• 「RTされるエロ」を目指した「土下座で頼んでみた」シリーズ:ふなつかずきインタビュー【後編】

    2018年06月20日
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    日販 ほんのひきだし編集部 芝原
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    高い画力とかわいい女性キャラクター、サービスシーン満載の作風で人気を集めている漫画家のふなつかずきさん。最新作『すんどめ!!ミルキーウェイ』第4巻の発売を記念して行なわれるトークショーの“前哨戦”として、イベントで司会をつとめる書店員の栗俣力也さんとの特別対談を、ほんのひきだしが単独取材しました。

    今回お届けするのは、特別対談の後半。Twitterでの爆発的な拡散によって同人誌化、電子書籍化、そして単行本化と発展していった、「土下座で頼んでみた」シリーズについて伺います。

    特別対談 前編はこちら
    エロコメの名手は巨乳が苦手?!『すんどめ!!ミルキーウェイ』ふなつかずきインタビュー【前編】

    ▼『すんどめ!!ミルキーウェイ』第4巻は、6月19日(火)より発売中です!

    すんどめ!!ミルキーウェイ 4
    著者:ふなつかずき
    発売日:2018年06月
    発行所:集英社
    価格:583円(税込)
    ISBNコード:9784088910581

    「ふなつかずきトークショー」の詳細はこちら ※7月26日(木)開催

     

    「RTされるエロ」を目指した「土下座で頼んでみた」シリーズ

    栗俣:『すんどめ!!ミルキーウェイ』も相当な人気ですが、Twitterで公開されている「土下座で頼んでみた」シリーズもかなりの反響を呼んでいますよね。いろんな女の子に土下座してエッチなことをお願いするというコンセプトのシリーズですが、これはどんな経緯で始まったんですか?

    土下座で頼んでみた
    著者:ふなつかずき
    発売日:2018年03月
    発行所:KADOKAWA
    価格:994円(税込)
    ISBNコード:9784040696928

    ふなつ:これは……なんだろう、趣味というか、本当に“息抜き”という感じで始めました。もともと僕がTwitterに投稿していたのは⽐較的エロい絵が多かったんですが、そういうイラストって、「いいね」はされるけどリツイートは伸びないんですよ。自分のフォロワーさんに「こんなの⾒てるんだ」って思われたくないからだと思うんですが。リツイートが多いからって何かあるわけではないんですけど、単純にうれしいじゃないですか。また描こうって思ったりもしますしね。

    栗俣:なるほど。

    ふなつ:それである日「どうやったらリツイートが伸びるんだろう」ってスタッフと話していたときに、「エロいのが伸びないなら寸前で止めたらどうか」と思いついたんです。最初に投稿したのはこの「土下座でパンツ見せてって頼んでみた」でした。

    栗俣:既にちょっと見えちゃってますけど(笑)。イラストというより“前フリのある1コマ漫画”という感じです。

    ふなつ:「漫画家だからキャラクター性を出したほうがいいかな」と思って、セリフを入れました。これは4コマ漫画でいうところの4コマ目がない連作になっていて、1日1枚ずつ投稿して、エッチなことが起こるであろう4枚目をあえて描かずに、次の子のエピソードに移っています。

    栗俣:反応はどうでしたか?

    ふなつ:「続きを描いてください!!」っていうリプライがたくさんきました。本当に多かったので、Twitterの機能を使って「胸やパンツを描いた方がいい/描かない方がいい/どっちでもいい/いっそち〇こも出そう」のどれがいいかアンケートを取ったんです(笑)。

    栗俣:一番多かったのはどれですか?

    ふなつ:「描いた方がいい」、次が「いっそち〇こも出そう」でしたね。「どっちでもいい」と「描かない方がいい」はすごく少なかったです。それを見て「わかりました。描くので皆さんツイートしてくださいね」と。

    ふなつ:そういうわけで“4コマ⽬”を描くことになったので、1⽇1枚ずつ投稿するという形式は変えずに、4枚⽬のときに1~4枚⽬をひとつのツイートにまとめるという⽅法で描いていきました。そしたらその1作目がものすごくバズって、朝起きたらリツイートといいねが今まで見たことないような数字になってて「んんんんんん!!???」ってしばらく理解できなくてじっと画⾯を⾒てましたね(笑)。その時フォロワーが2万⼈くらいだったんですが、1週間後には3万5千⼈に増えてました。

    栗俣:それはうれしいですね。

    ふなつ:「見てくれてるんだ!」と思って、すごくうれしかったですね。気がつけば最初の投稿から約1年、ほぼ毎日「土下座」シリーズを続けていました。昨年末あたりは同人誌を出すのに忙しくなって、一時的に止まってしまいましたけどね。Twitterのフォロワーは、今では8万人以上になってます。

    栗俣:すごいですね。「やり方次第でエロでもリツイートが伸びる」ということですね。そこから「土下座」シリーズは〈学校編〉として同人誌になり、DMMさんで電子書籍のダウンロード販売が開始、その後KADOKAWAさんから紙の単行本が発売されることになります。

    ふなつ:最初のうちは「本にしてください」と言われても、「たまったら同人誌にでもしようかな」くらいにしか思っていなかったんですけどね。

     

    SNSのバズから漫画家が生まれることへの心配

    栗俣:ふなつ先生は〈商業誌〉〈同人誌〉〈Twitter〉の3媒体で作品を発表されていますが、今の漫画家さんには、「商業メインでいくか、それとも同人誌か」「Twitterをどう使えばいいのか」ということについて悩んでいる人も多いと思います。一方でTwitterに公開した漫画がバズって、それが書籍化されて売れている方というのもいますよね。これからの漫画家の“働き方”について、先生はどんなふうに考えていらっしゃいますか?


    ふなつ:「Twitterに公開したものがバズって漫画家として売れる」ということについては、ひとつ心配に思ってることがあるんです。言い方がちょっとアレなんですけど、すでに漫画家として土台があって、その方の“片手間に描いたもの”がバズってお金になるのはいいと思うんですよね。ただ、これから漫画家になりたいと思っている人がバズ目的で漫画を描いて、それが一冊の本にできるくらい溜まって、出版社から声がかかったので実際に本になったとします。で、売れたとして「次はどうするの?」って。

    栗俣:なるほど。

    ふなつ:そもそもTwitterでバズること自体が簡単でないというのは、私もわかっているつもりです。僕が言いたいのは、「またバズるものを描かなきゃいけないのか?」ということ。その人に漫画家として作品を描き上げる実力があるとして、一度本を出した後に「連載にしませんか」「うちで描きませんか」って声がかかるのかはわからないですよね。またバズるのを待たれるんじゃないかというのが、心配に思っているところです。

    ちゃんとした漫画家を目指そうとすれば、描いてはボツになり、描いてはボツになり……「あれ、俺最近全然ペン入れしてないな」みたいなことなんてザラにあるんです。何年も下積みが必要だから、それに比べれば毎日Twitterで作品を公開したほうが、楽しいし反応がもらえて、やりがいがありますよね。ただやっぱり土台はできていないままだと思うので、その状態で“漫画家”になって大丈夫かなという思いがあります。

    栗俣:確かに……。

    ふなつ:一方で、「Twitterでバズったものをただまとめて本にする」というケースについては、編集という仕事に対しての不安があります。バズってるものを探して、ただ声をかけて単行本化しているだけだとしたら、一緒に作品作りをしていないということになりますよね。SNSで間口が広がっていることは確かだと思うんですけど、“生まれたて”の状態からどう育てるか、育つかということはすごく重要だと思うんです。なのでそういうステップで“漫画家”になった方にも、ちゃんとひとつ、きちんとした連載をやってほしいなと思います。

    栗俣:それでは最後に読者へのメッセージをお願いします。

    ふなつ:今までの作品に“何でもあり”のものが多いなかで、今連載している『すんどめ!!ミルキーウェイ』は、本当エロに特化したものです。けっこうギリギリを攻めていて、よく「ギリギリアウト」って言われるけど……。とにかく、そういうのが好きな方にはぜひ読んでいただきたいです。有害図書指定される前に買ってください(笑)。

    栗俣:(爆笑)。

    ふなつ:本当にね、いつも編集から「毛を描くな、毛を描くな」って言われるんですよ……。

    栗俣:(笑)。その話はぜひ7月のトークショーでお願いします!

     

    「ふなつかずきトークショー」イベント情報

    7月26日(木)に開催されるイベントでは、ふなつかずき作品の魅力に栗俣さんが迫ります! 連載中の知られざるエピソードなど、今回記事にできなかったぶっちゃけトークが聞けるかも?!

    日時:2018年7月26日(木)19:00~
    ・会場:TSUTAYA BOOK APARTMENT(東京都新宿区新宿3‐26‐14新宿ミニムビル4F)【MAP
    ・定員:50名
    ・料金:1,500円(税込) ※『すんどめ!!ミルキーウェイ』第4巻購入代を含みます。

    参加方法:電話にて申し込みを受け付けています。
    ※Tel.03-5315-4077(TSUTAYA BOOK APARTMENT)
    ※定員に達し次第、受付終了となります。

    イベント開催を記念して『すんどめ!!ミルキーウェイ』オリジナルグッズの期間限定発売も行なわれます!

    ・アクリルフィギュア(全3種)…各1,600円(税抜)
    ・アクリルキーホルダー(全3種)…各780円(税抜)

    取り扱い店舗
    ①7月26日(木):TSUTAYA BOOK APARTMENT 4Fカウンターにてイベント物販を実施
    ②7月1日(日)〜31日(火)まで:TSUTAYA BOOK STORE五反田店内の『すんどめ!!ミルキーウェイ』期間限定ミニショップにて販売


    ふなつかずき@funatsukazuki
    漫画家。大阪府東大阪市出身。1998年『漆黒のレムネア』で漫画家デビュー。代表作は世界初のカレー漫画『華麗なる食卓』、エロカワ妖怪バトルラブコメディ『妖怪少女―モンスガ―』。現在「グランドジャンプ」にて、『すんどめ!!ミルキーウェイ』を連載中。6月19日(火)に第4巻が発売される。Twitter掲載の漫画を書籍化した『土下座で頼んでみた』(KADOKAWA)も発売中。

    栗俣力也@maron_rikiya
    TSUTAYA書店員。また書籍プロデューサーとして、数多くの新刊、絶版、既刊作品を現場の目線からヒット作へ導き注目を集める。レコメンダーPJプロデューサー、コミック体験イベント「コミックライブ」企画、司会、クリエーター向け情報サイト「クリエーターボイス」企画、インタビュアー、ライターなど行なう。著書に『マンガ担当書店員が全力で薦める本当にすごいマンガはこれだ!』(TOブックス)、原案を担当した『たぶん、出会わなければよかった嘘つきな君に』(祥伝社)などがある。





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