• 『校閲ガール』の著者が最近一番「幸せ」を感じたのは、あの人の写真集!宮木あや子さんの読書日記

    2017年09月20日
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    日販 ほんのひきだし編集部 「新刊展望」担当
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    9月14日(木)、宮木あや子さんの『ヴィオレッタの尖骨』が発売されました。

    『ヴィオレッタの尖骨』は、世間から隔絶された少女たちの一途で激しい想いを描く、耽美で狂おしい恋愛小説集です。

    ヴィオレッタの尖骨
    著者:宮木あや子
    発売日:2017年09月
    発行所:河出書房新社
    価格:1,512円(税込)
    ISBNコード:9784309026039

    宮木さんは自身の作品について、繊細で叙情的な作品群をA面、女性たちの本音を痛快に描く、コミカルな作風をB面と呼んでいます。

    『ヴィオレッタの尖骨』がA面の真骨頂なら、B面の代表作は、昨年ドラマ化された『校閲ガール』シリーズ。ドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」で主演を務めた石原さとみさんについては、先日写真集が発売され、話題になっていますね。

    そして、宮木さんが最近買った本の中で最も“幸せ”を感じたのが、この写真集『encourge』だそう。今回寄せていただいた読書日記は、そんなエピソードから始まります。

    「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」は、9月20日(水)にスペシャルドラマが放送されます!

     

    石原さとみが可愛い

    小説じゃなくて申し訳ないんですが、最近買った本で一番「幸せ……」って思ったのは、石原さとみさんの写真集『encourage』です。奇しくも石原さんがこの写真集の撮影をしている時期、ぜんぜん別口で私の友人もキューバに行ってました。ご飯が非常に不味かったとか、海がものすごく綺麗だったとか、人がとっても親切だったとか、友人のSNSを通じてリアルタイムでキューバのあれこれを観ていたので、写真集を眺めながら「石原さんも現地で不味いご飯食べたのかなあ……」などいろいろ想像できて楽しかったです。石原さん、本当に可愛いの。写真集の写真もぜんぶ素敵なの。だからみんな買うといい。

    encourage
    著者:石原さとみ 伊藤彰紀
    発売日:2017年08月
    発行所:宝島社
    価格:1,944円(税込)
    ISBNコード:9784800273871

    校閲ガール』が石原さん主演でドラマになってから1年が経ちました。おかげさまで今年1年ほとんど働かないで暮らせました。ドラマ化すごーい。しかし約1年ぶりの新刊『ヴィオレッタの尖骨』は、かなり血みどろで汁まみれの暗い話、しかも女の子同士の恋愛小説です。明るく楽しく健全で誰が読んでも大丈夫な『校閲ガール』のおかげでやっと増えたお客様を大々的に減らそうキャンペーンみたいな本になってしまって、現在ちょっと途方に暮れております。ごめんね版元……。

    校閲ガール
    著者:宮木あや子
    発売日:2016年08月
    発行所:KADOKAWA
    価格:605円(税込)
    ISBNコード:9784041042205

    で、この本に収録されているうちのひとつの話を改稿するために、文学座さんから寺山修二の某脚本をお借りしたところ、表紙にガルシア・ロルカの戯曲の一部が記されていました。ロルカは『血の婚礼』という作品が有名なスペインの詩人/劇作家です。「ヴァネッサ・パラディの映画ね!」と思った方。それは『白い婚礼』です(原題も「Noce Blanche」)。「グイン・サーガ?」と思った方。そっちは『死の婚礼』です。

    話を戻しますが、この台詞が結構印象的だったので『血の婚礼』が収められている文庫本を買いました。題名から想像がつくとおり、まったくもって救いのない悲惨なお話でした。ただ、素敵な台詞はいっぱいあって、中でも「いつか自分の小説に引用したい」と思ったものが

    「血を腐らせたまま生きながらえるより、血を流して死ぬほうがましさ」

    です。しかしながらこれは「木こり1」の台詞。メインキャストの花嫁や花婿やではなく、木こり。なんでこんな深い台詞を木こりに言わせちゃったんだよセニョール……! せめてレオナルドに言わせようぜセニョール……!

    血の婚礼
    著者:フェデリコ・ガルシア・ロルカ 牛島信明
    発売日:1992年07月
    発行所:岩波書店
    価格:907円(税込)
    ISBNコード:9784003273012

    あとこの1、2か月くらいで新しく読んだのは、『鹿の王』『』『忍びの国』『妖櫻記』『ポーの一族 春の夢』などです。このあたりは私が感想を書かなくてもネット検索すれば人の感想ざくざく出てくると思うのでそちらを参考にしてください。私の感想もだいたい同じです。

    10年ぶりに読み返した本は『終戦日記』(大佛次郎)。前述のとおり、この平和な時代に私はドラマ化に浮かれて1年間ほとんど働きませんでした。だって、働かなくても1年は暮らせたから。でも終戦の年、大佛次郎という大作家(たぶん働かなくても死ぬまで暮らせた)は体調不良に苦しみながら、空襲に怯えながら、友の死を見送りながら、社会に憤りながら、小説や随筆を書いていた。印刷所が次々と空襲で焼かれても、出版社は自身の使命としてどうにかその文章を世に送り出していた。

    ――雲一つなく晴れ、燃えるような空あり。

    広島に原爆が落ちた翌日の記録の冒頭、涙が出ると同時に、自分の無精と慢心に対する怒りと恥ずかしさで死にたくなりました。でも、まだ依頼があるから、それを書き終えるまでは生きていくね私。

    終戦日記
    著者:大佛次郎
    発売日:2007年07月
    発行所:文藝春秋
    価格:1,018円(税込)
    ISBNコード:9784167717353

    宮木あや子 Ayako Miyagi 
    1976年、神奈川県生まれ。2006年、『花宵道中』で第5回R-18文学賞大賞と読者賞を受賞しデビュー。2013年『セレモニー黒真珠』で第9回酒飲み書店員大賞を受賞。2016年『校閲ガール』が、石原さとみ主演で「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」としてドラマ化された。ほかに『雨の塔』『白蝶花』『群青』『太陽の庭』『春狂い』『官能と少女』『喉の奥なら傷ついてもばれない』など著書多数。鋭敏で繊細な女性心理描写と官能描写、また艶やかな文章に定評がある。

    校閲ガールア・ラ・モード
    著者:宮木あや子
    発売日:2017年06月
    発行所:KADOKAWA
    価格:605円(税込)
    ISBNコード:9784041058626
    校閲ガールトルネード
    著者:宮木あや子
    発売日:2016年10月
    発行所:KADOKAWA
    価格:1,404円(税込)
    ISBNコード:9784041044926
    白蝶花
    著者:宮木あや子
    発売日:2017年02月
    発行所:幻冬舎
    価格:745円(税込)
    ISBNコード:9784344425767

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