24日(金)、新潮社より発売されます。

    果たしてその内容とはどのようなものなのか。昨年10月の原書刊行時に「天性のストーリーテラー」とも評された名優の横顔と作品について、編集を担当した新潮社出版部の前田誠一さんに、文章を寄せていただきました。

    変わったタイプ
    著者:トム・ハンクス 小川高義
    発売日:2018年08月
    発行所:新潮社
    価格:2,592円(税込)
    ISBNコード:9784105901516

     

    世界的名優は、短篇小説の名手でもあった!

    ハリウッドを代表する名優、あのトム・ハンクスが短篇小説集を出したと聞いても、大抵の本好きはちょっと用心して接するのではないかと思います。ややもすると、大御所俳優が「文才があるところも見せたい」と自己顕示的に書いたのでは、と斜に構える人もいるかもしれませんが、1本目に収録されている短篇「へとへとの三週間」を読めば、そんな疑念は吹き飛ばされることでしょう。高校からの同級生アンナと付き合うことになったのんびり屋の僕が、超アクティブな彼女に振り回されて疲労困憊、さらには仲間4人で南極を目指すという愉快な話。肩の力を抜いて気楽に読める、なんとも「風通しのいい」小説です。

    この短篇集には、西部戦線からの帰還兵や、祖国を追われた移民、離婚した父母を行き来する少年などが登場しますが、どの話も派手なストーリーとは対極的。人生のひとコマにおける人間の機微をとらえた、ささやかながら心がほっとさせられる物語なのです。

    読書好きで、古いタイプライターのコレクションが趣味という、ハリウッド俳優としてはいささか「変わったタイプ」のトム・ハンクス。2006年頃から文章をぽつぽつと書き始め、主演した「ユー・ガット・メール」の監督でもある脚本家のノーラ・エフロンに文章指南を受けて技術を磨き、ついに2014年、「アラン・ビーン、ほか四名」が雑誌「ニューヨーカー」に掲載されます。そしてその3年後に本書が刊行されました。それぞれの短篇には、彼が偏愛するタイプライターが必ず登場してきて、なかには「文字を打つこと」が重要なモティーフとなっている作品もあります。

    いまどき誰も使わないタイプライターをなぜ集めるのかと聞かれて、電源もいらずシンプルな機構で、「文字を打つ喜び」をプリミティブに実感できるから、とトム・ハンクスは答えています。これに則していえば、本書に収録された17篇は、「小説を書くことの喜び」に満ちているように感じられます。61歳にしてデビューとなった、フレッシュな短篇小説集をぜひお手にとってみてください。

    新潮社出版部 文芸第一編集部 前田誠一

    変わったタイプ
    著者:トム・ハンクス 小川高義
    発売日:2018年08月
    発行所:新潮社
    価格:2,592円(税込)
    ISBNコード:9784105901516

    月旅行を目指す高校からの四人組。西部戦線帰還兵のクリスマス。変わり者の億万長者とその忠実な秘書。男と別れたばかりの女がつい買ったタイプライター。ボウリングでセレブに上り詰めた男――。「良きアメリカの優しさとユーモアにあふれる短篇集」と各紙で賞賛された、人生のひとコマをオムニバス映画のように紡ぐ17の物語。

    新潮社 公式サイト『変わったタイプ』より〉


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