'); }else{ document.write(''); } //-->
バーチャルYouTuberの響木アオが、自身のチャンネルで「まんどくっ!!」と題した動画コンテンツの配信を開始しました。
「まんどくっ!!」は、響木アオが漫画の読み聞かせパフォーマンスをするというもの。今回はその内容とあわせて、「バーチャルYouTuberとは何か?」という基礎情報も説明していきます。
2017年4月にソニー生命保険発表が発表した「男子中学生が将来なりたい職業ランキング」で第3位を獲得し、話題を呼んだ「YouTuber」。YouTubeで配信活動を行なう人たちのことを指す名称ですが、今回紹介する「バーチャルYouTuber」は、それが生身の人間ではなく、架空のキャラクターである場合に用いられています。
ここで連想されるのが、初音ミクをはじめとした「バーチャルアイドル」の存在。バーチャルYouTuberたちも美少女キャラクターであることが多く、主に3DCGなどで制作されています。
また「バーチャルYouTuber」は、バーチャル(virtual)の頭文字を取って「VTuber」とも呼ばれています。
CGキャラクターの登場する動画はこれまでもYouTubeに公開されてきましたが、CG動画の制作には高い技術が必要であること、また時間と費用がかなりかかることから、誰でも気軽に始められるものではありませんでした。
しかし数年のうちに、モーションキャプチャ技術や3D描画技術などが進化。実際の人間の動作を、安価で3Dアニメーションに反映させられるようになりました。
その結果、2017年末頃からバーチャルYouTuberが次々に誕生。一気に知名度を上げています。
多くのバーチャルYouTuberには声や動きを担当する〈中の人〉が存在しており、動画の内容だけでなく、絵師や声優もキャラクターの人気を左右する重要な要素となっているようです。
▼「バーチャルYouTuber」の検索ボリューム推移(googleトレンド)。2017年12月に検索数が急増しています。
現在バーチャルYouTuberとして最も人気が高く、代表的な存在となっているのが「キズナアイ」です。
キズナアイは、今のバーチャルYouTuberブームよりも1年早く、2016年12月から活動している“先輩”。正統派なかわいらしいルックスと、ちょっとポンコツな等身大のキャラクターが特徴で、チャンネル登録者数も173万人と頭一つ抜けています。
そして2017年12月に誕生した“後発組”で人気なのが、「輝夜月(かぐや・るな)」。ウザかわいいキャラクターと耳に残る独特な声、毒気たっぷりのトークで、猛烈な勢いを見せているバーチャルYouTuberです。現在のチャンネル登録者数は62万人。
そのほか、初音ミクのデザイナーとして知られるKEIさんがデザインを手がけた「ミライアカリ」や、見た目は少女・声はおじさんの「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」、ガチムチの男性キャラクターやおばあちゃんまで登場し、バーチャルYouTuber界は早くも群雄割拠の世に突入。
キャラクターの数も短期間で爆発的に増え、今や800を超えているといわれています。
一般的にバーチャルYouTuberたちの動画は、YouTuberと同様に、ゆる~くおしゃべりする「雑談系」、〈歌ってみた〉〈踊ってみた〉といった「パフォーマンス系」、〈やってみた〉などの「チャレンジ系」、ゲームなどの「実況系」といったジャンルに分けられます。
そんななかで「漫画の読み聞かせ」という新たなパフォーマンスにチャレンジしているのが、バーチャルYouTuberの「響木アオ」。今年2月に誕生した新人です。
「みんなと“響きあいたい”」というテーマのもとに生まれた響木アオは、歌が大好きで、アイドルになるために投稿を始めました。
清楚でおとなしそうな外見、かわいらしい部屋着姿。元気で個性の強いバーチャ
ルYouTuberが多いなか、アオちゃんはおっとりしたキャラクターです。
ただ、ときには予想を超える動画も見せてくれます。
そんな響木アオが話題になったのは、最初に投稿された自己紹介動画。「このインタビュー構成、どこかで見たことあるな……」という声も含めじわじわ認知が広がり、再生数は6万回を突破、チャンネル登録者数も誕生からわずか3週間で1万人に到達しました。
アイドルになるために投稿を始めた響木アオ。初投稿以降、ゲーム実況や歌ってみた、ものまねなどさまざまな動画を投稿してきましたが、漫画が大好きだということで、3月末より漫画の読み聞かせパフォーマンスに挑戦しています。
それが「まんどくっ!!」。作中に登場するキャラクター、セリフ、効果音にいたるまで、すべて響木アオが一人で担当しているという体当たりな内容です。
記念すべき1本目で響木アオが読んだのは、『キャッチャー・イン・ザ・ライム』。百合×ラップという異色のテーマ設定で話題になった作品です。
ラップ監修には般若さんとR-指定さんが参加。本格派のラップに触れられる漫画でもあります。
ネガティブでひっこみ思案な主人公の人生が、ラップに出会ったことで輝き出す――。作者は背川昇。「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)にて連載中で、単行本は第1巻が発売中。
そして先日公開された2本目では、『あおはるデミデイズ』を紹介。
こちらは漫画アプリ「GANMA!」で連載されている青春ラブコメで、身体の一部に異形の特徴が発現する「思春期症候群(デミ・コンプレックス)」を発症してしまった“亜人”と、人間たちの日常を描いた作品です。
思春期を迎えた者の体の一部が、異形に変化する症状「思春期症候群(デミ・コンプレックス)」。思春期症候群が流行している世界を舞台に、発症した亜人と人間たちの日常を描く群像青春ラブコメ。作者は猫星にゃ~。3月に単行本第1巻が発売された。
演技力やテンポのよさが求められる「漫画の音読」。複数いるキャラクターのセリフを読みわけるのはなかなか難しそうですが、器用に声質を変え、『キャッチャー・イン・ザ・ライム』ではラップも披露しています。
2本の動画の再生数は、『キャッチャー・イン・ザ・ライム』(3月30日公開)が約6,000回、『あおはるデミデイズ』(4月10日公開)が約3,500回。まだ1巻しか発売されていない作品の存在をこれだけの読者に伝えたと考えると、新人とはいえバーチャルYouTuberの力はあなどれません。
以前ほんのひきだしでは「人気YouTuberが自身のチャンネルで哲学書を紹介したところ、配信翌日に書籍の売上が急伸長した」という事例を紹介しました(※記事はこちら)。
始まったばかりの「まんどくっ!!」ですが、これからさらにパフォーマンスが磨かれることで、“新しい読者”に面白い漫画の存在を知らせる重要な存在となっていくかもしれません。
バーチャルYouTuber「響木アオ」
〉動画一覧はこちら