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広島から夜汽車に乗って上京した少年がロックスターになったり、学年ビリのギャルが慶應大学に現役合格したり……。いつの時代も、底辺からスタートするサクセスストーリーは人の心を動かすもの。今回、そんな物語の系譜に新たな一冊が加わることになりました。
その本のタイトルは『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』。現在はWeb媒体を中心にライター活動をしている、カワノアユミさんによる初の著作です。
どちらかというと過保護な親元で育ったカワノさんは、18歳になると同時に家を出ます。飲食店でアルバイトをするも「ダルい」「休みが少ない」と長続きせず、楽にお金を稼ぎたい一心で水商売の世界へ。
そんな彼女が、いったいどのような経緯で海外で働くことになったのか、そしていかにして“ナンバー1”になったのか、本書の内容を少しだけご紹介します。
18歳のとき、六本木で1人暮らしをしていたカワノさん。なじみのスカウトマンから数々のキャバクラを紹介されるも、「入店後、1か月間は時給が保証される」というキャバクラ特有の給与システムをいいことに、「1か月働いてはクビになる」のを繰り返していました。
まさに“底辺キャバ嬢”! そんなカワノさんは、ついにスカウトマンから「お前に紹介できる店はない」と言われてしまいます。
仕事はないけれど、クラブやホストは大好き! でもそれにはお金がかかる……。
そんなとき、当時の彼氏が持ち掛けてきたのが「香港で日本人キャバクラがオープンする」という話。しかも「日給3万円、10日間でOK」という好条件でした。実は、彼氏は女性をあっせんすることで紹介料を受け取っていたのですが、お金に困っていたカワノさんはこれを快諾。
かくしてハプニングだらけの香港キャバクラ時代がスタートします。しかし、これはカワノさんのキャバクラ放浪記の序章でしかありませんでした――。
▼香港時代に暮らしていた寮にて。
香港から帰国したカワノさんは、沖縄で10年間のキャバクラ生活を送ります。
同時に「日本全国の夜遊びを極めよう!」と遊びまわった結果、日本だけでは飽き足らず、いつしか世界に目を向けるように。
その後、タイ、カンボジア、ベトナム、ラオス、フィリピンなど、15か国以上で夜遊びを体験。中でも、すべての夜遊びがそろっているタイにハマってしまった彼女は、「タイに住みたい!」と一念発起し、現地のキャバクラに勤め始めます。
しかし、日本のキャバクラとはかけ離れたお店の実態を見て唖然。営業努力をまったくせず、お店が暇でも気にしないキャストたち。たまにお客が来たかと思えば、よってたかってドリンクおねだり攻撃をしかけ、高額の料金を請求。その結果、リピーターがつかずお店は暇なまま……。
この状況に置かれ、「自分がなんとかしなければ」と覚醒したカワノさん。同伴やアフターなど、店外での営業を積極的に実行。長年の夜遊び経験から、現地の人しか知らないナイトスポットを案内するなどしてお客からの信頼を高めていきます。また、お店の料金についてマネジャーと交渉し、お客が無理なく払える額に値下げしつつ、お店と自分の利益もしっかり確保しました。
こうして徐々に売上を伸ばし、ついにお店でナンバー1の地位を獲得。自信をつけたカワノさんは、2回目の香港、シンガポール、カンボジア、ベトナム……とアジア各国のキャバクラを駆け抜けます。
▼香港で使用していたアルミホイルの灰皿。法令により屋内が禁煙のため、店に灰皿を置くことができず、自作していたのだとか。
そのほかにも、本書にはカワノさんの怪しい体験がたっぷり収録されています。
妖怪のようなジジイが集うマンションに住んだこと、女性をターゲットにしたセクハラマッサージの実態、女性だけでゲイ専門の店に遊びに行ってみた思い出など……気になるエピソードが次々に登場。赤裸々に綴られた体験記から目が離せません。
また、実際の体験をもとに記録された各国のキャバクラの情報は、キャストとして入店してみたい女性のみならず、夜遊び好きな男性にも役立ちそう。旅の“裏ガイド”として、本書を旅行カバンに忍ばせておくのも良いかもしれません。
▼パタヤの屋台での一枚!
・整形で美人になった「ブス」は、幸せになれるのか?『自分の顔が大キライ』
・恋愛や人生がうまくいかない人へ……自称“メンヘラキャバ嬢”みやめこの言葉が重すぎる件