• 〈祝・100冊!〉堂場瞬一本人が選ぶ「初めて触れるならこの一冊」(堂場瞬一インタビュー・前編)

    2015年09月10日
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    ほんのひきだし編集部
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    今年10月に発売される『Killers』(講談社)で刊行100冊目を迎える作家・堂場瞬一さん。それを記念して発足した出版社合同のプロジェクト「堂場瞬一の100冊」が、現在佳境を迎えています。

    http://www.doba.jp

    今回「ほんのひきだし」では、堂場瞬一さん自らが選んだ「初めて触れるならこの一冊」をはじめ、創作の裏側や、本や本屋さんに対する思いなどをお聞きしてきました。2部構成でお送りします。

     PROFILE 

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    堂場瞬一(どうば・しゅんいち)
    1963年生まれ。茨城県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒業。2000年秋『8年』にて第13回小説すばる新人賞を受賞。主な著書に「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「警視庁犯罪被害者支援課」「警視庁追跡捜査係」の各シリーズ、『ルール』(実業之日本社)、『複合捜査』(集英社)、『夏の雷音』(小学館)、『黄金の時』(文藝春秋)、『十字の記憶』(KADOKAWA)などがある。

     

    気付いたら目前に迫っていた100冊目

    ――まずは100冊目の刊行決定、おめでとうございます。さっそくなんですが、ここまで多くの作品を書けた秘訣は何でしょうか?もともと目指していらっしゃったとか。

    堂場:数値目標は特にありませんでしたね。あれもこれもと書いていたら、いつの間にか100冊になっていました。少し前に「だいぶ作品の数が多くなってきたな」と思って、あらためて数えてみたら「もうすぐ100冊だ!」ということで、せっかくならお祭りをしたいなと。

    ――公式サイト「堂場瞬一の100冊」で、プロジェクトの内容や作品リスト、100の質問などを拝見しました。堂場さんは主に警察小説やスポーツ小説を書いていらっしゃいますよね。「いま警察モノを書いているから、次はスポーツ小説にしよう」という風な書き分けはされているんですか?

    堂場:それはやっていないですね。できないです。

    ――いかんせんハイペースで創作されているので、管理なさっているのかなと(笑)。でも、単行本の執筆に加えて連載の原稿やゲラの確認など、並行されるとかなりお忙しいのでは?

    堂場:いっぺんに同時進行しないで、できるだけひとつひとつに集中するように心がけてはいますね。少なくとも、描き下ろしを書いているときはそれだけに集中すると決めています。

     

    意外にも読者層は男女ほぼ同数

    ――手土産というわけではないんですが、今日はこんなものを持ってきたんですよ。堂場瞬一さんの作品を購入された方が、各世代で男女それぞれ何人いるかというグラフです(日販 WIN+より)。

    堂場瞬一さんwinデータ

    ――見ていただくと分かるんですが、堂場さんの作品って、男女の割合がほぼ同じなんですよ。主に警察小説が多いので男性の読者が多いのではと思っていたんですが……。

    堂場:「アナザーフェイス」シリーズの効果でしょうかねえ。

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    ――ベストセラー作品の読者には基本的に40代の女性が多いので、ピークが60代にあるという点にも驚きました。新聞の購読者層と重なるんですよ。

    堂場:スタッフからは、だいたい私より少し上(50代くらい)が読者の中心なんじゃないかと言われていましたし、私自身、男女比は6:4か7:3くらいで男性が多いんじゃないかと思っていたので、これは意外ですね。

    ――あとは、別のデータから「堂場さんの作品は、新刊が出たら必ず買う」という方が多いことも分かったんですよ。

    堂場:なるほど。

    ――この「堂場瞬一の100冊」プロジェクトを機に、堂場さんの作品をまだ読んだことがない方、特に「なんとなく難しそう」だと思っている若い方に興味を持ってもらえたら嬉しいですよね。

     

    堂場さんご本人が選んだ「初めて触れるならこの一冊」

    ということで、(贅沢なことに)堂場さんご本人に、「初めて堂場作品を読む方におすすめの本」を「警察小説」「スポーツ小説」「その他」の3ジャンルから1冊ずつ選んでいただきました!

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     警察 

    やはり「アナザーフェイス」シリーズです。おじいちゃん・おばあちゃんの視点では孫の可愛さ、親が見れば子育ての難しさ。そういう風に視点を変えても楽しめるように書いているので、年齢・性別問わず読みやすいと思います。

    アナザーフェイス
    著者:堂場瞬一
    発売日:2010年07月
    発行所:文藝春秋
    価格:788円(税込)
    ISBNコード:9784167787011

     スポーツ 

    いろいろありますが、甲子園熱の残る今なら『大延長』

    大延長
    著者:堂場瞬一
    発売日:2011年06月
    発行所:実業之日本社
    価格:741円(税込)
    ISBNコード:9784408550404

    もしくは『チーム』ですね。『チーム』に関しては、これから98冊目『チームⅡ』が出ます。私の書くスポーツ小説には、スポーツ界の問題を暴くシリアスなストーリーが多いのですが、最初に手に取る方には、読後も爽やかなこちらがおすすめです。

    チーム
    著者:堂場瞬一
    発売日:2010年12月
    発行所:実業之日本社
    価格:741円(税込)
    ISBNコード:9784408550237

     その他 

    「警察」「スポーツ」のどちらにも属さない作品は、わりと好きに書いてるので読みやすいものは少ないかもしれません。
    今回の企画の主軸である100冊目の『Killers』も、説明しづらい作品(笑)。これまで事件や犯罪を「警察」が追う話を多く書いてきましたが、これは立場を逆転させた話です。正義の側をたくさん書いてきたので、悪の側を書こうと思って書きました。

    ただし、単純なノワールではありません。本人に「悪」の意識がないんですね。「悪を書く」ということに関してはこれまでも色々と試してきましたが、その点で従来の作品と全く違います。

    Killers 上
    著者:堂場瞬一
    発売日:2015年10月
    発行所:講談社
    価格:1,944円(税込)
    ISBNコード:9784062197526

    Killers 下
    著者:堂場瞬一
    発売日:2015年10月
    発行所:講談社
    価格:1,944円(税込)
    ISBNコード:9784062197533

     

    堂場さんから読者の皆さんへ

    たくさんあるので、まだ私の書いた本をお持ちでない場合、「今から何買おう」と悩む方も多いと思います。

    それもあって、書店等で配布中の小冊子「堂場瞬一 100冊の軌跡」は最初からブックガイドでいきたいなと思っていたし、河出書房新社からは9月10日に、書き下ろし小説やジャンル別ブックガイド、阿川佐和子さんとの対談などが収録された『文藝別冊 堂場瞬一』を刊行しました。この2つを見ていただければ、まず何に触れるといいか分かると思います。

    堂場瞬一
    著者:堂場瞬一
    発売日:2015年09月
    発行所:河出書房新社
    価格:1,404円(税込)
    ISBNコード:9784309978710

    「いくつかは読んだことがある」という方には、私の作品は随所でお互いの作品にリンクしていたりもするので、未読の作品を選んでそれを見つけるのを楽しんでほしいですね。実際にリンクしているのを見つけた方は、相関図を自分で作るのも楽しいですよ。

     

     

    インタビュー前編はここまで。後編では、堂場さんがこれまでに読んできた本や、好きな本屋さんのお話を伺います!9月17日公開ですので楽しみにお待ちください。


    (聞き手:日販 販売企画G 古幡瑞穂)

     

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