• 〈祝・100冊!〉堂場瞬一の好きな本・好きな書店の話(堂場瞬一インタビュー・後編)

    2015年09月17日
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    ほんのひきだし編集部
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    今年10月に発売される『Killers』(講談社)で刊行100冊目を迎える作家・堂場瞬一さん。ほんのひきだしでは、「実はまだ作品を読んだことがない」という方に堂場瞬一さん自らが選んだおすすめの一冊や、創作の裏側、本や本屋さんに対する思いなどをお聞きしてきました。

    〉前編を読む

     PROFILE 

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    堂場瞬一(どうば・しゅんいち)
    1963年生まれ。茨城県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒業。2000年秋『8年』にて第13回小説すばる新人賞を受賞。主な著書に「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「警視庁犯罪被害者支援課」「警視庁追跡捜査係」の各シリーズ、『ルール』(実業之日本社)、『複合捜査』(集英社)、『夏の雷音』(小学館)、『黄金の時』(文藝春秋)、『十字の記憶』(KADOKAWA)などがある。

     

    子どもの頃に読んだ作品も、今の創作に生きている

    ――公式サイト「堂場瞬一の100冊」の100の質問コーナーでも、「子どもの頃に好きだった本はたくさんありすぎて選べない」とおっしゃっていましたが、どのような本を読まれてきたんですか?

    堂場:その頃から色々読んでいましたからね。作家になったのも、それが大きな要因だと思っていますし。……好きな本、よく聞かれるんですが決められないんですよ。一年に一度は必ず読み返すという本ですら、何冊もありますから。初めて読んだのも、高校生だったり数年前だったり、ばらばらです。

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    堂場:“影響を受けた本”でいえば、今、北欧が舞台の小説を書いているんですけれど、同じ北欧の作品「小さなバイキング ビッケ」シリーズですね。アニメが始まる前に出会ったので、アニメもリアルタイムで見ていました。

    小さなバイキングビッケ
    著者:ルーネル・ヨンソン エーヴェット・カールソン 石渡利康
    発売日:2011年09月
    発行所:評論社
    価格:1,512円(税込)
    ISBNコード:9784566013797

    ――冒険心を掻き立てられますよね。私は「ビッケ」を読んで「海賊って楽しそうだなあ」と思っていたんですが、少し大きくなったときに残酷なエピソードを知って、ショックを受けました……。

    堂場:幼稚園児に「バイキング」と言っても分からないですからね。ただ、最近になって「実は海賊はそんなに悪いやつじゃなかった」という説が出てきたりもしているんですよ。われわれが勝手に思い込んでいるイメージが覆るのも面白いですよね。この歳になっても(本との)新しい出会いがあるのは嬉しいです。

     

    堂場さんが仕事場に選んだのは「本屋が少ない土地」

    ――概念的で構わないんですけれど、「こういう本屋さんが好きだ」というのはありますか?

    堂場:街の本屋さんが好きです。かなり減ってしまってはいますが、取材であちこち出かけるので、その土地でふと見つけると「ああ、よかった」と思いますね。

    ――仕事場は渋谷ということですけれど、行きつけの本屋さんを教えていただきたいです。

    堂場:ここから一番近いので、青山ブックセンター本店ですね。このあたりは意外と書店が少ないんですよ。

    ――本がお好きなのに、本屋さんが少ないところを仕事場に選んだのは意外ですね。他に候補に挙がっていた土地はありましたか?

    堂場:神保町ですね。資料集めなんかには、やっぱり神保町だなあと思います。……とはいえ、仕事という名目であちこち遊んでしまうのが分かっていたので、諦めました。渋谷は、神保町に出やすいということもあって第2候補にしていました。駅の周りが色々と生まれ変わっている最中なので、それをちゃんと見届けたいなという思いもあって、すぐに決めました。

    ――なるほど。あらためて仕事場を拝見すると、こちらにもたくさん本がありますね。ご自宅にはもっとたくさんあるんでしょうか?

    堂場:書庫に関しては、自宅が一室埋まっていて、床が抜けかけています。どうしたものか困っているんですよ。処分できないたちなので余計に……。

    ――これも意外です!几帳面な方だと思っていたので。

    堂場:きっちり整理整頓するタイプではないですよ。この間も、資料として編集担当者に本を渡さなくてはならなくなって、探すのに1時間くらいかかりましたから(笑)。

    堂場:本は、私にとっては「蔵書」ではないんですよ。いつも読むものなので、飾ったりきれいに並べたりするという習慣がないんです。“資料として使うもの” と “そうでないもの” くらいの区別しかしていないし、「だいたいの場所を把握してさえいればいいや」くらいなもので、結構いいかげんですよ。ただ、きちんと本を整理して並べられる巨大な書庫が欲しいとは思いますね。陽が入らないようにして、空調も調節して……。でも、夢のまた夢でしょうね。最期は本がたくさんあるところで死にたいなあ。

    ――ギターは一緒じゃなくていいですか?

    堂場:傍らに置いておきましょう(笑)。

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    堂場さんから書店員さんへのメッセージ

    ――先ほど、いわゆる「街の書店」がお好きだとおっしゃっていましたけれど、書店員さんに向けて何かメッセージをいただいてもよろしいでしょうか。

    堂場:そうですねえ……「私の本だけ売ってください」かな(笑)。

    一同:(笑)

    堂場:まあ、こう言うときれいにまとまってしまいますけれど、小説を読まないと人間って想像力がなくなってしまうので、書店員さんには子どもたちの想像力を培うような仕事をぜひしていただきたいですね。

     

    ***

     

    堂場瞬一さんの100冊目刊行にあわせて、歴代の作品を紐解く本・冊子が製作されています。河出書房『文藝別冊 堂場瞬一』はこちら。

    堂場瞬一
    著者:堂場瞬一
    発売日:2015年09月
    発行所:河出書房新社
    価格:1,404円(税込)
    ISBNコード:9784309978710

    小冊子「堂場瞬一 100冊の軌跡」は全国の書店で配布されています。ぜひ手にとってみてください。


    (聞き手:日販 販売企画G 古幡瑞穂)

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