• 野沢直子は、やはりただ者ではなかった!『笑うお葬式』は野沢家の人々を描く、涙なくしては読めない奇跡の一冊

    2017年10月18日
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    日販 ほんのひきだし編集部 「新刊展望」担当
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    10月12日(木)、野沢直子さんの『笑うお葬式』が発売されました。

    本作は、野沢さんの破天荒な父親の秘密と、家族の大切な記憶を綴った物語です。よしもと芸人によるムック「文藝芸人」に掲載され、読者から「リリー・フランキー『東京タワー』に匹敵する親子愛の名作」と絶賛された作品に大幅加筆。格闘家デビューした長女、野沢・真珠オークライヤーさんとの子育ての日々などが追加され、野沢家4代の物語に仕上がっています。

    懸命に生きる野沢家の人々を描き、笑いと涙にあふれた本作について、編集を担当した文藝春秋・文藝出版局の島田真さんに文章を寄せていただきました。

    笑うお葬式
    著者:野沢直子
    発売日:2017年10月
    発行所:文藝春秋
    価格:1,350円(税込)
    ISBNコード:9784163907307




     

    『笑うお葬式』は、懸命に時代を生き抜いた「野沢家4代の物語」

    文芸作品に興味があるよしもとの芸人さんに作品を書いていただいて一冊にまとめられないか。

    よしもと出版の担当の方とそんな話をして、今年3月、文春ムックの「文藝芸人」を刊行しました。そのなかで筆者の候補として野沢直子さんの名前を挙げたところ、実はこんな原稿があります、と読ませてもらったのが、「笑うお葬式」という長いエッセイでした。

    一読して、思いました。野沢さんは、やはりただ者ではなかった、と。

    野沢さんの父は、奇抜なアイディアで事業を成功させたり、完全に失敗したりを繰り返し、愛人や隠し子をあちらこちらに持っていました。しかし家族のことは大切にしていました。そんな破天荒な父親との思い出を綴った文章は、純文学の文体で表現されれば芥川賞にふさわしいと思えるような、濃密な空気をまとっていました。

    野沢さんならではの観察眼と鮮明な記憶。それを表現する文章と、天性の資質としかいいようがないユーモアのセンス。これは一冊の本にするしかない、とすぐに思いました。

    「文藝芸人」が発売された後、あらためて野沢さんに次のようなお願いをしました。エッセイは父の闘病を中心に書かれていたので、父親のことだけではなく、直木賞候補と目された祖父のこと、三味線の師匠で家計を支えた祖母のこと、父を認め最後まで支えた母のこと、声優として活躍した伯父の野沢那智さんのこと。つまり、懸命に時代を生き抜いた「野沢家の人々の物語」を後世に残しませんか、と持ちかけたのです。

    快諾した野沢さんは、エッセイをもとにこの作品を2か月で書き上げました。ご自宅のあるサンフランシスコから送られてきた原稿は、まさに私が求めていた内容で、さらに総合格闘家としてデビューした長女、真珠・野沢オークライヤーさんとの激しすぎる子育ての日々も綴られていました。野沢家4代の物語。「輝きたい!」その一念で苦しむ娘の姿は、いつしか壮絶に、破滅的に生きた父の人生と重ね合わさっていきます。

    野沢さんらしいユーモアで笑いに包まれながら、涙なくしては読むことができないこの作品は、小説を超えた小説といえます。「人生でこの奇跡のような一冊を手にとらなければ大損しますよ」と声を大にして訴えたいです。

    文・文藝春秋 文藝出版局 第二文藝部担当局次長 島田真

    笑うお葬式
    著者:野沢直子
    発売日:2017年10月
    発行所:文藝春秋
    価格:1,350円(税込)
    ISBNコード:9784163907307
    文藝芸人
    発売日:2017年03月
    発行所:文藝春秋
    価格:799円(税込)
    ISBNコード:9784160086487

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